「全員同意」の壁が下がり、建替え・売却の決議がしやすくなりました。
改正の全ポイントと、合意形成の進め方をまとめています。
01法改正の背景 マンションを取り巻く“2つの老い”
建物・設備の老朽化と、所有者の高齢化という「2つの老い」。この老いが、手続きや適用条件などの煩雑さという壁に阻まれて、建替えや敷地売却の選択を断念せざるを得ないという状況を数多く生み出しています。国では2026年度に法改正を実施しました。
![2つの老い[建物の老朽化 + 居住者の高齢化]マンションの長寿命化[管理の円滑化] マンション再生の促進[再生の円滑化]](images/img01.png)



02再生メニューの選択肢を新設
「再生する手法」「売却する手法」「除去する手法」の3分類。更新(一棟リノベーション)決議・建物敷地売却決議・建物取壊し敷地売却決議・取り壊し決議が新設されました。


03建物敷地売却決議の議決要件を緩和
従来は区分所有者の「全員同意」が必要でしたが、議決権を持つ人の4/5の賛成により決議できるように改正されました。
![[従来]建物敷地売却や建物の取り壊し等を行うには 区分所有者の「全員同意」が必要。この全員同意が高いハードルになり、実施は事実上困難になっていました。全員同意が必要 [改定後]全員同意ではなく、議決権を持つ人の4/5の賛成により決議できるように改正。老朽化したマンションに対し、建替えをはじめ様々な選択をとれるようになりました。 賛成 4/5 で議決](images/img04.png)

04一定の客観的事由のあるマンションの決議要件を緩和
①耐震性不足 ②火災安全性不足 ③外壁剥落のおそれ ④給排水管の腐食等により著しく衛生上有害となるおそれ ⑤バリアフリー基準への不適合
いずれかに該当すると認定を受けたマンションでは、各4/5以上 → 各3/4以上に緩和されます。
![[従来]建替え決議 区分所有者総数及び総議決権の各4/5以上の賛成で議決 [改定後]建替え決議/建物更新決議建物取り壊し決議区分所有者総数及び総議決権の各3/4以上の賛成で議決 [従来]敷地売却決議 区分所有者総数及び総議決権の各4/5以上の賛成で議決 [改定後]建物敷地売却決議 建物取壊し敷地売却決議区分所有者総数及び総議決権の各3/4以上の賛成で議決](images/img05.png)

05マンション再生型総合設計制度の緩和内容の拡充
「要除却認定マンション」では、従来の容積率の制限緩和に加えて、高さ制限の緩和も特例として認められるようになりました。
![[従来]容積率の緩和 容積率の特例 [改定後]容積率の緩和+高さ制限の緩和 容積率の特例+高さ制限](images/img06.png)

06隣接地等を取り込んだ建替え等の推進
建替えに協力する隣接地権者の権利変換を可能にする改正。隣接地・底地を取り込み、十分な保留床を確保できるようになりました。
区分所有者の負担を軽減し、合意形成をしやすい環境を整備するために、建替えに協力する隣接地地権者の権利変換を可能にする法改正を実施。隣接地を取り込んで建築規模を拡大し、十分な保留床を確保できるようになりました。また、借地権マンションにおいて、底地権者の権利変換を認めることで、底地を取り込んで所有権型マンションへと移行することを可能にしています。


07建替え決議がされた場合の賃貸借契約の終了
建替え決議後、賃借人に対して契約終了を請求できます。補償金を提供し、請求から6ヶ月経過した時点で契約が終了します。


08所在等不明の区分所有者の議決権を除外
所在不明で連絡がつかない所有者について、裁判所の認定を受けることにより、決議の母数から除外できるようになりました。
![[従来]全ての所有権者が決議の母数に ■全区分所有者の多数決による普通決議(過半数)の例 出席者の2/3が同意で可決 [改正後]所在不明の区分所有者を母数から排除 ■出席者の多数決による普通決議(過半数)の例 出席者の2/3が同意でも否決](images/img09.png)

合意形成とは:意見集約のサイクル



