






「欲しい調理器具」アンケートで常に上位に入る一方で、「何となく怖くて、使いにくそう」という声も多い圧力鍋。でも最近は、初めてでも安心して使える電気タイプも注目を集めています。そんな圧力鍋のおいしい活用法を、料理家の上島亜紀さんに教えていただきました。
鍋とフタを密閉して加熱することで中に圧力をかけ、高温で調理する「圧力鍋」。料理時間が通常の3分の1から4分の1に短縮されるほか、食材の旨味や栄養成分が流出しにくい、煮崩れしにくいなど、使うほどに便利さを実感する調理器具です。シューシュー蒸気が出ると驚いてしまいますが、蓋をきちんとセットして正しく使えば、心配ご無用。メーカーによって多少の違いはありますが、火にかけてシューシューいいだしたら火を弱め、レシピに応じた時間だけ加熱して火を止めます。あとは圧力が下がるまで待つだけ。固い食材がふっくら柔らかく調理できるだけでなく、加熱時間が短いので光熱費の節約にもつながります。
圧力鍋の良さを実感する料理といえば、何といっても煮込み料理。何時間も煮込むことが当たり前だったスネ肉や豆類が短時間で調理でき、魚は骨まで柔らかく食べられます。たとえば、ヘルシーな食材として人気の大豆は、一晩水に浸しておけば、5〜10分加熱するだけで、ホロっと崩れそうなくらいふっくら柔らか。豆類は水分を含むとカサが増えるので、一度に調理する量は、鍋の深さ4分の1くらいまでに抑えることがポイントです。
反対に、圧力鍋に不向きな料理もあります。それは「とろみ」のある料理。カレーやシチューなどは5〜10分間の加熱調理の後、減圧してからルーを溶かし入れましょう。
圧力鍋に付属している蒸し皿を活用すれば、骨付きスペアリブもとっても簡単。骨離れが良いだけでなく、ムダな油が落ちてヘルシーなのも魅力です。
<材料>
スペアリブ 600g/塩・コショウ 適宜/ドライハーブミックス/ニンニク 2カケ
(ソース)バルサミコ 大さじ3/醤油 大さじ2/バター 50g
1.スペアリブに塩・コショウをたっぷりすり込む。ニンニクのスライスと一緒に保存袋に入れ、ドライハーブミックスを振りかけてよく揉み込み、約1時間おく。
2.圧力鍋に水、蒸し皿をセットし、1を入れて圧力調理開始。圧がかかったら弱火にして5分加熱。圧が抜けたら取り出す。
3.フライパンに油を熱し、2を焼く。さらにソースの材料を入れて煮詰める。
お好みで、クレソン、ピンクペッパーを添えて召し上がれ。
料理家。パン講師、食育アドバイザー、アスリートフードマスター取得。簡単に作れる家庭料理からおもてなし料理まで幅広く提案している。『ひとりぶんでも、きちんとおいしいごはん』(ナツメ社)ほか著書多数。
blog『めがねキッチン』 http://ameblo.jp/aqep/