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有明海のおいしい春を探しに

うなぎのせいろ蒸しのタレは甘すぎず、素材の味をきりっと立たせている。

  • 繊細な仕上がりの前菜。夏にはメカジャという珍しい貝が供されることもある。
  • とろろ蒸しは阿久根オリジナルの料理。蒸されてふっくらとしたとろろの上に甘辛く味付けしたうなぎを乗せている。
柳川文化の粋をあつめた名旅館 「阿久根」

 葦ぶき屋根の古風な佇まいで、駅から近い場所にも関わらず、どこかひっそりとした印象を与える旅館阿久根。
一日3組限定の宿だ。ここでは宿泊はもちろん、食事もできる。柳川の名物うなぎのせいろ蒸しや有明海の幸を使った郷土料理など、産地、料理法など一つ一つにこだわりをもち、柳川の食文化の奥深さを感じることができる。
 いただいたのは前菜の有明海の珍味にうなぎのせいろ蒸し、そして自慢のとろろ蒸しなど。
前菜はワケノシンノスの醤油煮、そしてワラスボの揚げ物などが上品に盛り付けられている。ワケノシンノス(イソギンチャク)は季節によって味が変わり、通になるとその変化を楽しむそうだ。ワラスボはハゼ科の白身の魚で、その見た目とはうらはらにとても淡白な味がする。香ばしくサクサクとした食感だ。
 柳川の郷土料理の代表ともいえるうなぎのせいろ蒸し。普通のうな重とは作り方が違い、あらかじめタレをまぶして蒸したご飯の上に、焼き上げたうなぎの蒲焼きをのせ、さらにもう一度せいろで蒸す。そして、その上に錦糸卵を散らして仕上げたものだ。ちなみにうなぎは関東風の背割り。ただし焼き方は関西風で、蒸さずに炭火で直焼きにする。食べるとうなぎの香ばしさとうなぎの風味が移ったタレのご飯が一体となり、とても贅沢な味わいが楽しめる。
 女将さんが親切に教えてくれる柳川の食文化やしきたりなどに耳を傾けながら、時間を忘れてゆっくりと過ごしたい。

旅館 阿久根

右)マジャク(アナジャコ)唐揚げ、左)ワケノシンノスの味噌煮、奥はクッゾコ(舌ビラメ)姿造り。

  • 有明海では希少になったタイラギ貝のビラポン酢。ビラとはヒモのこと。
  • プリプリした食感の卵がやみつきになるイイダコ(飯蛸)煮付。
「有明海をいただきます」がキャッチフレーズ 「夜明茶屋」食堂部

 前章で紹介した「夜明茶屋」の鮮魚店に併設されている食堂。朝、市場でセリ落とされたばかりの新鮮な有明海の魚介類を食べることができる。店内の生簀にも有明海で獲れた魚が泳いでいる。何を選んでいいかわからないという人には「有明の幸定食」や「夜明茶屋御膳」などの定食物がおすすめ。また、単品メニューも充実しているので合わせてオーダーしても良い。さらに隣の鮮魚部から魚を選んで料理してもらうこともできる。
 今回オーダーしたのは春先から食べごろを迎えるものばかり。まずは「クッゾコ(舌ビラメ)姿造り」。地元では煮付けにするのが定番らしいが、刺身で魚そのものの味を試してみた。薄造りの白身は歯ごたえがあり、噛むとほのかな甘みと若葉のような香りがして甘口の柳川醤油によく合う。つづいて「マジャク(アナジャコ)唐揚げ」。春から夏が旬で、殻まで柔らかく、軽い食感でいくつでも食べられる。ビールのつまみに最高の一品だ。さらには地元民のソウルフードとも呼べる「ワケノシンノスの味噌煮」。ワケノシンノスとはこの地方独特の呼び名で、実はイソギンチャクのこと。「イソギンチャクを食べるなんて」と思われるかもしれないが、味は貝によく似ている。ただし貝類がもつエグミが全く無く、貝の美味しいところだけを食べているといった感じ。かすかな磯の香りとシコシコした食感は海のホルモンと例えたい。こんな地元ならではの料理、有明海の新鮮な魚を食べるなら、はずせないお店だ。

夜明茶屋 食堂部

朝9時には品定めするお客さんで賑わいはじめる中島朝市。

  • 店のあちこちで、しゃべりに花が咲く。
  • 柳川でよく見かけるウンタケ(海茸)という二枚貝の粕漬。
「まけとかんのー」のかけ声響く懐かしい風景 「中島朝市」

 西鉄中島駅のほど近くにある中島商店街(正式には大徳商店街)。昭和の面影があちこちに残るレトロな雰囲気が旅情を刺激する。この町は有明海にそそぐ矢部川の河口にあり、港町として栄えた歴史をもつ。ここでは江戸時代から続くという朝市が行われている。
 朝8時ごろになると近在の人々が集まり、道端などに思い思いに商品を並べていく。獲れたての有明海の魚や野菜、果物のほか、惣菜や雑貨なども売られている。9時頃になるとだんだんお客さんが増え、あちこちで「まけとかんのー」「味見してみめせ」と客を呼ぶお声が商店街に響く。「売れなくてもいいんだよ、おしゃべりできれば」と、商売そっちのけで近所のお友達とおしゃべりに興じる元気の良いおばあさん達がこの朝市の主役だ。
 平日は地元のお客さんが多いが、週末には朝早くから観光客がバスで乗り付けより一層の賑わいを見せる。「有明海の海産物を使ったお土産や、観光客が気軽に入れる食堂を新たにつくり、そこでのメニュー開発など、観光で来るお客さんに喜んでいただける企画を考えています」と中島商店会会長の浦善信さん。買った魚はウロコを取ったりさばいたりもしてくれる。ただし、宅配便などのサービスはないので、お土産にするなら有明海特産のウンタケ(海茸)の粕漬や干物などがおすすめだ。朝市は11時には店じまいをはじめるのでお出かけはお早めに。

中島商店街
  • [Part.1]「柳川雛祭り さげもんめぐり」
  • [Part.2]春、旬を迎える有明海の海の幸
  • [Part.3]有明海のおいしい春を探しに

※掲載の写真は平成28年1月に撮影したものです。

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