
ボリュームもしっかりの「とんかつ八丁」。
佐藤嘉一さん、富子さん夫妻と息子の嘉(よしみ)さん、親子二代が切り盛りする八丁味噌うどんの元祖。創業して約50年を迎える人気店だ。八丁味噌に数種類のダシをブレンドしたつゆは、試行錯誤の上つくられた秘伝の味。それに二代目の嘉さんが手打ちする細めでコシのある麺がよくからむ。創業時には「力八丁」と「八丁」しかなかったメニューは、今では「とんかつ八丁」や「たんたん八丁」などバラエティ豊かに。今回は最近人気が増しているという「とんかつ八丁」を注文した。注文が入ってから揚げるとんかつは柔らかくジューシーで、味噌のほのかな苦味が味わいを引き締めている。煮込むわけではないので辛くなく、八丁味噌特有の香りを感じられる美味しさだ。店はダシやうどん玉がなくなり次第早じまいするので注意が必要だ。
名古屋圏の味噌煮込みとも異なり、鍋焼きでもない八丁味噌うどんは、一度食べたらやみつきになるという八丁味噌の美味しさが分かりやすくいただけるので、ぜひ訪れてほしい名店だ。
遠赤外線で焼かれた五平餅の美味しさは、やみつきになる。
店主加藤勇さんがつくる五平餅は、柔らかくふっくらとしたうるち米に、八丁味噌を数種ブレンドして生姜がアクセントになった甘辛ダレと、串の檜の香りがふわりと漂う逸品。杉皮葺きの小さな店を構える「五平」は、その名の通り、五平餅専門店だ。これを目当てに、連日小さな子どもからお年寄りまでが店を訪れる。
五平餅は奥三河の郷土料理。加藤さんの父親は、その本場といわれる矢作川上流の生まれで生まれで、家庭でもよく五平餅をつくってくれたことからお店をはじめたという。当初は、全国での移動販売を目指していたが、実家の軒先でテスト販売したところ好評で、そのままそこで商売することになったという人気ぶり。「八丁味噌の赤みそを使うのが三河地方の五平餅。うちもそれにならっています。試行錯誤していた頃は、本州を一周して各地の五平餅などを見てまわりました。伊奈や木曽などでも味噌の種類が違ったり、醤油ダレだったりと、地域によってタレが違うんですよ」と話す。当日仕込み、当日売り切りで、ご飯の炊き方や水加減、味噌のミックスの仕方などちょっとしたあんばいで味が変わるという店主の五平餅は、万人向けのクセになる美味しさ。一串でお茶碗一杯分の五平餅だが、つい二本、三本と手がのびてしまう。
家庭での焼き方など詳しい説明が同封された通販も人気で、電話で注文すると全国配送してくれる。本生タイプとガス充填タイプがある。ぜひ奥三河で伝えられてきた郷土料理の素朴な美味しさを味わってほしい。
「休右衛門流 岡崎まぜ麺」。岡崎ご当地グルメとして定番になりつつある一品。
「カクキュー」の「八丁味噌の郷」にある「休右衛門」は、八丁味噌をふんだんに使った料理が楽しめるグルメ店。三河の郷土料理である「どて煮」や「八丁味噌餃子定食」、「田楽定食」から変わったものでは「味噌ドリア」や「味噌ソフトクリーム」まである。今回取材したのは、岡崎名物の「休右衛門流 岡崎まぜ麺」と「家康らぁめん」、「味噌アイス最中」だ。
「休右衛門流 岡崎まぜ麺」は、ご当地グルメ「岡崎まぜ麺」から発展したもの。八丁味噌を使った汁なしの麺料理で、特製肉味噌と温泉卵がからみあってまろやかな味わいを醸し出す。「家康らぁめん」もご当地グルメだが、塩辛そうな見た目とは違い、さっぱりとした味つけが特徴の味噌ラーメンだ。「味噌アイス最中」は、八丁味噌のアイスのほのかな塩気と黒蜜の甘さが絶妙なクセになる美味しさ。甘党にはオススメしたい逸品だ。
八丁味噌の世界が広がること請け合いの「休右衛門」の厳選メニュー。「カクキュー」見学のおりは、ぜひご賞味あれ。
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