大和ハウス工業株式会社

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[第13回ダイワハウス コンペティション]結果発表

審査委員講評

審査委員

青木 淳

2次審査に残った7案はどれもが、何を「過渡期」ととらえるかについて興味深い指摘があっただけでなく、何を課題ととらえるかが明確でした。最優秀の「Fragments of Secret Garden」は、今や堅固になりすぎた家の境界をもう一度緩くしようとする提案ですが、それに対しての直接的な回答内容以上に、シークエンシャルな実体験的視点とシンボリカルな俯瞰的視点を融合させようとする建築的奮闘が感じられたのが印象的でした。
「驢馬」は、物質的実体的体験以上にヴァーチャル体験がリアルになってしまった時代において、顧みられず、打ち捨てられ、荒廃する住環境を擬人化することで、そこに存在し得るかもしれない一抹の美しさを感じさせてくれました。「居心の家」は、ひとつのテーマを空間的変化と都市環境的変化の2側面から追求するアプローチが新鮮でした。

審査委員

堀部 安嗣

建築をつくるということは、矛盾を抱えながら、それでも覚悟を決めてひとつのかたちにしていく難しい仕事だと思います。その観点から見ると、今回は中途半端に見えてしまう提案が多かったという印象を受けました。しかし、それは今回の「過渡期の家」というテーマがいろんな意味で考えさせられる、よいコンペのテーマだったともいえます。最優秀賞となった「Fragments of Secret Garden」は、いろいろな矛盾を抱えながらも覚悟を決めてやり遂げた、圧倒的な仕事量と技術が評価され軍配が上がったのではないかと思います。終わってみれば、議論が難しかったからこそ生まれた有意義な審査会になったと思います。

審査委員

平田 晃久

「過渡期の家」という今回のテーマはさまざまな問いが絡みあっていて、議論としても白熱するところが多かったです。結果として私の中では最優秀賞と優秀賞の3つの提案はほぼ同評価でしたが、もっとも建築に真摯に向き合っていると感じられた「Fragments of Secret Garden」が最優秀賞になったのはよかったと思います。「居心の家」はアイデアはもっとも共感していましたが、提案としてはもっと詰められる部分があったのではないかと思います。「驢馬」は現代の建築に突きつけている危機的な状況を打破するための方法がメタファーにしかないのか、という思いはありますが、この問題は私自身も考えなければならないと感じました。とても難しい審査会ではありましたが、結果的にはとても意義深い議論ができたと感じました。

審査委員

南川 陽信

本当に難しい審査でした。ただ審査員の先生方の最優秀賞を選ぶ真摯な姿勢を改めて感じることができる審査会になったと思います。「過渡期の家」という難しいテーマでしたが、どの提案も着眼点が素晴らしかったです。ただその「過渡期」がどの段階の設定なのか、その先には何があるのか、まで突き詰められていなかったのが、どの提案も惜しいと感じました。普段は絶対ないことなのですが、最初の講評から途中で最優秀賞である「Fragments of Secret Garden」と優秀賞の「居心の家」の私の中での評価が入れ替わりました。これはそれだけ紙一重の評価だったということで、滅多に経験できない貴重な審査会になったのではないかと思います。

大和ハウス工業賞 特別審査委員

海北 滋

第9回から設けられた「大和ハウス工業賞」を授与するにあたり、大和ハウス工業のさまざまな設計部門の6名で審査を行いましたが、今回は過去の審査の中でももっとも難しい審査になったと思います。大和ハウス工業には住宅以外にさまざまな事業領域があり、われわれはそれらをボーダーレスに展開していくことを考えています。それを踏まえ今回は「ボーダーレス」を審査基準のひとつとさせていただきました。その中で賞として選んだのが「積もる地平線」です。空間的な垣根を取り払うことに加え、時間軸も含めた「地」の更新により街を「変化・進化」させていく。それが「人と人」、「人と自然」との関わりにも変化を生み出していくであろう可能性と希望を感じました。また、スクラップ&ビルドではなく、「活かし、変える」提案も含めて総合的に評価いたしました。

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受賞作品

最優秀賞

足立 真輝(etude design)

