土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.206-1
  • トレンドニュース

社会問題の解決と土地オーナー様のために。
大和ハウス工業が取り組む区画整理事業(1)
産業構造の変化に、区画整理事業で応える

公開日:2017/06/02

上席執行役員 都市開発部長 原納 浩二

街づくりの一手法として期待がかかる区画整理事業

現在、社会環境が大きく変化しようとしています。もっとも大きいのが産業構造の変化、さらに人口減少、少子高齢化、そして地球環境への対応、この4つを大きな環境の変化ととらえて、私たちは都市開発事業を行っています。また、日本特有の課題として、地震をはじめとする災害への対応も不可欠です。先に挙げた4つの変化への対応に加えて、災害に強い街をつくることもまた、都市開発におけるミッションになります。

サステナブルな街づくりという考えは、ここ20~30年で重要視されるようになってきた概念といえます。狭い国土の中で、まだ有効活用されていない土地を新しく開発していく必要があることも確かですが、大切なのは、国もいっているように「再興」ということです。今後は全国規模でインフラも高速道路も、いわゆる「更新」をしていかなければなりません。さまざまな環境や課題の変化に対応するために、街を新しくつくり直さなければならない時代に今来ているのです。
産業構造の変化に対応するためには、山林や農地においても、林業や農業から活用方法を変えていく必要があります。あるいは、工場や住宅のあった場所が空き地になることもあるでしょう。将来的には、我々が現在住んでいる街も、再開発する必要が出てくるかもしれません。

街づくりの方法としては、さまざまな方法があります。いわゆるスクラップ&ビルドが代表的な手法ですが、補強で対応できるケースもあります。
私たちが取り組む手法の一つが、「土地区画整理法」という法律の下で行う区画整理事業です。区画整理事業は、都市の基盤を整備し、良好な土地利用を促進する手法として「都市計画の母」とも呼ばれています。大和ハウス工業は土地と建物を扱って大きくなってきた会社ですから、その原点である区画整理事業については今後も長く取り組んでいきたいと考えています。
区画整理とは、地権者が、少しずつ土地を出し合い、それを基に事業費を捻出し、道路や公園を新たにつくり、土地の区画を整えて、良好な街づくりを行う事業です。こうした手法を活用して、いかにその時代に合った街づくり、もっと大きく言えば、時代にあった環境づくりをしていくかということになります。

たとえば、これは一つの事例ですが、都内で農地を持たれていた方が、将来を考えて区画整理をされたケースがありました。農地をお持ちの方は、やはり農地として換地されるので、当然営農を継続されます。しかし、いつでも宅地にできるような形にしてお返しすると、将来、相続するときも簡単に物納できますし、転用、有効活用、売却など、土地をどんな用途に使うにしても非常にやりやすくなります。さらに、ややこしかった筆界や権利関係もきれいになります。つまり、どのような環境の変化に対しても対応できるようにするわけです。

区画整理の活用によって、新たな時代のニーズに応え、街の再生を促す

以前の国の方針は、とにかく人を増やすために住宅地の大規模な開発を進めようというものでした。産業系の開発については条件が厳しく、住宅地の開発とのセットでなければ、なかなか認めてもらえない状況が長らく続いていました。
しかし、10年ほど前から、市街化調整区域内の工業団地や産業団地単体での開発も一定の要件の下で認められるようになり、大規模な区画整理手法を用いた物流団地も増えています。この背景にもやはり、人口減少による工場の移転やEコマースの増加など、産業構造の変化が関係しています。

近年、圏央道に代表される高速道路などの交通インフラも充実し、産業系の開発が増加しており、沿岸部に置いていた工場や物流センターなども、地震のリスクへの対応もあり、国としても沿岸部と内陸部を並行して整備していこうという動きが出てきています。
また、高速道路を整備する以上は、インター周辺の活用法も考えなくてはなりません。そうなると、産業系・流通系の施設の開発やテナント誘致など、大和ハウス工業の事業領域が大きく活かせるわけです。街をつくったり、道路や駅をつくったり、せっかく社会としてのインフラが成立しているわけですから、これを潰すようなことがあってはいけません。

今後は産業構造だけでなく、住まいに対する人々の概念や仕事の仕方も、どんどん変わっていくのではないでしょうか。
若い世代は、仕事を選ぶときにも、給与や組織としての安定性・将来性以上に、「その企業が自分の考え方と合うかどうか」を重視しており、たとえば「その企業がどんなCSRをやっているのか」といった項目も評価に含めていたりします。
今はIT環境が整備され、どこにいても仕事ができますから、今後は「二拠点居住」という住まいのあり方も一般化するかもしれません。
従来、きれいな街に戸建てが整然と建ち、近くに公園があって通勤にも便利、というのが理想の住環境とされてきましたが、今の若い世代は、周りに海や山や田んぼがある中で子育てできる住環境を理想的ととらえているかもしれないわけです。
そういったニーズへの対応も含めて、我々も柔軟に対応できなくてはいけないと思っています。その点、区画整理という手法はさまざまな課題に対応できますので、可能性は日本全国どこにでもあると思います。

さまざまな社会の課題がありますが、中でも人口減少については真剣に考え、取り組んでいかなければならないでしょう。
人口が減少すれば空き家が増えて不良ストック化していきますから、その周辺には人がなかなか住まなくなり、中心市街地や都市圏に人口が集中して二極化が進んでいくでしょう。
そうした傾向への対策として、大和ハウス工業では「団地再生」に取り組んでいます。ストックが不良化する前にリフォームを施し、住みやすい優良な住宅につくり変えて、若い方々に入っていただこうというわけです。
このように、状況が悪化する前に着手する大和ハウス工業の取り組みは、すでに全国規模で展開されています。各エリアにおける街の再生や再開発、区画整理、団地再生、ほかにも単純な建て替えなど、多様な手法を用いて、街が良い形で更新されるよう努めていきたいと考えています。

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