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コラム vol.244
  • 不動産市況を読み解く

意外に日本の人口は減ってない! 最新予測データ分析

公開日:2018/06/29

すでに日本は人口減少局面に入っています。
書店に行くと、「人口減少社会を迎える日本の未来像」をかなり悲劇的に書かれた書籍が、ずらっと並んでいます。人口減少がもたらす可能性のあるネガティブな出来事の解説に、「このままの日本で大丈夫か?」と思ってしまいます。
また、先日の報道では、昨年1年間に生まれた新生児の数が過去最低水準の94万人に留まり、政府は様々な対応をしているものの出生率が伸びていないとありました。
未来の日本の人口予測は、「国立社会保障・人口問題研究所」が予測・公表しているデータを基にしているものがほとんどですが、この予測が微妙に変化しています。
今回は、同研究所が公表した「都道府県別2040年の人口」の最新予測データを基に、考察してみましょう。

日本の人口推移

日本の人口は、明治維新の頃、約3300万人でしたが、その後一気に増え始めます。
終戦前の一時は、減りましたが、終戦(1945年)には約7200万人でしたので、明治~終戦までの約80年間で倍以上になりました。戦後、人口は加速度的に増えていきます。1967年には1億人を突破、その後も増加の角度は低くなったものの、ジワジワと増えていきます。ピークは2008年~2010年頃の12800万人台で(2008年の12808万人がピーク)、現在は12700万人台で、少しづつですが、減少しています。
そして、この先日本の人口は、今のままの出生率が続くようですと2100年には5000万人を割りそうだ、と予測されています。

予測よりも人口減少はゆっくり

さきごろ、国立社会保障・人口問題研究所 から、『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)が発表されました。これによると、5年前(2013年)に発表された同予測に比べると、日本の人口減少は予測よりもだいぶゆっくりになっているようです。確かに、2040年の日本の人口は減るのですが、2013年予測に比べて2018年時点での予測は、日本全体でプラス3%となっています。(出生、死亡とも中位予測。以下同じ)

(図1)日本の人口推移と将来人口予測

人口推移:総務省データ、将来人口予測:国立社会保障・人口問題研究所 『日本の地域別将来推計人口(2013年推計、2018年推計)』より作成

図1の実線はこれまでの人口数字(実数)で、点線はオレンジ色が2013年に推定されたもので、青色は2018年に推計されたものです。人口減少がややゆっくりになっているのが分かります。2030年、2040年で3ポイント程度乖離があります。

これを都道府県単位で見たのが、図2です。

(図2)2040年の人口推計2013年予測と2018年予測の比較(都道府県別)

国立社会保障・人口問題研究所 『日本の地域別将来推計人口(平成25年推計、平成30年推計)』」より作成

東京都における、2013年に予測された2040年の人口に比べて、2018年に予測された2040年の予測人口は、なんと12ポイントも増えています。
2013年時点の予測では、2015年→2040年では92.2%(人口はマイナス7.8%)でしたが、2018年の予測では、101.8%(人口はプラス1.8%)とマイナスからプラスに転じました。同様に、福岡県では、86.8%が92.2%となり、プラス7ポイントとなっています。 図2を見れば分かるように、29都道府県が2013年の予測よりもプラスになっています。都市部を中心に、人口減少のスピードが緩やかになっているようです。
また、東京が最も大きく乖離しています。これは、東京への人口流入が予想以上に進んでいるからだと思われます。

一方、2013年予測よりも、さらに人口減少スピードが早くなりそうだと予測されている県が11あります。図2における100%未満の県です。

人口減少の予測は、徐々に変化しています。これからも注意深く見守っていく必要があると思います。

土地活用ラボ for Owner アナリスト

吉崎 誠二(よしざき せいじ)

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者等を経て現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

公式サイト:URL http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:URL http://www.hr-i.jp/

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