


リズミカルな文字になるカラフルな筆ペン


封を開けた瞬間を優雅に演出する「文香」


季節を映した便箋やハガキ選びも楽しい
リズミカルな文字になるカラフルな筆ペン
封を開けた瞬間を優雅に演出する「文香」
季節を映した便箋やハガキ選びも楽しい
7月の旧暦の呼び名は「文月(ふみづき)」。由来は諸説ありますが、短冊に文字を書いて書道の上達を願った七夕から、というのがそのひとつです。手書きで文字をつづることが日常だった古(いにしえ)の人にとって、美しい文字は想いを伝える上で欠かせないものでした。現代の私たちも、「伝えたい」という気持ちは同じ。今月は大切な人のために、「文(ふみ)をしたためる時間」を楽しんでみませんか。
便箋を前にしてペンをとり、相手を想いながら言葉を選ぶひととき…。そんな時間を味わうことは、現代では少なくなりました。用件があればメールで、いつでもどこでも思い立ったときに伝えられる時代。だからこそ、きちんと時間をつくり、ていねいに手書きでつづられた手紙は、受け取った方に大きな感動をもたらすはず。相手を想うあなたの心も伝わります。
例えば、なかなか会えない遠方の友人や、お世話になった方に。近況を知りたい、知らせたいと思ったら、文字を"打つ"のではなく、ペンをとってみましょう。今なら四季のある日本らしい習慣、時候の挨拶がおすすめです。
便箋に長文を書くのが難しければ、楽しいデザインのハガキや一筆箋を使ってみてはいかがでしょう。短くても気の利いた言葉があれば、心配りが伝わります。暑中見舞いなら、冒頭が大切。つい「うだるような暑さが続き…」などと始めがちですが、「青空に真っ白な雲が映えて」「涼やかな夕風にほっと一息」など爽やかさを感じる言葉選びで、ひとときの涼を送るのがポイントです。
また、夏休みなどで友人と楽しい時間をすごしたあと、本当に嬉しかった気持ちを伝えるなら、メールよりも手書きで。ハガキでもいいし、お礼の品物を送るなら、さらりと一筆箋を添えましょう。「海辺」「花火」など同じ情景が浮かぶ思い出のキーワードをちりばめると、短くてもイキイキとした文面になります。
受け取った方の目にまず入るのが、文字の「色」。読む前の印象を決めるのが、筆記具です。親しい間柄なら、カラフルなペンで楽しく演出してもいいですね。目上の方などへの改まった手紙なら、ぜひ万年筆を。書く人の筆圧によって美しい濃淡があらわれ、味わいのある文面になります。革などの柔らかい下敷きを使うと書き味も字の色味も深まり、ゆったりと優雅な気持ちで文字をつづることができるでしょう。
「ありがとう」のひとことでも、心豊かに、感動的に伝えることのできる手紙。大切な方のための一通を、この夏はぜひあなたもしたためてみてはいかがでしょうか。