土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.296
  • 不動産市況を読み解く

高齢化社会と賃貸借契約単身のご入居者がなくなったら、どうしますか?

公開日:2019/08/30

単身のご入居者が、不幸なことに亡くなられたら、オーナー様はどうすればいいのでしょうか?
一括借上を委託している場合などは、管理会社が対応すると思いますが、自主管理をしている場合などでは、戸惑うことも多いと思います。
例えば、「部屋に残されたものはどうすればいいのか?」「万が一家賃滞納があった場合はどうするのか?」など、挙げればキリがありません。

単身のご入居者が亡くなられた時の対応の具体策と「終身建物賃貸借契約」について解説します。

高齢化が進む大都市、都市に住み続ける高齢者

地方都市での高齢化は既にピークに達しており、過疎化が進む農村部などでは、高齢者はすでにピークアウトしています。日本の近代化が進む中で、1950~60年代に農村部から都市部に若者が大量に移動し、都市部の発展に寄与しました。こうした若者たちの多くが既に70歳を超えています。
都市部はこれから超高齢社会を迎えますが、その波は2つのベビーブーム世代が構成する波です。昭和20年代前半に生まれた第一次ベビーブーム世代、現在70代前半の方々。そして、昭和40年代後半生まれの第二次ベビーブーム世代、現在40代半ばの方々です。これらの方々の多くは都市部に住んでおり、都市部はこれから一気に高齢化します。
ちなみに、平均寿命が85歳だとすると、日本の高齢化社会はあと40~50年程度は続くことになりますが、それから先は、若者も少なく高齢者も少ない、今よりも人口の少ない中で、均衡のとれた社会になると思われます。

都市部ではこれから間違いなく高齢化が進みます。そして、身体が動くうちは介護施設に入らず、働く場所の近くに住みたいと考え、70代、80代でも元気に働き、労働者として社会に貢献し、Uターンせず都市に住み続ける方が増加するでしょう。

本連載で何度も述べてきましたが、単身世帯の割合は年々増え続けています。現在でも30%台半ば、2040年には約40%の世帯が単身世帯になると予測されています。60代以上の単身世帯も、右肩上がりで増えています。そして、都市部において、その多くは賃貸住宅に住んでいます。つまり、これからも、賃貸住宅に暮らす一人暮らしの高齢者の方が増えることになると思います。
こうした事は賃貸需要を支える要因となります。しかし、「もし、万が一の事があったら・・」ということを想定しておく必要があります。

亡くなった方の権利の移動

単身のご入居者が亡くなられたら、ご入居者が所有していたもの(残地物)は相続人に権利が移ります。また、重要なことですが、ご入居者が持っていた賃借権も相続人に移動します。
ですから、高齢の方などと賃貸借契約を結ぶ際は相続人となる親族の方がいるかどうか、また住所などを聞いておくといいでしょう。そうすれば、万が一の際も、やり取りがスムーズになります。
もし、相続人の情報を得ていないご入居者の方が亡くなった場合は、弁護士などに委託して戸籍などを収集してもらうとよいでしょう。
ご入居者の方が亡くなられた場合は、相続人の方と連絡を取って、「賃貸借契約の終了」、「残されたものの処理などの対応」などを行ってもらうように依頼します。

終身建物賃貸借契約

終身建物賃貸借契約は、賃借人の方が亡くなることで、賃貸借契約が終了する契約です。60歳以上の方が入居する際に対象となりえます。普通建物賃貸借契約では、基本的に期間の定めはありません(定期賃貸借契約はこれに期限を付けたもの)ので、普通賃貸借契約では、賃貸借の権利は相続人に移ります。しかし、この終身建物賃貸借契約を結ぶことで、期限を「賃借人が死亡するまで」と定めたことになります。よって賃借権の相続がなくなり(ただし、同居配偶者などの一時的な居住と申し出に基づく継続居住の契約は認められる)、契約終了の手続きを円滑に行うことができます。(詳細は国土交通省のWebサイトをご覧ください)

このような契約は、個別事案によって内容が異なりますから、詳しくは弁護士など法律の専門家にご相談ください。

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