大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

メニュー

CASE 18 食品施設

株式会社ベンチャーウイスキー 様

埼玉県秩父市

自然豊かな北の大地に誕生した
国産グレーンウイスキー専用蒸溜所

  • 建設地: 北海道苫小牧市
  • 建物用途: 事務所/工場
  • 敷地面積: 32,905.00m2(9,953.76坪)
  • 延床面積: 21,326.00m2(6,451.11坪)
  • 竣工: 2025年6月
  • 建物概要: 平屋造

ジャパニーズウイスキーの可能性を
創造する国内外が注目の企業

クラフトウイスキーの先駆けといえる存在で、いまやジャパニーズウイスキーを代表するブランドの一つである『イチローズモルト』。世界最高峰の品評会でも次々と最高賞を受賞するなど、国内外から絶大な支持を集めています。多くの愛好家が垂涎する一杯を生み出しているのが、埼玉県秩父市の株式会社ベンチャーウイスキー様です。

同社が創業した2000年代前半当時は、全盛期の約5分の1にまで消費量が落ち込んでいた時代。しかし、肥土伊知郎社長は、シングルモルトや高級なプレミアムウイスキーへの世間の注目度の高まりをいち早く感じ取り、最初の『イチローズモルト』を発売。600本を2年間で完売し、後には世界的な評価を獲得されるなど、高い知名度と比類なきブランド価値を誇っておられます。

また、日本のクラフトウイスキーの価値向上と自社のさらなる発展を目指して、自然豊かな埼玉県秩父市に自社蒸溜所を建設。2008年に稼働開始されました。これは、実に35年ぶりの国内新規蒸溜所であることから、大きな話題となりました。さらに、2019年には第2蒸溜所を同じく秩父で開設。原酒に味わいの幅を持たせ、一層の品質向上を目指されています。

ベンチャーウイスキー様では、主力商品であるブレンデッドウイスキーの原料となるグレーンウイスキーの自社生産をご計画。専用蒸溜所を建設するにあたり、日本全国数十ヶ所の候補地の中から、北海道苫小牧市の苫小牧東部地域内に建設地を確保されました。原料輸入を行う苫小牧港が近いこと、豊かで良質な水系の利用、交通アクセス、気候、副産物処理など、数々の条件を満たした約3.3haの敷地です。今回、建設されたのは蒸溜所、貯蔵庫、事務所棟の3施設。同時に、完全子会社のベンチャーグレイン株式会社を設立され、2026年1月より本格稼働を開始されました。

モルトとグレーンの両輪を自社完結させる
第3の蒸溜所が誕生しました

株式会社ベンチャーウイスキー代表取締役社長 肥土(あくと) 伊知郎 様

私の実家は、江戸時代から続く秩父の造り酒屋でした。祖父の代には、蒸溜所を設立し、ウイスキーをつくっていましたが、経営難からの事業譲渡に伴い、20年近く貯蔵された約400樽の原酒は廃棄されることに。私は当時、大手酒造メーカー勤務を経て家業に関わり、主に日本酒の営業に従事していました。造られていたウイスキーの個性的な味わいに魅力を感じていたため、『何としても守り抜こう』と、すべての樽を引き取り、ベンチャーウイスキー社の起業に至りました。2004年のことです。

その後、福島県の酒造会社の理解と協力を得ながら、引き取った原酒を使った商品化に取り組み、翌年には、最初の『イチローズモルト』600本を発売することができました。当時は、“ウイスキー冬の時代” といわれ、新たな商品の販売が不安視されましたが、私は国産のクラフトウイスキーの秘めたる可能性を信じ、バーを中心とする飲食店やこだわりの酒屋を中心に、毎日3軒以上を訪問する営業活動を行い、1本約15,000円という価格ながら、2年をかけて完売させることができたのです。

こうした世の中の評価をいただき、これからも日本のクラフトウイスキーの価値向上に努めていくため、私たちは魅力ある商品を提供し続ける必要があります。そこで、取り組んだのが自社蒸溜所の建設です。自然豊かで、熟成に多大な影響を与える寒暖差が大きな私の故郷・秩父で2008年に稼働開始しました。さらに、2019年には同じく秩父に第2蒸溜所を開設。真摯にウイスキーづくりに向き合い、日々研究を重ねています。

ウイスキーには、大麦を原料とするモルトウイスキー、穀物が原料のグレーンウイスキー、そしてその二種を調合したブレンデッドウイスキーがあります。当社の主力商品であるブレンデッドウイスキーには、求める品質の安定調達のため、ほぼすべてに海外製のグレーンウイスキーを使用しています。しかし、昨今の海外物流への懸念や原料調達の不安定化を背景に、自社生産の道を模索し、グレーンウイスキー専用蒸溜所の開設計画に至りました。全国各地を対象に、建設地を綿密に調査したところ、北海道苫小牧市の地に運命的な出逢いを果たすことができたのです。

こうして完成したのが、3番目の蒸溜所となる『苫小牧蒸溜所』。今回、施設づくりにご協力いただいたのが、秩父の第7貯蔵庫の建設がご縁となった大和ハウス工業さんです。私たちのウイスキー造りへの熱い思いや設備面への強いこだわりに、的確かつ丁寧に応えていただきました。もちろん、各建物の仕上がりにも大変満足しています。
今後、イチローズモルトの海外原料の一部置き換えや100%国産原料のジャパニーズウイスキーの製造、シングルグレーンウイスキーという新しいジャンルへの挑戦にも、この苫小牧蒸溜所が大いに活躍することを期待しています。


このページの先頭へ