


マクロで発見できる新しい世界


そこにいる自分もシーンに入れる


低い目線で写す「のんびりごろごろ」気分
マクロで発見できる新しい世界
そこにいる自分もシーンに入れる
低い目線で写す「のんびりごろごろ」気分
陽射しがどんどんまぶしくなって、風景も輝いて。真夏はいつにも増して、家族の思い出をたくさんつくりたくなる季節。写真を撮る機会もグンと増えますね。キレイに写すだけでなく、幸せな気持ちまで残せたら…。そんな願いをかなえてくれるのが、写真家・山本まりこさんの「エアリーフォト」。本格的な一眼レフがなくても、スマホやコンパクトデジカメで使える撮り方のコツを教えていただきました。
軽やかで、風を感じる。それが、エアリーフォトのコンセプト。「その場を写すだけでなく、気持ちのいい空気感まで伝えたいというのがテーマ」と山本さんは語ります。たとえば子どもを撮影するとき、背景に空が映り込むよう見上げて撮ると、イキイキと解放感あふれる1枚に。でも、お天気がいまひとつだったら?
「この写真は曇り空ですが、太陽光が雲でさえぎられることでふんわりとやさしい空気感が生まれています。逆に晴れの日は太陽光が直接当たるから、元気いっぱいの雰囲気に。雨の日ならではの空のよさもあります。つまり、『365日、どんなお天気でも楽しもう!』というのが、私が大切にしていることなんです」
晴れでも雨でも、一緒にいる時間すべてが宝物。そんな気持ちで空を見上げてシャッターを切れば、どれもステキな1枚になりそうです。
山本さんが「ぽつん構図」と名付けているのが、人物がいる空間全体を切り取った撮り方。背景を大きく入れた構図にすると、風や湿度までも伝わるドラマティックな1枚になります。
この写真では人物の右側に背景を大胆に入れることで、雲が流れていく様子や、海の上を渡るさわやかな風までも感じられる仕上がりに。穏やかな気分でながめている、山本さんのやさしい心も写しだされているかのようです。撮る人も撮られる人も、見るたびにすがすがしい気持ちがよみがえりますね。
「風を感じる写真のポイントは、『余白』を意識するということです。人物は表情を見るだけでなく、こんな構図で撮るのも楽しいですよ」
カフェやレストランでおいしいもので出会ったら、その感動も残しておきたいですね。最後に、料理を撮るポイントを伺いました。
「ひとつ目は、『主役』を決めること。テーブルの上にいろいろな料理が並ぶとつい全体を映したくなりますが、あとで見ると単なる記録写真になってしまいます。そのときの気持ちまで映すなら、お気に入りの一品を中心にして撮影するのがポイントです」
さらに斜め後ろから光が射す「半逆光」で、料理にグンと近づいた低めの位置から撮ると、この写真のように光に近い奥の方がツヤツヤと輝いておいしそうな立体感が生まれます。
旅先で、日常で。この夏をちょっと特別にしてくれそうなエアリーフォト。家族や友達との幸せなひとときに、あなたのその想いもぜひ写してみてください。
https://www.facebook.com/marikoyamamotoofficial
理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持ってひとり旅に出発し、そのままフォトグラファーに転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。雑誌・広告撮影、旅エッセイ執筆、講演、フォトセミナー講師など活動は多岐。著書は『エアリーフォトの撮り方レシピ』『まりこ先生が教えるイチバンやさしい写真の教室』など多数。twitterに作品を毎日投稿中
https://twitter.com/yamamarimo8