土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.261
  • 不動産市況を読み解く

2019年不動産市況の展望 ~好調は続くのか?~

公開日:2018/12/25

不動産市況は約6年以上にわたって好調を続けています。この不動産市況はいつまでつづくのでしょうか?

今回のレポートでは、様々なデータに基づき、多様な角度から2019年の不動産市況を予測します。

上昇を続ける地価

毎年3月に発表される地価公示は、商業地で4年連続のプラスになっています。住宅地は都市部では6年連続のプラス、全国平均でも2018年はプラスとなりました。また、大都市だけでなく、地価上昇の波は地方都市にも広がってきました。

図1:全国平均の地価公示増減率推移(住宅地・商業地)

国土交通省「地価公示」より作成

図1は、2006年以降の地価公示の住宅地、商業地の推移を示したものです。商業地の方が住宅地よりも上昇が顕著な事がわかります。2019年(2019年1月1日時点)の地価公示も3月下旬に発表の予定ですが、おそらく2019年も商業地・住宅地ともプラスになると予想しています。

図2:東京都の地価公示の増減率(住宅地)

国土交通省「地価公示」より作成

図2は、2000年以降の東京都における住宅地の地価公示を示したものです。東京では、2013年以降、プラスになっていることが分かります。2019年も都市部では、大きな上昇率ではないものの、上昇すると思われます。
ここでのポイントは、ミニバブル期と呼ばれた2005年~2008年に都市部ではおおよそ4年弱の地価上昇でしたが、現在の好景気(地価上昇)は6年、2019年もプラスとなると7年連続となることです。上昇幅は小さいものの、その長さはバブル期に匹敵するもので、仮に2020年の地価公示もプラスとなれば、バブル期を超える長さとなります。
このように、上昇幅は小さいものの、長期にわたり好調が続くと、リスクを抑えたい投資家、例えば年金基金といった大口の投資家等が不動産取得に動き始めます。このような下支えによって都市部の地価・不動産価格は高止まりしていますが、このまま好調が続きそうです。

沖縄県で顕著なインバウンドと地価の関係

商業地の地価公示の上昇率が高い地域は、概ね観光地として名高いエリアとなっています。2018年の商業地地価公示上昇1位は京都、2位は沖縄でした。こうしたエリアではインバウンド観光客の増加が目立っており、それにともないホテルが次から次へと開業しています。土地活用として、ホテルを建てる事例は以前からありましたが、ここに来てさらに活況になっています。
大和ハウス工業においても、2018年6月にダイワロイヤルホテルグランデ京都がオープンしましたが、インバウンド需要が見込めるエリアでは多くのホテルチェーンが新規開業しています。

沖縄県においては、インバウンド観光客の増加と地価上昇の関係が顕著になっています。

図3:沖縄県外国人延べ宿泊者数 と那覇市地価公示(商業地)の推移

国土交通省「宿泊旅行統計調査」、「地価公示」より作成

図3のオレンジ線は、沖縄県を訪れた外国人の延べ宿泊者数の数を示したものです。万人泊とは宿泊した人数×宿泊日数を表しています。本土からの日本人観光者の平均宿泊日数は約2.5日ですから、これを当てはめると上記の数を2.5で割ると人数になります。

図にあるように、概ね右肩上がりで、2011年には1415万人泊だったのが、2017年には2169万人泊になっています。中国・台湾・韓国などのアジア各国の方が中心ですが、欧米からの来県者も増えています。
2020年3月に予定されている那覇空港の滑走路2本目の運用開始が予定通りに進めば、航空機の発着数が増えます。それに伴い、格安航空会社の便数も増えると思いますので、そうなると手軽に旅行できる島になり、本土からの観光客も外国人観光客も増えると思われます。2500万人泊になるのは、時間の問題でしょう。
近年、那覇や海岸エリアでは宿泊施設がかなり増えていますが、観光客が増えると「まだまだ宿泊施設が足りない!」という状況になりそうです。

こうした現状下で、那覇の地価は上昇を続けています。

図3の青い線は那覇市の地価公示(商業地)の推移を示したものです。こちらも連続してかなりの上昇を続けています。
2つの折れ線を見ると、見事に同じ動きをしていることがわかります。那覇の商業地はコンスタントに上昇しています。この先も沖縄県を訪れる観光客数が伸びるのは確実だと思います。そうなると、沖縄県内商業地の地価上昇は、かなりの確率でしばらく続くものと思われます。

価格上昇が止まった感のある中古マンション

一方、ここに来て価格上昇がおさまってきた感があるのが、中古マンション市場です。
中古マンション価格状況は、地価とともに不動産市況が顕著に見える指標となります。

図4:首都圏中古マンション成約状況

公益財団法人 東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」より作成

図4(右)は2011年からの首都圏の中古マンション価格を示したものです。これを見ると、2012年頃から中古マンション価格は上昇を続けていましたが、2018年半ば頃から、横ばいとなっています。この先価格が下がるのかどうかは、現時点(執筆時:12月19日)ではわかりませんが、価格上昇が止まっていることは確かだと思います。その他の状況から判断すると、この先はやや下落する確率が高いと思います。しかし、需要はまだ旺盛ですので、それほど大きな下落になることはないでしょう。

金利の上昇ムードはあまりみられない

不動産市況を占う上で、重要な要素となるのが金利の動向です。 2016年年初から超低金利が続いていましたが、2018年の半ば頃から上昇ムードになっていました。しかし、ここに来て一転、2018年11月以降は再び金利は低下ムードです。

図5:各種金利の推移

図5は2006年以降の各種金利の推移です。2016年年初のいわゆる「マイナス金利政策」の時の大きな凹みが目立っていますが、上がりかけていた金利が一転下落ムードになっています。いまのムードでは、2019年前半に大きな金利上昇はないと思いますが、金利上昇は、不動産市況に水を差す要因となりますので、注視が必要です。

貸家着工件数

最後に貸家(賃貸用住宅)の市況についてです。
2018年の賃貸用住宅の着工件数は、2012年から2017年までの6年連続プラスから一転、年間合計でマイナスになりそうです。現在10月分までの数字は公表されていますが、11月と12月分の発表が出そろうのは2019年の1月末ですので、結果はそれまで待たなければなりません。

図6:2017年・2018年貸家着工戸数

国土交通省「住宅着工統計」より作成

図6は2017年(年間)と2018年(1~10月)の月別貸家着工戸数です。
右の2018年の前年対比を見ると、8月以外はすべてマイナスとなっています。特に地方で大きく減っているようです。各種メディアが報じているように、いわゆるアパートローンに対する地方銀行の融資スタンスが大きく変化したことが一番の要因だと思います。土地活用としての賃貸住宅建築はそれほど大きな減少はないようですが、逆に土地を購入して、そこに賃貸用住宅を建てるタイプの貸家建築は大きく減っている模様です。
2017年1年間の貸家着工戸数は約41万9000戸。今年の10月末までは約33万戸、昨年の同期間が約34万8000戸ですから、10カ月換算ではマイナス5.1%です。この数字を単純に掛けると、2018年の年間貸家着工戸数は約39万8000戸となります。

図6にあるように、前年同月比マイナスは2017年6月以降(2018年の8月を除いて)ずっと続いており、消費税増税の駆け込みは多少あるものの、この減少基調は残念ながら続くと思われます。2019年の貸家着工戸数は37万戸台と予想します。

6枚の図表を使い2019年の不動産の各領域の市況を予測しました。2019年の不動産市況は、2018年と同様に「大きく跳ねることはないけれども、好調が続く」と予想します。

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