Fragments of Secret Garden

「まだこの住宅街でおのおのの家が庭と呼べるようなスペースを持っていた頃、幼かった私は家の庭の散策中に、一部が破損した隣家のブロック塀の隙間をすり抜けて、今まで来たことのない別世界の庭に迷いこんでしまったことがある。」
かつての住宅街では「境界」の概念が曖昧であり、それゆえ多少の欠陥が許容され、それは街の豊かさに繋がっていた。しかし次第に「境界」は厳密になり、住宅街の区画はさらに細かくなった。その結果、現在の住宅街はとても息苦しい飽和状態になっているのではないだろうか。そこで、現在を「境界」の過渡期と考えてみる。ひとつひとつの住戸で完結する庭ではなく、幼い頃に体験したような庭から庭へ散策していくような感覚を取り戻すため、コンクリートブロックの境界壁を街区内に複雑に編み込むことで、住戸間の境界領域を曖昧にし連続した不定形な庭をもった街区を提案する。街区というひとつの大きな庭がブロック塀という共有壁によって緩やかに分節されることで、これまでの住宅街の風景を継承しながら新たな住宅街の風景を構築していく。
(プレゼンテーションより抜粋)

青木淳
「庭」を「切断不可能な他者」として定義したうえで建築について真摯に考えようとしている。その先がどうなるかまでは見えてこなかったが、可能性は感じた。
堀部安嗣
今回の提案の中ではもっとも現実的な提案であり、説得力を感じた。しかし、境界を崩した先にある可能性までは見えてこなかったので、訴えかける部分がもっとあるとよかった。
平田晃久
庭をリテラルに定義しているが、もっと具体的に説明した方が提案のよさが伝わったのではないかと思う。また、屋根の形態など建築の提案の部分でいくつか疑問は残った。
南川陽信
「境界」を過渡期としてとらえるという視点が新鮮だった。提案についても現実性があり、自分ならこのように提案するというイメージができるという点がよかったと感じた。

Fragments of Secret Garden <PDF:761KB>

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優秀賞

下田 直彦(カナバカリズ)

驢馬

情報空間が発達したことにより、もはやスマートフォンは単なる情報端末ではなく空間の端末とまでも言えるようなものになっている。人びとは朝起きてスマホを見て、家に帰って夕食を食べながらスマホを見て、寝る。人びとの注意は常にスマートフォンに向いており、住人は家を意識することがなくなり、住宅は住人不在の状況になっているとも言える。それはもはや「廃墟」と呼べるような状態ではないだろうか。そんな建築・住宅の危機である現代において実空間としての住宅がどのような変遷を迎えるのか、それが過渡期のテーマである。住宅が住民に奉仕する労働力としてつくられた「驢馬」というこの住宅はこのディストピア的状況に応答してつくられた住人不在の空間を持つ建築である。この住宅は過去・現在・未来を肯定も否定もしないが、もしかしたらこの「驢馬」を経てディストピアがユートピアに転化する時が来るかもしれない。
(プレゼンテーションより抜粋)

青木淳
「今後インフラが不要になっていくことで既存インフラが廃墟化していく」、というのは、今までの廃墟とは違うイメージを生み出す可能性があって、そこに興味を持った。
堀部安嗣
住宅において変わらない部分も示した方がもっと提案が分かりやすくなったのではないか
平田晃久
提示している問題意識は共感できるが、メタファーに頼りすぎている印象を受けた。
南川陽信
インフラからの解放が自立性を得るための建築の過渡期ということが理解しづらい。この先に何があるのか。

驢馬 <PDF:1.14MB>

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優秀賞

佐藤 晋平(フリーランス)
武井 良祐(ii)

居心の家

西山卯三による寝食分離論が提唱されたのは70年以上前になるが、私たちは現在でもその延長であるnDKの概念に基づいた家に住んでいる。しかし、シェアハウスや職住一体など変わりゆく現代の生活にそのnDKという考え方はそぐわなくなっているように思える。そこで、「寝る」ということに着目し、ネコのように居心地のよい場所を見つけて自然と寝てしまうような、「寝室のない家」を提案する。稼働率の低い「寝室」という空間をなくすことで、たとえば廊下を大きくして寝る場所を設えたり、住宅の規模が小さくなり庭や中間領域などもっと豊かに生活できるような場所ができ上がる。「寝る」という人間の根源的な欲望を改めて考えていくことで建築や都市は進化していくのではないだろうか。
( プレゼンテーションより抜粋)

