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北の国の風土を知る 富良野を愛する人たち

純と蛍が分校に通う『北の国から』のシーンで使われた場所。

  • 聞けば聞くほど、さまざまな話が出てくる森本毅さん。森本さんとの話を楽しみに年1回本州から通う常連客もいるほど。
  • 倉本聰が北の国の人々への愛をつづった詩。
富良野の移り変わりを見つめてきた老舗

 「『北の国から』の吹雪や嵐は、本当に富良野のリアルな環境の中でロケをしていたんです」と話すのは、ドラマ『北の国から』のスタッフ達と交流が深い「くまげら」の店主森本毅さん。もともと先々代が旅館と富良野駅構内の食事処をやっていたが、昭和55年に現在地で食事処をオープン。ちょうどその頃『北の国から』の長期ロケも始まった。当時は、店にはスタッフの誰かが必ずいたり、よく慰労会などが行われていたといい、裏話も豊富だ。
 富良野は、夏と冬の寒暖差が60〜70℃と大きく、四季がはっきりしている。真冬にはマイナス20〜30℃にも達する環境だ。「富良野は、明治20年代に入植が始まった地域なんですよ」という森本さんの家は、もともと鳥取県で武家に仕えていた。幕末に曾祖父が上野の彰義隊で亡くなり、それで富良野にやってきた。曾祖母は103歳まで生きた気丈な女性で、90歳の頃に森本さんを背負って薪拾いに行くような人だったという。
 「昔は、町中が子どもを分け隔てなく育てていたよ。私もいろんな家にあがって食べさせてもらったり、うちにもいろんな人が来ていてね。その代わり悪戯など悪いことをすると隣の親父に拳骨もらって、もそれは自分が悪いから親にも言えない。言えば、親にも怒られたね。いろんな年寄りの話を聞いてきたから、料理でもなんでもできちゃう。家を普請するのも皆近所のものが手伝っていましたね」と笑いながら話す。厳しい環境ゆえに、譲り合いの精神や相互扶助の関係が強くあったという。

昔の北海道の小屋を彷彿とさせる佇まいはどこかのんびりとした空気が流れる。

  • チベットやインド、コスタリカなどさまざまな国を旅している澤井さんご夫婦。
  • 現在のカフェとゲストハウスがどうやって今の姿になったか分かる小さな写真集がある。
田舎暮らしの豊かさを伝えるカフェ

 自宅兼ゲストハウスに大きな自家菜園がある「caféゴリョウ」は、関西出身の澤井雅樹・加菜子さんご夫婦が経営されている。仕事を辞めてから2年間、2人で海外を旅行した。その上で住みたいと思った富良野は、人のあたたかさ、自分のために時間を使って暮らしているスタイル、のんびりとした時間の流れ方が気に入ったという。
 旅の間に自家菜園に興味を持った雅樹さんは「自分の食べ物を作れるというのはおもしろいかなと思いました。やってみると、隣の畑でも土の成分や性質などが違うので、同じ野菜なのに味が違う。富良野市は東京の23区くらいの広さで、山もあれば沼や川原に近いところもある。気温や積雪の量も場所によって違うので、作れるものと作れないものなどがあることなども、住んでみて初めて分かりました」という。基本的にカフェでは、自家栽培したものを中心に、お米など作れないものなどを富良野産で補っていくという考え方で料理を提供している。そのため自分たちが使いたい食材を植え、作る段階から水の量などによる味の調ができるのがいいのだという。「ありがたいのは、例えばとうもろこしを作っていないというと、周りの農家さんからいただいたりします。車やトラクターでも古くなったり、田畑をやらなくなったからと。お母さんとお父さんがたくさんいるみたいで嬉しいです」と加菜子さんは笑う。
 ご夫婦は、1年に1ヶ月、旅をするために休みをとる。田舎の豊かなライフスタイルを実現された2人の時間は、まさに緩やかに流れているようだった。

彩りの美しい野菜のオードブル。生の野菜の味がダイレクトに伝わってくる前菜だ。

  • 農家の人の顔が見える料理をつくりたいと話すオーナーシェフの永易さん。
農家と食材に魅了されたフレンチ料理人

 札幌や東京のホテルやバー、そして「フラノ寶亭留」で修行後独立したという永易(ながやす)さんと清野(せいの)さんのフレンチ「A la Canpagne」。2人は江別市出身だが、2013年、富良野市で店を始めた。「富良野の野菜を食べたらとにかく美味しかった。北海道というとすぐ魚介やラーメンが思い浮かぶものだけど、野菜だけでも勝負できると思いました。味はとても濃いし力強い。なにより農家の心意気に心を打たれました」というほど、富良野近郊の食材と農家の人に惚れ込んでいる。「地元の農家とコミュニケーションを直接とれて、信頼関係を築いていける。そうすると、農家が好みの野菜を知ってくれて、仕入れの時にすすめてくれるんですよね」と清野さんはいう。実際、料理人である永易さんは、休日に農家の畑に行くと1日中話をしているというほど、そのつきあいは濃い。
 寒暖差の激しい富良野では、糖化作用によって野菜がとても甘くなる。また十勝岳から湧いて流れてくる水もおいしい。ふらのワインで知られるように、ワイン工場もある。さらには、近郊の山々にはシカやクマなども生息しており、豊かな食材の宝庫だ。永易さんは、ハンター免許の取得も目指している。「メニューには、シカ肉、時によってはクマ肉の料理を提供しています。だから食育というか、若い人たちに命そのものを教えられるようになりたいと思っています」と永易さん。食材を軸として、人と自然との関わり方を農家から教えられ、次世代に伝えていく輪をつくりたい。そうしながら富良野をもりあげていきたいという2人の言葉からは、勢いのある情熱が伝わってきた。

  • [Part.1]心も身体もほっとぬくもる「冬の富良野」
  • [Part.2]富良野を愛する人たち
  • [Part.3]富良野の大自然をいただく

※掲載の写真は平成27年11月に撮影したものです。

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