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コラム vol.284
  • 不動産市況を読み解く

もはや、富裕層だけではない、相続税の現状

公開日:2019/06/28
更新日:2019/09/12

POINT!

・平成29年度は、亡くなった人の8.3%の方が相続税の課税対象

・平成27年に基礎控除が引き下げられ、課税者の割合が増加

かつて、相続税は土地や財産を膨大に所有する富裕層が相続の際に支払う税のイメージでした。しかし、2015年(平成27年)に相続税が改正されてからは、そうともいえない状況になっています。

相続税の基礎

まずは、相続税の基本を、押さえておきましょう。
相続税は簡単にいうと、「相続財産」から「基礎控除」を引いた金額に税率をかけたものです。逆にいえば、相続税は遺産相続が基礎控除以下であれば、相続税は課税されません。基礎控除額は以下のように算出されます。

基礎控除 = 3000万円 + 法定相続人の数 × 600万円

基礎控除の額が大きいイメージがあるため、もしかすると「自分にはあまり関係ない」と思う方も多いかもしれません。しかし、相続税の対象となる資産は現金だけではなく、不動産や有価証券なども含まれます。都心などの地価の高いエリアの一戸建てを相続したとすると、評価額が思った以上に高く、相続税が課税されてしまったというケースもあるようです。

どれくらいの人が相続税を納めているのか

日本全国で毎年100万人以上の人が亡くなっていますが、いったいどれくらいの人に相続税が課税されているでしょうか。

(図1)

国税庁資料より作成

※③課税割合:実際に相続税の納税を行った被相続人の割合のこと。「課税対象被相続人数」÷「被相続人数(死亡者数)」

※⑤課税価格:相続財産価額に相続時精算課税適用財産価額を加え、被相続人の債務・葬式費用を控除し、さらに相続開始前3年以内の被相続人等への生前贈与財産価額を加えたもの

国税庁では毎年12月ごろ前年分の相続税申告状況を公表しています。図1は平成29年度の申告状況を図表にしたものです。 平成29年の相続税額の合計は2兆185億円、被相続人一人当たりでは1807万円でした。また、亡くなられた方のうち8.3%の方が相続税の課税対象となっていることが分かります。8.3%ですので、約12人に1人の割合となります。これを多いと思うか少ないと思うかはそれぞれの判断だと思いますが、いずれにせよ、多くの人にとって「無縁」とはいえない状況でしょう。

相続税を納めている人はどの都道府県に多く住んでいるのか

図2の課税割合を都道府県別に見ると、数値にかなりばらつきがあります。
最も多い東京都は16.2%。亡くなった方の約6人に1人の割合で相続税を納めています。逆に最も少ないのは、秋田県で2.4%、約42人に1人の割合です。

図2:都道府県別 平成29年課税割合

国税庁資料より作成

増加する課税割合

平成27年に課税割合は大きく増えました。「5000万円+法定相続人の数×1000万円」であった基礎控除が、現行の「3000万円+法定相続人の数×600万円」に約4割引き下げられたためです。平成27年の基礎控除引き下げは「大増税」でかなりのインパクトがありましたが、相続税増税の流れは、今後も続くかもしれません。
課税対象となった資産の内訳を見てみると、現金・預貯金の比率が増加傾向にあります。
しかし、現金を相続すると、例えば1億円の現金なら丸々1億円に対して課税されてしまいます。一方で、土地や建物などの不動産は一般的に相場より低い路線価などの評価額に対して課税され、さらに賃貸物件なら建物については「借家権割合」が適用され評価額を圧縮することができます。
ここに土地活用や不動産投資のメリットがあるわけです。相続税の圧縮に使える土地活用は検討に値するのではないでしょうか。
詳しくは税理士にご確認ください。

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