青木淳
「寝る場所」をなくしてみる、という部分は共感できるが、提案のアウトプットに疑問を感じた。
堀部安嗣
発想、問いかけはよいと思う。ここから「建築的な魅力」に繋げてほしい。
平田晃久
欲望が建築を進化させる、そしてその欲望の対象として「寝る」という行為を設定した、という部分が面白い。それによって都市が組み替えられていくというイメージを上手く提示できていればよかった。
南川陽信
大切な「寝る」行為のための部屋をなくしてよいのか。もっと突き詰められた提案になっていたらより面白くなっていただろう。

居心の家 <PDF:449KB>

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入選 大和ハウス工業賞

廣田 竜介(日本設計)
田中 健人(フリーランス)
藤関 利光(奥村組)

積もる地平線

私たちはこれまで大地を耕し、農業を行い、作物を得る、基礎を打って建物を建てるなど「地」に基盤をおいて暮らしてきた。しかし、「地」を「土地」(低層部の需要増加による空室率の上昇)、「地面」(グランドレベルに依存した建築空間のあり方)、「大地」(自然環境との断絶)の3つの視点でとらえると「地」は今過渡期を迎えている。そこで長い年月をかけて都市の隙間に大地を積層させていくことで「地」を街のインフラとして成立させ「地」との新しい関わり方を提案する。積層された大地が街を立体的に繋ぐことで空室率の高かった上層階の活性化、農業などのアクティビティ、立体的な動線などを生み出し、「地」を介した新しい暮らしを実現する。
( プレゼンテーションより抜粋)

積もる地平線 <PDF:860KB>

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入選

神門 侑子(東京理科大学)
三武 良輔(東京大学公共政策大学院)

(ファスト+スロー)ハウス ~働き方の過渡期から~

忙しく働く東京の人びとから、精神的な充足をもたらしてくれるスローライフが注目を浴びている。しかし土地の所有や金銭的な問題から忙しく働くファストライフと自分たちのペースで過ごすスローライフの両立は難しい。そこで、ひとつの敷地にファストライフに対応した効率的な住居である「ファストハウス」と週末にスローライフを送ることができる「スローハウス」を、動線を分けることで共存させる住居を提案する。所得向上や経済成長を目指して働き詰めたかつての社会に対して、それらが見込めなくなった現在の社会では自己成長が重視される。そんな働き方の過渡期である時代に向けた新しいライフスタイルを実現するための提案。
(プレゼンテーションより抜粋)

(ファスト+スロー)ハウス ~働き方の過渡期から~ <PDF:912KB>

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入選

田代 祐一(フリーランス)

連なる屋根の下で、-農地を継承し、用水路を生む郊外住宅の提案-

食の安全性や子供への教育的観点など都市生活者から農業への注目度が高まっている。また将来的な働き方の変化により、多様な農業への関わり方が生まれるのではないか。そこで、都市からほど遠くない郊外にある田んぼに住まう新しい郊外住宅を提案する。宅地が運河や道路に沿って連なる形態である列村に倣い、田んぼに沿ってカフェやレストランなどのさまざまなプログラムを含み屋根が連なるようなデザインとする。将来的に人が住まなくなった時にはこの建築は水路へと転用することもできる。農業への意識や労働形態が変わりつつある今、「郊外住宅の建ち方」は過渡期と言えるのではないだろうか。多世代が「農ある暮らし」を送りながらまちと繋がり、農地を継承していくための住宅の提案。
( プレゼンテーションより抜粋)

連なる屋根の下で、-農地を継承し、用水路を生む郊外住宅の提案- <PDF:805KB>

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入選

柳原 逸聖(神戸芸術工科大学大学院)
井上 雅也(神戸芸術工科大学)

