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2025年07月28日
中医協・総会
かかりつけ医機能報告を踏まえた診療報酬上のあり方で賛否
中央社会保険医療協議会・総会は7月16日、2026年度診療報酬改定に向けた個別事項に関する議論を開始した。初回のテーマは外来医療。かかりつけ医機能報告の創設を踏まえた診療報酬上の評価が重要論点の一つとなったが、診療側は、かかりつけ医の認定制やフリーアクセスの制限につながることを牽制。かかりつけ医機能報告と診療報酬上の評価は切り離して議論すべきだと訴えた。
かかりつけ医機能関連の既存報酬には、体制整備を評価する「機能強化加算」や「時間外対応加算」、診療行為を評価する「地域包括診療料・加算」などがある。かかりつけ医機能報告は医療機関が自院のかかりつけ医機能を報告し、その結果を地域においてかかりつけ医機能を過不足なく整備するための施策に活用する仕組み。厚生労働省は総会に提出した報告項目と関連報酬を対比した資料で、日常的な診療の総合的・継続的実施(1号機能)に関する報告項目のうち一次診療の対応状況については、「機能強化加算」をはじめとする既存報酬の要件に含まれていないことなどを明らかにした。
これを受けて支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「1号機能はかかりつけ医機能の出発点となる重要なポイントであり、これをどう適切に評価するかという視点で体制整備の評価を大きく見直す議論が必要不可欠だ」と指摘。一方、診療側の江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、「かかりつけ医の認定を後押しするような観点からの議論は、かかりつけ医機能報告の趣旨に全く反する。診療報酬上の評価と結びつけて議論するべきではない」と支払側の主張に異議を唱えた。
診療側がオンライン診療の時間距離要件等について再考求める
この日はオンライン診療についても議論し、診療側は22年度改定で時間距離要件(患者宅との距離が概ね30分以内)と上限規制(実施割合1割以下)が廃止されたことにより、不適切事例が増加しているとの認識を表明。長島公之委員(日本医師会常任理事)は、「対面診療を原則とするのであれば時間距離要件は非常に有効だった。対面診療がきちんとできるという意味で、果たして9割以上がオンライン診療の医療機関は大丈夫なのか。この点は再考すべきではないか」と指摘した。
2025年7月16日時点の情報に基づき作成