冬が近づき、木の葉が舞う季節。家の中に、心あたたまる彩りが欲しくなりますね。インテリアとして華やかなフラワーアレンジメントをプラスするのも良いですよね。時には気軽にさりげなく、「一輪」の表情を愛でてみませんか。空間に優しくなじみながら、豊かに語りかけてくる──。そんな一輪挿しの楽しみ方をご紹介します。
ふわりと開いた花びらがエレガントなダリア、たおやかな立ち姿を思わせるカラー、清楚なラン…。花にはそれぞれに豊かな表情があります。ひとつひとつのその美しさを際立たせるのが一輪挿し。今の季節なら、コニカルブラック(とうがらし)など、深い色合いの「実もの」もおすすめです。
場所をとらないので、テーブルの上だけでなく部屋のコーナーなど、ちょっとしたスペースでも楽しめます。大ぶりの花や高さのある花なら、床に置いてのびやかに。小ぶりの花や、実ものなら、オブジェ感覚で棚に並べても。一輪挿しだからこそ放たれる存在感が、空間全体の雰囲気を優しく彩ってくれます。
花選びだけでなく、フラワーベースとの組み合わせも一輪挿しの楽しみのひとつです。シンプルな器で花の形や色を引き立てたり、ときには遊び心たっぷりの器で、アートのようにインパクトのあるスタイルに仕上げても。試験管のような形や、手のひらにおさまるほど小さくて薄いものなど、一輪挿しの器はユニークなものがあふれています。
フラワーベースにこだわらず、ペットボトルにカバーをつけたり、ボトルが描かれた絵に穴をあけて挿すというテクニックも。少量の水が入ればなんでも使えるので、身近な器でいろいろと自由にアレンジできるのも一輪挿しの魅力です。
同じ花でも、花器で印象を大きく変えることができます。例えば色鮮やかなクレマチスを和風の陶器に挿すと、味わい深い焼き物の表情と相まってしっとりと落ち着きのある雰囲気に。洋風のガラスの器なら、深秋の空気のようにすっきりと爽やかな印象にまとまります。その日の気分に合わせて、ひとつの花のいろいろな表情を楽しんでみましょう。
木枯らしの季節でも、フラワーショップでは1年中、さまざまな彩りの花が咲き誇っています。風の中で揺れる可憐な野の花も魅力的ですね。みずみずしいその姿を家の中にひとつ迎え入れて、あなたもぜひ、花とのうるおいに満ちたひとときを。