
「三種じゅんさい丼」は三種町の新しいご当地グルメで、地場産のじゅんさいが100gほど使われている。
「食べるエメラルド」と森岳じゅんさいを表現する桜田澄子さんの「さくら亭」。馬肉・和牛料理専門店だ。北海道から仕入れて三種町の牧場で育てた牛や馬の新鮮な肉を使った肉料理がいただける。馬肉は栄養が豊富なのに低カロリーな食材。三種町の国産大豆や青森県田子町産のにんにくなどの飼料で育った馬肉は、さっぱりした脂と甘み、臭みのない美味しさだ。
桜田さんは町の宝である森岳じゅんさいを、小さな頃から家庭料理で食べて育ってきたという。その美味しさをもっと知ってほしいと女性向けをイメージしたのが、ご当地グルメの「三種じゅんさい丼」。ふんわりした卵の茶巾を崩すと、三種町特産であるじゅんさいと自家製の梅が、ほろほろと彩り美しく、地元産あきたこまちの酢飯の上に散る。頬張ればじゅんさいの喉越しと梅の酸味が食欲をかきたてる。また、「じゅんさいあんみつ」も、じゅんさいの佇まいと寒天の透明感の見た目の涼やかさの上に、黒蜜ときなこが上品に絡む逸品。「自分の商売だけでなく街全体をアピールしていきたい。その中の一つとしてこの店を活かさせていただければ」と話す桜田さんは、まさに女性らしい細やかな愛情で町の食文化を見つめている。
「じゅんさい入りそば」はシンプルな料理だが、じゅんさいの魅力を堪能できる。
その時に応じて、サービスの小鉢がつく。取材日は、特産の八竜メロン!
樹齢120年もの秋田杉の柱が店内にそびえる「じゅんさいの館」は、三種町の農林産物を展示販売している直売所だ。広々とした空間には、農家直送の地元の特産品や野菜・山菜・米、旬の食材、手づくりの味などがずらりと並ぶ。とくに三種町ならではなのが特産物のメロンとじゅんさい、そして「あきたこまち」や「岩川水系米」。さまざまな生産主の名前が書かれ、採れたての新鮮で安心安全な食材が手に入る。
この一角にあるのが、今年リニューアルしたての「お食事処 花河童」。実は直売所の組合員が集まり手づくりの料理を出している。季節感を大事にした、採れたて野菜中心の地産地消のメニューには、じゅんさいを使ったものが多い。メニュー数はまだ少ないながら、お母さんの優しい手づくりの味に常連さんも多い。「じゅんさいの魅力を伝える機会を少しでも増やしたいので、じゅんさいの料理をさらに広げていきたい」と花河童の佐藤さんはいう。一緒に働く北林さんも「食感や喉越しのいいじゅんさいは、昔から食べられてきた料理方法が一番美味しくいただけると思います。そういった郷土料理をここで味わっていただきたい」と話してくれた。
「じゅんさい鍋」にはきりたんぽとじゅんさいが入っており、
秋田名物を楽しめる逸品。夏の鍋として、地元では当たり前の料理だ。
森岳温泉郷は、日本でも強塩泉で知られ弱アルカリ性の天然温泉が湧いており、皮膚病や婦人病、疲労回復などに効能があるといわれる。そこに「森岳温泉ホテル」はある。
このホテル内の「レストラン韓味」で、じゅんさい尽くしの料理がいただける。宿泊客限定のコースだが、メインの「じゅんさい鍋」には、きりたんぽとじゅんさいがたっぷり。一般的に夏にしか食べられない鍋だ。他にも「じゅんさい天ぷら」「じゅんさい茶碗蒸し」など生じゅんさいを心ゆくまで楽しめる。というのも、社長を務める池内栄子さんのご主人がじゅんさい農家なのだ。「5月〜9月くらいまでは、その日にとった鮮度がいい安心・安全の生じゅんさいを直送できます。加工じゅんさいも作っているので、常に料理にはじゅんさいを欠かしません。ここは田舎ですから、田舎ならではの郷土料理とあたたかい人情でゆっくり癒されにきてほしいですね」と言う。じゅんさい沼を見たい、摘み取ってみたいという宿泊客の希望があれば、体験することも可能だ。
森岳温泉に浸りながら、春は山菜、夏はじゅんさい、秋はキノコと、森岳らしい料理を味わいたい。
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