季節ごとに表情を変える草木や花。みずみずしいその彩りを家にいながらにして目にすることができたら、家族の会話ももっと弾みそうです。風を感じながらお手入れをする時間も心地いい、ベランダのグリーン。新緑がまぶしい今こそ、始めましょう。
ベランダのコーディネイトのポイントは、「季節の彩り」。存在感のある大き目のグリーンをメインにしながら、花を咲かせるもの、実をつけるもの、紅葉するものなど、四季それぞれに彩りを変えるものを少しずつプラスすると、鉢植えの数が多くなくても季節ごとに移り変わる風景を楽しめます。
花や実の色はグリーンとなじむ落ち着いた色を中心に選び、少し差し色を加えると、全体が美しくまとまります。たとえば花が咲くものは、紫色の小花がつくスキミアなど。果実なら、鮮やかなアクセントになるシークヮーサーなどの柑橘系がおすすめです。
メインとなるグリーンは、葉の形や全体のフォルムにバリエーションをつけて組み合わせます。上に向かって伸びるもの、大きく横に広がるものなどの「高さや幅」、さまざまな葉の「形」、濃い緑や斑(ふ)入りなどの「色」、マット系やツヤなどの「質感」など、タイプの違うグリーンを選び、安定したステップを使って段差をつけると、立体的で個性が映えるアレンジになります。
みずみずしさを保つために、水やりは毎日たっぷりと。鉢から流れる土や落ち葉はこまめに掃除して、排水溝にはしっかりと網でカバーすることもお忘れなく。グリーンの美しさが際立つ、すっきりとした空間を保ちましょう。
グリーンの間から見える鉢やプランター、ステップのバリエーションも楽しみたいもの。素材の質感や色でさりげなく遊び心を加えましょう。屋外に置く鉢で一番大切なことは「安定感」。強風や地震で倒れることがないよう、重心が下にある、しっかりとしたフォルムのものを選べば安心です。
これからの季節にゆったりと葉を伸ばし、愛らしい花が咲き、やがて収穫があり、冬もやさしい彩りをベランダに添えてくれる…。初夏に向かう今から始めれば、みずみずしいグリーンとの心豊かな毎日が待っています。
【注意事項】バルコニーの避難経路を確保し、簡単に移動できるもので撮影しております。お住まいのマンションで鉢を置かれる際は、各マンションの管理規約をご確認ください。
1996年設立。ガーデン設計施工専門の造園会社。一戸建ての庭からマンションのベランダまで、あらゆる住まいの造園外構工事のデザイン・施工、さらにグリーンを楽しむオリジナルアイテムや植木鉢等の販売も行う。植栽工事のほか、耐久性のあるウッドデッキ、美しい目隠し、照明、オリジナルの表札、ガーデン家具など、手入れが容易でありながら美しい景観を楽しめる空間創りを提案。代表でありデザイナーである松田哲也氏は、商業ディスプレイ、造園会社にて勤務後、ニュージーランドにて造園を学んだ経歴をもつ。