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コラム vol.350
  • 不動産市況を読み解く

東京への転入者が過去最低水準に。デュアルライフをする方が増える傾向に

公開日:2021/02/26

転入超過数が7割近く減少!

2020年の東京23区への転入超過数が、2019年対比でマイナス68%となり、数字でも、近年では最低水準になったようです。
総務省が住民基本台帳人口移動報告に基づき毎月発表している統計によると、2020年1年間の東京23区への転入者は34万9052人、転出者は31万8521人で、2015年以降36~37万人程度で推移していた転入者数は減少し、転出者は増加しました。また、転入者から転出者を引いた転入超過数(引き算がプラスの場合は転入超過、マイナスの場合は転出超過です)は、22,421人となり、2019年は70,461人でしたので、転入超過数は約7割近く減ったことになりました。

これを月別で見ると、その傾向や理由が見えてきます。

図1:月別 東京23区 転入転出超過者数(2019年・2020年比較

総務省統計局「住民基本台帳移動報告」より作成

図1は、月別の転入(転出)超過数の推移を、2019年と2020年を比較する形で示しています。
図を見ると、例年のことですが、進学・就職・転勤などが重なる3月に転入者が大きく増えます。もちろん、同時期には転出する方も多くいるのですが、例えば大学への進学で東京23区への地方から来たような方がそのまま東京で職を得ると転出にはなりませんので、3月に大きく転入超過になります。2020年は3月ごろから自粛ムードが広がり、4月に入り緊急事態宣言が発出されました。大学では対面での授業はほぼなくなり、オンラインがメインとなりました。また4月から企業に入社した学卒者のかたも、「しばらく自宅で研修を」という方も多く見られました。
初めの緊急事態宣言が発出された頃は、「新型コロナウイルスの影響がおさまると、元に戻るだろう」と思っていた方も多く見られましたが、第二波第三波と続くにつれ、「もとに戻るのは、だいぶ先かもしれない」あるいは「これからは今のニューノーマルがノーマルの時代になるかもしれない」と考える方が増えました。こうした流れが、グラフにあるように8月以降の転出超過に繋がっているものと推測されます。

近隣県への移動は増えたのか?

この数字を東京都全体でみると、転出者は40万1805人、転入者は43万2930人で、転入超過数は3万1125人、こちらは2019年対比でマイナス62%となっています。

では東京の近隣県の状況はどうなっているのでしょうか?
神奈川県や埼玉県では、転入超過数は2019年と20年では大きな変化はありませんでしたが、ひときわ目立つのは、千葉県の状況です。2019年千葉県における転入超過数は9528人でしたが、2020年はいっきに約5割(49.6%)増えて1万4273人となりました。
また群馬、茨城、栃木の北関東3県では、転出超過数が大幅に減少しています。
これら北関東3県に住んでいる方が毎日、東京中心部に通うとなると大変かもしれません。しかし、在宅勤務が推奨され週に1~2回程度の出勤が増加し、また大学などの授業もオンライン中心ならば、通勤・通学のストレスは限られます。このような状況が「転出者」を減らしているものと思われます。

デュアルライフは増加するか?

こうした流れから、「東京に住む方の地方への移住が増えている」ということを耳にするようになりました。まだ正確なデータはありませんが、少しは増えているようです。ただ、家族世帯では、家族全員の状況を考えると、子供の学校や塾などの問題が大きな障壁となるため、なかなか難しいようですが、趣味や趣向がハッキリとしている単身者の移住は増えているようです。

一方、増加しているのが、多拠点暮らし(デュアルライフ)をされる方です。多拠点暮らしとは、たとえば東京にお住まいのある方の場合、ある程度の収入があり、時間の自由が利く方が、房総エリアや湘南エリアといった海沿いや、群馬や埼玉、長野などの里山沿いなどにセカンドハウスを購入、あるいは賃貸住宅を借りて、週末や週の半分くらいをその地で暮らすことを指しますが、そういう暮らしを選択する方が増えているようです。不動産物件の検索サイトでは、こうしたエリアの物件(売買・賃貸)を検索する方が急増していると聞きます。
国土交通省が数年前にとったアンケートでは30・40代の多拠点暮らし(デュアルライフ)をしたいと考えている方は3%程度でした。直近のデータはないようですが、これからはテレワークが定着し、仕事も生活も充実させようとする、こうしたデュアルライフを志向する方がますます増えるのではないでしょうか。

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