YOU TUBERの家

インターネットの登場により個人の評価が可視化されるようになった。その影響により、現代の若者の周辺は物質的な充足ではなく、より多くのフォロワーに囲まれ愛されることを求める「評価経済社会」と呼ばれる社会が生まれつつある。中でも、動画を公開・発信することで広告料により自身の生活を確立させるYOU TUBERは中学生の「将来なりたい職業」にランクインするほど存在が認知されるようになっている。YOU TUBERにとって必要なのは全世界のフォロワーとそのフォロワーが喜ぶ動画をつくるための空間を創造する場所である。そこで、これまでにない価値観をもつ彼らのための住宅を提案する。この住宅は彼らが使用した道具(はしご、滑り台……)が積み上げられていくことで成長していく。彼らが成功すればするほど成長していくこの住宅は「貨幣経済社会」ではない新しい社会のあり方への橋渡しとなっていく。
(プレゼンテーションより抜粋)

YOU TUBERの家 <PDF:992KB>

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佳作

OH JONGMIN(関西大学大学院)
谷 直輝(関西大学)

結楼 グローバル社会において、外国人と街を融和させる住環境の提案

これまで日本の住宅は社会的背景やライフスタイル、技術の発展に応じて姿を変えてきたが、これから目指すグローバル社会においての住まいの環境はどうなるのだろうか。そこで外国人が街に融和することができるような建築を提案する。敷地は大阪の上町台地に位置する寺町・夕陽丘。さまざまなヴォリュームと多方向からのアクセスが可能な道、大きな屋根で構成された舞台建築を建てることで、既存の街のよさを発見し、日本人と外国人が交流できるパブリックスペースをつくり出す。 (応募案より抜粋)

結楼 グローバル社会において、外国人と街を融和させる住環境の提案 <PDF:1.10MB>

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澤江 隆志(神戸大学大学院)

公を纏(まと)う住宅

社会全体が成長・拡大から成熟・縮退へとフェーズを移して以降、公共のあり方が問われ続けている。都市化が進む前の住宅には家族以外の人を内包する「開くことによるローカルな公共性」が存在していた。しかし細分化され閉じられた現在の住宅には「公」を内包する懐の深さはない。そこで服を羽織るように「小さくてローカルな『公』」を纏った住宅が集まることにより生まれる新しい公共性を提案する。ふたつの四角錐で構成された住宅の集まりは居心地のよいコモンを形成し、濃度にムラのある「公」を生み出していく。 (応募案より抜粋)

公を纏(まと)う住宅 <PDF:990KB>

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伊藤 翔治(東京理科大学大学院)
野島 歩月(東京理科大学大学院)
笠原 優一
(東京理科大学大学院)

室を受け継ぎ戸になる家

戦後、核家族を前提に生まれた「nLDK型住宅」の概念は、各部屋を分離し、住まい方を固定したことで、多様な現代社会を許容できなくなっている。家族形態や生活様式の変化に対応できなくなり戸建て住宅やnLDK型住宅が過渡期を迎えている今、多様な世帯構成を受け継ぎ、柔軟に許容できるサスティナブルな住宅が必要ではないだろうか。そこで状況によって柔軟に変化することが可能な「ひとつの室がひとつの戸になることができる戸建て住宅」を提案する。多様な暮らしを許容する器となった住宅に暮らしを集積させ、住まいの歴史を継承する街が形成される。(応募案より抜粋)

室を受け継ぎ戸になる家 <PDF:1.10MB>

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瀬島 蒼(横浜国立大学大学院)
仙田 諭史(早稲田大学大学院)

砂岩の家

旧日本海軍の要塞都市であった横須賀の谷戸地域は、緊急時にいつでも軍港に駆けつけられるよう、本来人が住めないような急斜面地を軍人自らが段々状に整形してできた街である。これを可能にしたのが砂岩という掘りやすく崩れにくい地質であり、「砂岩という環境的条件」×「軍人という人間的資質」によって段々状の街が形成されてきた。一方で現在の横須賀は郊外ベッドタウンとしての開発が進み、生活に不便な上の方は人が住まなくなり限界集落化している。それらは経済的にほとんど価値のない場所となっている。そこでそれを逆手に取り、「掘る」という行為によって谷戸全体をひとつの住宅として計画していく。どこまでが住宅か分からない新しい「大きさの住宅」の提案である。 (応募案より抜粋)

砂岩の家 <PDF:877KB>

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井手 駿(日建ハウジングシステム)

