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コラム vol.398
  • 不動産市況を読み解く

最前線で働く方は、市況をどう見ているのか?不動産市況DI調査を読み解く

公開日:2022/04/28

2022年3月に第24回「不動産市況DI調査」が公表されました。
「不動産市況DI調査」は昨年も取り上げましたが、公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)が年4回公表しているものです。この第24回不動産市況DI調査(注:調査時点2022年1月中旬、公表2月14日。不動産関連企業むけのアンケート調査で有効回答数は204)をもとに、このところの不動産市況や賃貸住宅市況について見てみましょう。

関係者の肌感が反映される不動産市況DI調査

DI(Diffusion Index)は、景気の拡大や市況感を見る際に、分かりやすく指数化したものとして、様々な調査で用いられる手法です。内閣府の景気ウォッチャー調査や日銀短観などのDIはメディアも大きく報じるのでご存知の方も多いと思います。この不動産市況DI調査の算出方法については、「土地価格動向・賃貸住宅市況を業界関係者はどう見ているか?」をご覧ください。この調査はアンケートを行うというシンプルな調査方法ですが、最前線の現場で働く関係者にダイレクトに聞く手法ですので、これは実態が見えやすいともいえ、現状が把握しやすいと思います。

土地価格の動向

はじめに、地価(本調査では土地価格)について見てみましょう。
3月下旬に公示地価が発表されましたが、公示地価は地価公示法に基づき基準地点を2人の不動産鑑定士が鑑定を行う形式です。鑑定での地価の変化とある種の「肌感覚」に近いアンケート調査に大きな違いがあるのでしょうか。

全国の土地価格の動向については、DI指数は+10.8ポイントとなり前回調査に比べ+5.2ポイント上昇、4回連続プラスとなりました。2020年4月・7月・11月、2021年1月の調査ではマイナスでしたが、4回連続のプラスとなりました。2020年年初までの勢いはなく完全回復とは言い難いものの、だいぶ回復基調になっているという状況でしょう。公示地価(全国・全用途平均)でも2021年(令和3年)のマイナスからプラスになっていました。

図:土地価格動向DI値の推移

公益財団法人 全国宅地建物取引業連合会「第24回不動産市況DI調査結果公表」より作成

図は、第1回目からのDI値の推移です。

第24回分のDIをエリア別に見れば、もっともDI指数が高いのが関東地区でプラス18.2ポイント、次に九州・沖縄地区がプラス11.1ポイントとなっています。
逆に、前回に続き中部地域ではマイナスとなりました。DI指数はマイナス2.0ポイント、ほとんどの回答が「横ばい」でしたが、わずかに「やや下落」が「やや上昇」を上回り、マイナスとなりました。また、この先3か月後の予測の項目を見ると、全国平均ではプラス5.6ポイントで、プラスが大きいのは近畿地区プラス8.8ポイント、九州・沖縄地区8.3ポイント、関東地区7.1ポイントでした。逆に中国・四国地区はマイナス7.1となりました。

この土地価格DIでは、ここ数回にわたり中部地区や中国四国地区で、ネガティブな数字となっています。ただし、地価公示との比較では、中部地区(地価公示では、名古屋圏)の他の3大都市圏と同様に前年比はプラスでしたので、鑑定での地価と肌感覚に多少の差があるようです。

中古住宅価格について

土地活用とはあまり関係ありませんが、市況を見るには重要だと思いますので、「中古戸建」、「中古マンション」についても軽く触れておきます。
中古戸建価格は、全国ではプラス8.2ポイント(前回調査比プラス2.2ポイント)、新築戸建て価格はプラス21.9ポイント(前回調査比プラス2.8ポイント)と、いずれも前々回と前回調査対比よりも大幅に上昇しました。上昇幅が大きくなっているという状況です。
また、中古マンションの取引価格はプラス17.0ポイント(前回調査比プラス8.5ポイント)と、4回連続プラスとなりました。

賃貸住宅賃料の動向

次に「居住用賃貸物件の賃料の動向」を見てみます。全国的に居住用賃貸住宅賃料は横ばいの状況のようです。
全国では、回答の77.8%が「横ばい」、5.0%が「やや上昇」、16.7%が「やや下落」、0.6%が「大きく下落」と回答しています。ちなみに「大きく下落」との回答は関東地区のみで、ごくわずか(1.4%)です。
関東エリアでは、「やや上昇」が7.2%と回答、また、北海道・東北・甲信越地区、中部地区、中国・四国地区では大きく上昇、やや上昇の回答はゼロでした。九州・沖縄地区を除けば、どの地域も概ね8割の回答が「横ばい」で、15~20%が「やや下落」との回答です。
九州・沖縄地区では「やや上昇」の回答割合が最も多い一方で、「やや下落」の回答割合ももっとも多く、バラツキがある状況といえます。
また、3か月後の予測ですが、全国では82.1%の回答が横ばいで、九州・沖縄地区を除けば、80~90%程度の回答が「横ばい」となっています。ここでも、九州・沖縄地区では、バラツキの多い回答となっています。

現場の最前線の方へのアンケート調査の信頼性には是非がありますが、しかし色々なデータを複合的に見ることで、市況をより深く知ることができるものと思います。参考にしてください。

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