土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.319
  • 不動産市況を読み解く

1棟賃貸住宅は有利か?2020年4月から変わるフラット35の制度変更についての解説

公開日:2020/03/23

POINT!

・「総返済比率算定」の見直しによって、ワンルームマンション投資から、1棟賃貸住宅投資への移行が起こる可能性もある

2020年4月から住宅金融支援機構の「フラット35」の制度が一部変更になります。毎年(例年4月と10月)、政策的に少しずつ制度変更が行われていますが、2020年4月からの制度変更は、賃貸住宅投資(土地活用としての賃貸住宅建築投資)、広くは不動産投資を行う方には重要な内容ですので、ここで解説を交えてご紹介したいと思います。

フラット35についての復習

住宅金融支援機構はその名前の通り、「住宅を購入する方を支援する金融機関」です。
個人向けの主力商品は、テレビCMでもおなじみの「フラット35」で、35年間の長期固定金利が適用されるものです。また同機構が行う「賃貸住宅」への融資は、主に「省エネ賃貸住宅建設融資」と「サービス付き高齢者向け賃貸住宅建設融資」の2パターンで、一般的な賃貸住宅建築への融資は行われていません。2020年3月現在の最頻金利(※)は1.24%(融資額が9割以下の適用金利)となっています。

  • ※最頻金利とは、取り扱い金融機関で最も多い金利のことです。最低金利~最高金利の平均ということではありません。

長期固定金利としては、民間金融機関と比べてかなり低い水準の金利となっているため、長期固定金利を希望する方(つまり、金利変動のリスクをとりたくない方)の多くが住宅金融支援機構の「フラット35」を利用されているようです。 また、「フラット35」は、融資を受ける本人、またはその親族が住むための新築住宅の建設費用(注文住宅)、または新築物件購入資金(建売住宅)、あるいは中古住宅(戸建・マンション)の購入資金等への使用に限り融資が受けられます。つまり、「投資用物件を購入するための融資は受けられない」ということです。

総返済負担率の算定に含める借入金の対象が一部見直しに

住宅金融支援機によれば、4月からいくつかの制度改定が行われますが、インパクトがあるのは「総返済比率算定」の見直しです。
「総返済負担率」とは、収入(年収)に対する年間合計返済額の割合のことで、フラット35においては、「総返済負担率は年収400万円未満30%、年収400万円以上35%」と定められています。例えば、年収600万円(収入合算なし)の方は、月の返済額は17万5000円までということです。先に述べた金利(固定1.24%35年)だとすれば、総額約6000万円程度までとなります。
これまでは含まれなかった「賃貸予定又は賃貸中の住宅に係る借入金の返済額」を、年間合計返済額の対象に含めることになります。
例えば、先に述べた方が、すでに2500万円のワンルームマンションを購入しており、そのローン返済額が7万円だったとすれば、月の返済額は10万5000円が上限となります。すると、借り入れ総額が一気に約3570万円(金利等は上記と同条件)まで下がってしまいます。こうなれば、購入する、あるいは建築する住宅は一変します。

いわゆる賃貸アパート(賃貸住宅)は加算の対象外

しかし、この「賃貸予定又は賃貸中の住宅に係る借入金の返済額を加算する」制度は、賃貸用のアパート向けのローン(ローンの対象が1棟の共同住宅)の場合は、年間合計返済額の対象には含めないことになっています。(注:ローンの対象が1棟の共同住宅であることについては、対象建物の登記事項証明書等の提出が必要) 土地活用として賃貸住宅を建築している方のほとんどの方は、アパートローン対象(つまり1棟の共同住宅)の物件で賃貸住宅経営を行っています。つまり、この加算の対象外ということになります。

ワンルームマンション投資から1棟賃貸住宅投資への移行が起こる??

こうしてみると、例えば、2500万円のワンルームマンションを4つ購入(総額1億円)するための融資と、1棟で1億円の共同住宅(賃貸住宅)を建築するための融資では、その後に自宅をローンで購入する時の融資状況が大きく変わることになります。したがって、ワンルームマンション投資から、1棟賃貸住宅投資への移行が起こる可能性もあります。 最近では20代・30代の独身時代に「将来の私的年金として」ワンルームマンションを複数買う人が増えているようですが、こうした流れにブレーキがかかる可能性があります。

これらの制度改定は、2020年4月1日以後の借入申込み受付分から適用となります。「フラット35」の制度変更は、賃貸住宅投資に変化をもたらすかもしれません。

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