住宅が育てる住宅

住宅は、その機能を失えば建て直すスクラップ&ビルド時代を経て、耐用年数の異なるスケルトンとインフィルとを別で考えるSI住宅の考え方が生まれ、サステナブル時代となってきた。しかし、自然エネルギー利用は近年発展を見せているが、太陽光パネル、地熱利用などに留まり、それは自然エネルギーを人間の使いやすいエネルギーに強制的に変えているに過ぎない。住宅が環境から断絶するツールである以上両者の関係はこれ以上改善されない。もし自然要素そのものを建築に取り込み、人が自然を活用し、貢献する関係が維持されれば環境と共生する住宅になるのではないかと考えた。 (応募案より抜粋)

住宅が育てる住宅 <PDF:980KB>

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比佐 諒斗(東海大学大学院)
渡邊 健太(フリーランス)
増田 果子(東海大学)
寳 優樹(フリーランス)

今日はだれのおとなりさん?

人は、世界中のどこかで他人と繋がるインターフェース=仮想空間(SNS)を手放すことはなく、私たちの暮らしは、常に多様性を生み出し、自由自在にかつ簡易的に、他者との距離感を構築することが可能になった。しかし物理的な「家」では、人びとの生活は完結しており、身動きを取ることができない。そこで床と壁を移動させることで、人と人の距離感が常に変化する建築を提案する。家という物理的な制限から解放されることで、家族というコミュニティ単位を越えた擬似的家族のような関係が住人同士で構築されていく。 (応募案より抜粋)

今日はだれのおとなりさん? <PDF:1.00MB>

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小野 良希(日本大学大学院)

-Epicenter as a real space in the suburbs-

デジタルファブリケーションの発展により生産者と消費者の概念が大きく変化してきており、日常生活にも大きな変化をもたらす可能性を秘めている。また新しいビルディングタイプとしてFabLabと呼ばれるものつくり空間が登場し始めている。しかし、FabLabが立てられるのは都心に偏ってしまっている。そこで郊外住宅地に住宅とFabLabを複合させたエピセンターを提案する。この建築は現代の情報化に対応した新しい施設として住宅の新たな価値、郊外の新しい集まり方・住み方をつくり出していく。(応募案より抜粋)

-Epicenter as a real space in the suburbs- <PDF:891KB>

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大久保 憲一(芝浦工業大学大学院)
神崎 潤(芝浦工業大学大学院)

Villa in newtown

縮小時代の入口である今日において、空き家率は増加し、住宅は供給過多となっている。特に1970年代につくられたニュータウンでは、空き家率の増加が加速すると考えられる。戦後に建てられた、変化を恐れ、時を止め、ノイズをひたすら排除した工業品である「完結住宅」が空き家という完結性を欠いたものとなって街に広がり始める。そこで、ニュータウンの空き家を個人所有の別荘として転用することを提案する。空き家や廃墟のノイズ(植物・虫・雨)を含んだ特有の空間性を保存しながら改修することで、人びとの街への視線に変化をもたせるきっかけを与えるような住宅を考える。 (応募案より抜粋)

Villa in newtown <PDF:908KB>

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丸山 航(東京理科大学大学院)

大地の長屋

私たちは、大いなる自然と共に暮らしてきた。たとえば斜面地においては、掘削して洞窟をつくったり、雛壇状に造成を行ったりしながら自然と向き合ってきた。そうしてつくられる人工地形は、都市における第3の地形と言えるだろう。しかし、近年私たちは、自然を制御することに主眼を置き、建築優位の建ち方となっているのではないか。本来の自然の風景と調和する、新たな関係性を築く必要性がある。人間との暮らしの中で更新される地形を過渡期ととらえ、斜面を耕しながら大地に寄り添う建築を考える。 (応募案より抜粋)

大地の長屋 <PDF:782KB>

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鶴田 航(東京藝術大学)

所有区分の過渡期

産業体系、法律、建物、人間などさまざまな主体のそれぞれのタイムスケールがズレはじめ、家々は過渡期を迎えている。そこで植物からマテリアルまでさまざまな主体をフラットにとらえ、複数の主体を重複させることで、スクラップアンドビルドを前提とした再開発と、既存の文脈に基づくリノベーションの間のような、来るべき変化の下準備のようなものとして機能する、アーティストインレジデンスを考えた。 (応募案より抜粋)

所有区分の過渡期 <PDF:680KB>

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第13回ダイワハウス コンペティション