
9種の魚がのる「海鮮いしり丼」。ここでしか味わえない贅沢な一品。
宇出津港から少し入った路地に店を構える「居肴屋 風来坊」。メニューの黒板には、ずらりと多彩な魚料理が並び、東京からの常連客も抱える。店主は生まれも育ちも能登町、京都や金沢で修行したことで、逆に地元の魚種のすごさを知り、戻って店を開いた。漁師の元に通い詰めて魚を学び、時には船に同乗もする。その経験に裏打ちされた美味しい魚を存分に味わえる一つが「海鮮いしり丼」。大葉やカボチャの彩りも目に鮮やかで、鰹と昆布だしでといた北畠商店の「いしり」でいただく。珠洲焼の器に贅沢に盛られた魚は、その日の早朝に仕入れた9品。カタクチイワシ、車鯛、カサゴ、ヤリイカ、ヒラメなど、鮮度がいいからこそ堪能できる逸品だ。
かに丼あさひ風。小木港で揚がった加納ガニを1杯以上使った贅沢な一品。
先代が漁師であり、焼肉屋を始めたという「あさひ」。二代目の店主は、金沢で板前修業をして跡を継ぎ、珍味を販売するショップも運営する。市場に出回りにくいとされる能登牛を使った焼肉も絶品だが、魚介の料理も多く、地元の常連客で連日賑わう。自家製「いしり」を使ったメニューもバラエティ豊か。輪島塗の器を使った「かに丼あさひ風」は、能登で水揚げされた加納ガニと呼ばれるズワイガニの身をまるごと堪能できる一品。ここに自家製「いしり」を使った餡が絡む。ほかにも野菜炒めやカルパッチョ、焼き飯など、どれも自家製「いしり」が素材のうま味を引き出された奥深い味わいだ。甘口醤油、味醂を絶妙に配合した「いしり醤油」でいただく刺身もオススメ。
宇出津の「いしり」とフレッシュミルク。試したいフレーバーをつけてもらえる。
奥能登の丘陵地では1960年代半ばから大規模な農地造成が行われてきた。その中核となったのが草地型の酪農。マルガーの前身は酪農家だ。1999年に自家産生乳を使ったジェラート工房を国道249号線沿いにオープンし16年。店頭には常時14種類のフレーバーが並ぶ。定番のフレッシュミルク、バニラ、抹茶、チョコラータなどと、地元特産の珠洲の塩、かぼちゃ、能登赤崎産いちごのほか、季節メニューが次々と入れ替わるので、リピーターも飽きることはない。宇出津「いしり」ジェラートは、牛乳との相性によるうま味が充分に感じられる逸品。冬季には、七尾西湾のかき貝、宇出津港の寒ブリジェラートも店頭に並ぶ。「かき貝」は全国のオイスターバーに卸しているという。ぜひ一度、お試しあれ!
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