大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

荷待ち・荷役作業時間等の削減に向けて、
映像とAIを活用した実証実験の結果をレポート

2025/02/21

  • #2024年問題
  • #DPL
  • #物流DX

「物流2024年問題」対策として、トラックドライバーの荷待ち・荷役作業時間等の把握、削減が求められています。2023年6月、経済産業省、農林水産省、国土交通省はトラックドライバーの人手不足により懸念される「物流2024年問題」に対応するため、荷主事業者などに向けたガイドラインを公開しました。ガイドラインでは、発・着荷主事業者および物流事業者が早急に取り組むべき事項として、「荷待ち時間・荷役作業などにかかる時間を適切に把握し、計2時間以内に収めること」と提唱しています。

荷主は荷待ち・荷役作業時間の状況や取組みの効果を適切に把握しなければならないとされていますが、多くの現場では、荷待ち・荷役作業時間の実態を把握するだけでも容易ではない状況でしょう。例えば「倉庫に担当者を配置してかかった時間を記録している」「受付簿を用意してドライバーに到着、荷役開始終了時刻を記入してもらっている」「バース予約システム等に、到着、荷役開始終了時刻・荷役開始終了時刻を入力している」といったように人手をかけているか、あるいはそれ以上に「何も把握していない」ケースも多いのではないでしょうか。

大和ハウス工業株式会社とキヤノンマーケティングジャパン株式会社は、物流施設におけるトラックドライバーの荷待ち・荷役作業時間を可視化し、改善を支援するシステムを開発し、当システムの効果を検証するための実証実験を実施しました。

実証実験実施の背景はこちら

カメラ映像を分析することで、トラックドライバーの物流施設での滞在時間を自動的に把握

このシステムでは、物流施設内にカメラを設置し、カメラが撮影する映像から車番認証ツールがトラックごとの車両ナンバーを自動検知し、物流施設入場から入出荷バースへの移動、荷役作業、出発までの情報を車両ナンバーごとに記録、蓄積することでトラックドライバーの物流施設での滞在時間を自動的に把握します。

さらに、キヤノンマーケティングジャパングループ独自の作業解析技術を用いることで、映像から荷役作業をAIが解析し、荷姿や荷役方法などを分析することもできます。

将来的には、DPLに入居した荷主事業者は自身の物流拠点に訪れるトラックドライバーの荷待ち・荷役作業時間について容易に把握・管理できるようになることを目標としています。

荷待ち・荷役作業時間を可視化するシステムの概要図

90%前後の精度でトラックの動きを捕捉

カメラや車番認証ツールの導入により物流施設への入場や、バースへの接車・離車といったトラックの動きについては、現時点でそれぞれ90%前後の精度で捕捉できています。ただし、荷待ち・荷役作業時間等の算定のためには、トラックごとに全ての動きを捉えていることが必要となります。システムの実用化に向けてはさらに精度向上を図っていく予定です。

荷役作業の実態認識精度についてはさらなるAIの学習期間が必要であり、学習期間圧縮方策を含めて今後の検討課題としています。

荷待ち・荷役作業時間の実態を可視化するダッシュボード

カメラや車番認証ツールで捕捉したトラックの動きをもとに荷待ち・荷役作業時間を可視化するためのダッシュボードを開発しました。トラックごとの物流施設への入場から入出荷バースへの接車、出発までの動きや、ドライバーの滞在時間の内訳や荷役作業の分析結果をバーチャートに表示することが可能です。物流施設におけるトラックドライバーの動きを定量化し、視覚的に情報提供することで、荷待ち・荷役作業時間等の削減に向けた改善を支援します。

今後の課題

・トラックの動きの把握精度の向上

荷待ち・荷役作業時間の実態をより詳しく把握するためには、トラックの動きをより精度良く捕捉することが必要となります。具体的には、カメラと車番認証ツールが捕捉した車両のデータをもとに独自のロジックでトラックの動きのデータに変換することを検討しています。

・カメラ台数のミニマム化

システム導入コストを適正化していくためにはカメラ台数をミニマム化することも必要となります。例えば、より広角なカメラを用いて1台でカバーする範囲を拡大するなどの改善策を検証する予定です。

・バース予約システムとの連動

バース予約システムを使用しているケースでは、バース予約システムに報告された到着日時を用いて場外待機も含めた待機時間の把握に取り組みます。

これらについては、いずれも具体的に検討中であり、有望なものについては技術検証を行ったうえで2025年度に再度実証実験を実施する予定となっています。

物流現場の定量的な可視化に向けて

物流現場でのトラックドライバーは、下図にあるように、物流拠点への入場、荷役開始予定時刻、構内移動時間、荷待ち時間、荷役時間、付帯業務、休憩などのさまざまな業務を行っています。それらはいずれもドライバーの乗務記録として物流事業者に記録および保存が義務付けられており、言い換えれば、それら現場の実態が定量的に可視化され、改善されることが求められています。

その中でも荷待ち・荷役作業時間の把握、削減は、積載率の改善とともに全ての荷主が努めなければならないとされているものです。今回の実証実験を担当した東京本社 建築事業本部 営業統括部 Dプロジェクト推進室(物流不動産開発)物流DXグループ 担当部長 石川 一郎は「これまで属人的なマネジメントに委ねられていた物流現場を定量的に可視化することで改善を促進したい、そのために物流施設ができることを考えていきたい。今回の実証実験はその端緒に過ぎないかもしれないが、見えてきた課題をクリアしてよりよいものとし、物流業界の効率化と発展に寄与していきます」と今後の抱負を語りました。

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