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コラム vol.430-4
  • 不動産市況を読み解く

これだけは知っておきたい土地活用の用語(4)土地と建物の権利に関する用語

公開日:2023/01/31

土地活用において「これだけは知っておきたい」用語シリーズの第4回目(全6回)。
今回は土地と建物の権利に関する用語を解説します。
土地活用とは、「先祖から受け継いだ土地」や「自身が購入した土地」に賃貸用物件を建築して貸す、もしくは土地をそのまま貸すことです。土地活用する際には、土地や建物の権利にはどのようなものがあるのか、知っておきたいものです。
今回は、「土地」や「建物」を活用(=使う、貸すなど)する際の権利について考えてみます。

土地(宅地)の類型

まず、土地(宅地)は以下のように、更地・建付地・借地権・底地に分類されます(不動産鑑定評価上では、その他に区分地上権がありますが、ここでは省略します)。
ここでいう「宅地」とは、住宅用地という意味ではなく、宅地地域にある土地で「現在建物が立っている、あるいは建物の敷地のために使われる」土地のことをいいます。

1)更地(さらち)

更地とは、建物が建てられておらず、使用収益を制限する他人の権利(賃借権や地上権など)などが付いていない宅地のことを指します。最高最善の使用方法(=最有効使用といいます)かつ自由に活用することができるため、以下の宅地の類型に比べて価値が高くなり、固定資産税も満額かかります。

2)建付地(たてつけち)

建付地とは、現在建物が建てられている土地のうち、その土地とその上にある建物の所有者が同一人であり、その建物が所有者により利用されている宅地をいいます。
現況の建物が当該宅地の最有効使用に合致しない場合は、土地の鑑定時に減価が発生することがあります。例えば、大きなビルやマンションなど並ぶ幹線道路沿いに建つ古い住宅の敷地などがこの例にあたります。こうした物件を所有されている場合などは、有効な敷地の活用を検討するといいでしょう。

3)貸家建付地

上記2のうち、土地所有者=建物使用者の場合は建付地ですが、建付地上の建物を他人に賃貸している宅地の場合は貸家建付地といいます。

4)借地権

「建物を所有する目的とする」地上権または土地の賃借権のことを「借地権」といいます。そのため、駐車場や堅固な建物がないような資材置場などの土地の賃借権は「借地権」ではありません。実物の土地ではありませんが、「土地を利用する権利」のことで、実物の土地のように、借地権を売買することができます。

5)底地

借地権が設定されている宅地のことを指します。底地を所有しているオーナーは、借地人に土地を貸すことで賃料をもらいます。

土地と建物の権利

土地に対する権利と建物に対する権利は、主に以下の3つに大別することができます。

  • 1:不動産を全面的に支配する権利である所有権
  • 2:他人の不動産の利用を目的とする権利である借地権や借家権など
  • 3:不動産を債権の担保とする権利としての抵当権など

このうち、3は金融機関などが、貸付(ローン)に対して設定するものですので、ここでは省略して1と2の権利について説明します。
「土地に対する権利」の主なものは、所有権と借地権です。

1)土地の所有権

所有権は、所有者が自由にその所有物を使用、収益、処分することができる権利です。土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下(地上と地下)までを含みます。また、所有権には、1つの物を単独で所有している場合と複数の人が共同で所有している場合(共有)があります。相続などで受け継いだ土地の場合、土地の所有権が複数の相続人による共有名義になっていることがあります。その土地を活用(売却等を含む)する場合、所有者全員の同意が必要です。

2)借地権

借地権は、借地借家法・旧借地法に基づき、建物所有を目的として土地に地上権を設定する権利または土地を賃借する権利です。
また、使用貸借権は、土地使用の対価を払わずに土地を利用する権利をいい、借地借家法、旧借地法で規定する借地権ではありません(したがって、借地借家法の保護を受けることができません)。

建物に対する権利

「建物に対する権利」にも所有権と賃借権があり、所有権に2つのタイプがあります。

1)建物一棟の所有権

建物の全体を所有する権利です。土地と同じように一棟建物を複数人で所有する場合は、共有名義となります。複数で所有権を持つ場合の建物を賃貸したり、売却したりする場合には全員の同意が必要です。

2)区分所有権

区分所有権は、建物の一部を専用使用する権利です。一般的な区分所有権の例としては、分譲マンションで、一棟の建物の各部分が構造上区分され、独立して住居などとして使用することができる場合は、その各部分(各戸)の専用使用する権利権を所有権の対象とすることができます。これを区分所有権といいます。

3)賃借権

賃料を払って建物を使用する権利を建物賃借権(住宅の場合は借家権)といいます。権利を持つことで、借り手が不当に退去要求などを受けないよう保護されます。

まとめ

土地活用を考える際に、自身が所有する土地や建物の権利がどうなっているのかは最初に確認すべきことです。
賃貸物件の運営において、権利関係は何より重要なことですので、土地活用をお考えのオーナーの方は必ず理解しておきたいものです。

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