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コラム vol.326
  • 不動産市況を読み解く

JREITの動きの動きから分析する今後の不動産市況

公開日:2020/05/21

リーマンショックとは異なり一時的な落ち込みになりそうと予想する理由

リーマンショックは、債権の証券化商品や低所得者ローンの不履行を発端とした金融危機であったのに対し、現在のコロナショックはウィルス対策によって、経済活動の自粛を行わなければならないという実体経済への影響からくるものです。もし、この先金融融資の引き締めが起これば、多くの人が住宅購入で利用する住宅ローンに関しても借り入れが厳しくなり、実需物件であったとしても不動産購入者が減り、価格下落の可能性もあります。しかし、融資の姿勢の変化は今のところみられませんし、金融引き締めどころか、「さらなる金融緩和」を進めていくようです。この流れになるとすれば、一時的な落ち込みはあるとしても、しばらくすればもとの不動産市況に戻ると考えられます。
また、住宅分野では、これまで旺盛だった購入意欲が急に激減するとも考えられません。現在は営業自粛企業が多いようですが、状況がおさまれば、この間の「溜まった需要」を取り込むことになるでしょう。

JREITの動きから今後の市況を予測する

不動産市況(とくに実物不動産の市況)は、株式市場とは異なりタイムリーなデータがなく、たいていのデータが数か月後に公表となりますので、現在の実態をデータで把握するにはもう少し時間を要します。そのため、JREITの値動きから分析してみることにします。
JREITの値動きと実物不動産取引には、極めて高い連動性があることが知られており、日本(JREIT)に限らず、世界の他のREITでもいえることです。日本においては、過去の実例から、「JREITの動きから約1年後に実物不動産の価格に表れる」ことが知られています。以下、JREITデータを見てみましょう。

図1:東証REIT指数の推移(日別)

(出典)東京証券取引所

図1は、2020年1月からのJREITの各指数の動きを示したものです。
JREIT価格は、2月下旬頃まではかなりの高水準でしたが、3月中旬から一気に減少したことが分かります。下のグラフは2月の平均指数を100とした時に3月~4月の指数推移となります(図1、2ともグラフの色は同じ)。

図1:東証REIT指数の推移(2020年2月平均=100)

(出典)東京証券取引所

JREITの各指数は3月19日に一気に半数近くまで落ち込みましたが、その後回復していきます。最も高い指数の住宅指数(賃貸住宅の指数)は戻りも早くピークからは下げているものの、ある程度戻して安定しています。住宅REITは現在ピークよりも少し下げていますが、これは価格調整と言っていい状況で、この先は回復すると思われます。
また、この東証REIT指数は商業と物流が同じ指数になっています(東証発表データ)が、個々に見ると、物流REITの落ち込みは各プロパティ別(オフィス・住宅・小売り・ホテル・物流)では最も少なく、回復も最も早くなっています。巣ごもり消費の拡大という現状に加え、今後のECの拡大見込みをふまえると当然かもしれません。大和ハウス工業でもオーナー様の土地活用の一環として多くの物流倉庫の建築を行っていますが、どこも好調のようです。

次に、住宅賃料の市況ですが、全般論としては、一次的に悪化の可能性がなきにしもあらずですが、回復は早いものと思われます。特に、ワンルームタイプや標準ファミリータイプの影響はほとんどないと思われます。これらのサイズの物件では、リーマンショック後でも同様に大きな影響はありませんでした。影響が少なからずあるとすれば、タワーマンション上層階の賃貸物件のような高額賃貸物件に限られると思います。

こうしたことから、今後の不動産市況を予測すると、一時的な落ち込みはあるにせよ、特に住宅関連分野では、早晩もとの市況に戻ると予想します。

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