






ふだん何気なく見ているものをよーく観察してみると、今まで気づかなかった魅力を発見できることがあります。たとえば、どこにでもあるダンボール。その切れ端が、なんとアート作品になる!? 造形作家の小山一馬さんと一緒に、子どもたちが体験してみました。
「これ、何か知ってる?」「ダンボール!」
小山さんが問いかけると、子どもたちから元気な答えが返ってきました。どこの家にでもあるダンボールは、もちろんみんな見慣れているもの。ところが小山さんが持ってきたそのかけらは、ピンクやグリーンなど、カラフルなものがいっぱい。子どもたちは「すごーい!」と目を見開き、さっそく手を伸ばします。
「これは特別なダンボールじゃなくて、みんなの家にもあるものなんだよ。茶色だけじゃないって、知ってた?」と、小山さん。集中して観察することで、日常にも新たな発見が転がっていることを教えてくれる、それがダンボールアートの魅力です。
楽しいかけらは「宝の山」。この中から好きなものを選んで切って、今日はモビールをつくります。
「これ、折ってもいいの?」「ここに貼ってもいい?」と子どもたちが次々にたずねると、「いいよ。ダメなことっていうのはないからね」と小山さん。自由に思いのままに、小枝や木の実、ドライフラワーなども使って木工用ボンドで貼りつけていきます。
厚みのあるダンボールのカットは、小さな子どもにとってちょっと力のいる作業。そのせいか「普通に画用紙を切って遊んでいるときより、今日は集中していますね」と、お母さん。
最後にひもでつなげば、世界にひとつのモビールの完成です。
小山さんがつくるダンボールの作品は、家や人、動物など、あらゆるものがモチーフになっています。もちろん、子どもたちにも簡単につくれるものばかり。たとえば家なら、大き目のダンボールを土台にして、箱を組み立てるように床や壁、屋根を組んで貼りつけていくだけ。継ぎ目には色や柄がプリントされたマスキングテープも使うと、楽しいアクセントになります。
「子どもたちの"発見"には、いつもこちらが驚かされますよ。ぜひ親子でつくってみてください」と小山さん。みんなでワイワイとにぎやかに、マンションの共有スペースでのイベントにもおすすめです。まずは家の中で「宝探し」、始めてみませんか?
造形作家。武蔵野短期大学幼児教育学科准教授。親子ものづくり教室指導マネージャー。主にダンボールや金属の廃材を素材として、リサイクルの観点から作品を制作し、発表している。現在、表参道ヒルズ「キッズの森」
(http://www.omotesandohills.com/kids-no-mori/)にて、定期的に小学生以下を対象とした工作のワークショップを開催中。