2025年、米国で初、そしてマレーシアでは
3棟目となる物流施設を竣工
2025/10/24
2025/10/24
近年、ASEAN諸国では、越境ECの市場が急速に拡大し、物流ニーズが急増しています。インフラ面においても、陸路輸送網の整備や港湾拡張、国際道路・鉄道整備が進みつつあり、中でも「南部経済回廊」と呼ばれる国をまたいでの道路、鉄道などのインフラを一括して整備する経済開発計画は、各国間を効率的に結ぶ幹線輸送網として注目されています。
米国においても、人口増加とともに、貨物量も増加しており、特に米国のeコマース市場は、コロナ禍を経て拡大を続け、2023年度も7%以上の成長となっています※。
※経済産業省 商務情報政策局 情報経済課「令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」より
大和ハウス工業は、ASEAN諸国を中心として倉庫・工場などの事業用施設の建設やマルチテナント型物流施設の開発などを通じて、お客様の海外事業をサポート。各国の商習慣や地域課題を踏まえ、事業成功に向けた計画から運営までバックアップしています。
こうした海外事業は、2011年のベトナムでの工業団地開発を契機に始まりました。日系企業の海外進出の増加を背景に、工業団地開発事業に参画。大和ハウス工業が持つ顧客基盤を強みに、建築工事請負や海外進出する企業への紹介などへビジネスを広げてきました。
海外事業の難しい点は、ライセンスの取得スキームやインフラ、資材調達等、条件が国によってまったく異なることです。外国企業が単独出資で事業を行うことができない場合もあり、その国のデベロッパーと協力して進めるケースもあります。こうした状況を踏まえ、高度な管理のもと、現地ニーズに応じた高品質な事業用施設を提供しています。
そしてASEAN以外においても、さらに幅広いニーズに対応するため、米国へも進出。2025年は米国とマレーシア2カ国で、物流センターを竣工するという、大和ハウス工業の事業用施設の海外事業においてエポックメイキングな年となりました。
2025年8月、大和ハウス工業にとって米国初となる大規模物流施設「Blue Ridge Commerce Center(ブルーリッジコマースセンター)」がテキサス州ヒューストン南西部に竣工しました。米国の不動産デベロッパーのTrammell Crow Company(トラメルクローカンパニー)との共同開発で、敷地面積約37.1万㎡、延床・賃貸面積は約12.5万m2のマルチテナント型物流施設です。規模やトラックバースの位置が異なる5棟の建物を開発し、幅広いテナントニーズに対応。さらに全棟で国際的環境認証「LEED Certified」を取得予定で、一部の建物には太陽光発電設備も導入するなど、入居テナント企業の脱炭素化に貢献します。

「ブルーリッジコマースセンター」外観
開発地は人口増加が著しいテキサス州ヒューストン南西部に位置し、今後もECを中心とした物流需要の拡大が見込まれます。世界最大規模の医療研究施設Texas Medical Centerから約20km、ヒューストン中心部からは約34kmに立地し、主要環状道路ベルトウェイ8やヒューストン港、ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル国際空港へのアクセスにも優れています。こうした立地特性を生かし、多様な産業の物流需要に対応できる拠点となっています。

2025年9月2日に行われた竣工式の様子
大和ハウス工業は、米国において戸建住宅や賃貸住宅を中心に展開してきましたが、物流施設では今回初進出となります。パートナーのTrammell Crow Companyは、テキサス州ダラスに本社を置く大手不動産デベロッパーです。米国・欧州26拠点でオフィスや物流施設、医療施設など幅広い開発実績を持ち、大和ハウス工業とはすでに賃貸住宅事業で協業した実績があります※。
海外事業は、国ごとに地震リスクや気象条件の違いもあり、制度や商習慣も大きく異なるため、現地に精通したパートナーとの調整が欠かせません。
サプライチェーン戦略においても、米国では西・東海岸に加え、中心部にも主要港があり、空港も多く、輸入品を国内へどう運ぶか、国内生産品をどのように輸出するか、多様な選択肢があります。米国内では潜在能力を秘めた州が数多く存在し、海外事業を拡大するにあたって、日本側でも入念なマーケット調査を欠かすことができません。
今後もテキサス州を中心に進出拠点を広げ、幅広い顧客ニーズに応えていくことを目指します。現地のニーズを把握し、ローカライズしていくことが、海外事業展開成功のカギとなるでしょう。
※Trammell Crow Companyの子会社であるHigh Street Residential社との協業
2025年9月には、大和ハウス工業はマレーシア セランゴール州で同国3棟目となる物流施設「DPL Malaysia Shah Alam Ⅲ(DPLマレーシア シャーアラムⅢ)」を竣工しました。地上3階建て、延床面積約15.6万㎡と、当社の海外事業で最大規模となる大型マルチテナント型物流施設です。
マレーシアへの進出のきっかけは、日本のお客様からの要望で、土地探しからスタートしました。1棟目のDPLマレーシア シャーアラムⅠは日系と現地企業の合弁会社向けに開発したもので、シャーアラムⅡはマルチテナント型で3テナントが入居しました。いずれも好評ですぐに満床となったことから、シャーアラムⅢではさらに広い敷地を確保して開発に踏み切りました。
シャーアラムⅢは、シャーアラムⅠ、シャーアラムⅡに隣接し、工場や物流施設が集積するエリアに立地。クアラルンプール中心部から約27km、クラン港から約24km、クアラルンプール国際空港から約40kmと、陸海空の主要拠点へのアクセスにも優れています。
最大12テナントが入居可能で、近年マレーシアで需要が高まるコールドチェーン(低温物流)にも対応可能。全館LED照明や太陽光発電システムの設置を可能とするなど、環境面にも配慮しました。また、ムスリム人口の多いマレーシアの文化、慣習を考慮し、各区画には男女別の祈祷室を備えました。

DPLマレーシア シャーアラムⅢ外観

2025年9月22日に行われたセレモニーの様子
人口増加が著しい東南アジアは有望なマーケットとして期待される一方、ニーズに適した倉庫タイプの検討も必要な段階でもあるようです。今後は冷凍、冷蔵、チルドといった温度管理が必要な食品などの物流へのニーズの高まりも予想され、需要に応じた新たな施設づくりが求められています。
2011年に始まった大和ハウス工業の海外事業は、コロナ禍で一時的に停滞したものの、現在はお客様の海外進出の回復に伴い、再び活性化しています。東南アジアや米国など各地域で新たな需要が生まれており、これからの経済環境の変化によっては、今後、世界各国で物流戦略の見直しが進むことも予想されます。
2011年の海外進出も日本国内のお客様のサポートから生まれてきた事業であり、大和ハウス工業は全国の支店網を生かし、お客様の海外進出を支援してきました。しかし現在は、地政学リスクへの対応を含め、海外でのビジネスを成功させるためには、さまざまな条件や変化に対応できる体制やノウハウが求められています。お客様のどのようなニーズにも応えられる提案ができるように、グローバル体制のさらなる強化を目指します。
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