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コラム vol.465
  • 不動産市況を読み解く

低下が進む持ち家志向。世代や男女間で違いはあるのか?

公開日:2023/09/29

低下が進む持ち家志向。世代や男女間で違いはあるのか?

2023年5月に国土交通省より、「土地問題に関する国民の意識調査」(調査は、令和4年11月22日~令和5年2月20日に実施)が公表されました。この調査は、「国民の皆様の土地・住宅に関するお考えを伺い、今後の土地政策の企画・立案の基礎資料として活用するため(国土交通省Webサイトより)」に、全国の18歳以上(令和3年度以前は、20歳以上の方々)を対象に実施されました。
この調査では、土地の所有、住宅の所有意識を含め、未利用地について、資産としての意識など、多岐にわたるアンケート調査が行われていますが、その中から、「住宅の所有」についての項目をピックアップして調査結果を解説します。

持ち家志向の低下がさらに進む。住宅の所有意思について

本調査は、約30年続いていますが、この間一貫して持ち家志向の低下が続いてきました。
「ご自身が住む為の住宅の所有・賃借についてどのようにお考えですか」という質問項目では、「土地・建物については、両方とも所有したい」と答えた方の割合が65.5%と、最も多い回答でした。しかし、平成23年(2011年)までは、この回答率は8割を超えていました。持ち家志向の低下傾向は一気に進み、はじめて7割を切ったのは令和2年(2020年)で、その後も低下を続け、持ち家志向の低下が現在も進んでいます。

図1:所有と賃借の志向

「土地問題に関する国民の意識調査」の概要について(令和5年5月 国土交通省 不動産・建設経済局 土地政策課)より作成

一方、「建物を所有していれば、土地は借地でも構わない、又は望ましい」と答えた方は3.0%で、この回答はこのところ横ばいが続いています。また、「借家(賃貸住宅)で構わない、又は借家(賃貸住宅)が望ましい」を選択した人は、15.1%と過去最大となり、1年前の調査である令和3年(2021年)の10.5%から大きく増加しています。
持ち家志向の低下の背景には、「大きなローンを背負いたくない」、「自由な暮らしがしたい」、「賃貸住宅の方が暮らしやすい」といった理由に加えて、このところの住宅価格の著しい上昇も影響しているものと思われます。
その一方で、ここ3回の調査で大きく増えたのが「わからない」と回答した方の割合です。令和元年(2019年)までは、一ケタだったものが、その後令和2年(2020年)以降は13%台~16%台で推移しています。新型コロナウイルス感染症の影響で住まい方、働き方の変化があったことに加えて、近年の住宅価格の高騰で、「今後の住まいのあり方について検討中」「社会情勢や不動産価格の状況や様子を伺っている」という状況の人が増加しているのではないかと思われます。この層の動向に注目しておきたいものです。

性別で持ち家志向は変わるのか

男女別でこの項目の回答をみれば、「土地・建物については、両方とも所有したい」と答えた男性の割合は69.3%、女性は61.8%と男性の方が高くなっています。男女ともに減少傾向にはありますが、男性の方が「住宅の所有意欲」が高く、男女間で「住宅」という資産に関する考え方に多少の違いがあるものと思われます。
一方で、賃貸志向の方の割合で男女の違いは少なく、「借家(賃貸住宅)で構わない、又は望ましい」の回答では男性15.2%、女性15.1%となっています。
また、「わからない」と回答した男性は10.4%、女性は16.4%となっており、こちらでは大きな差が出ています。結婚・出産、働き方などにおいて、まだまだ男女においては意識の違いがあるからなのでしょうか。

図2:所有と賃借の志向(性・年齢別)

「土地問題に関する国民の意識調査」の概要について(令和5年5月 国土交通省 不動産・建設経済局 土地政策課)より作成

年齢別に見る持ち家志向

最後に、年齢別に回答を見てみましょう。
10年刻みの年齢層別では、70歳台が最も持ち家志向が高くなっており、40~70歳台ではいずれも6割を超えています。ただし、40歳台(40~49歳)では7割を超えています。この年齢帯では、結婚してちょうど子どもが幼稚園や小学校に入学するような世帯が多くみられるため、「そろそろ、自己所有の家を持とうか」と考える世帯が増えるためだと思われます。
一方、18~29歳(アンケート対象の最年少は18歳)の層では、「土地・建物については、両方とも所有したい」と答えた割合は41.7%と最も低く、逆に「借家(賃貸住宅)で構わない、又は望ましい」の回答は28.6%となっています。この世代の現在の住まいは、両親と同居、もしくは賃貸住宅に暮らす方が圧倒的多数であり、「まだ、自宅所有をイメージしづらい」世代であることが第一の理由でしょう。加えて、若年層に広がる、「住宅ローンに縛られない、自由な生き方」を求める傾向が強まっていることも理由と思われ、いわゆる「積極的賃貸派」が今後増えることを予感させる結果となっています。

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