大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

環境トップメッセージ

環境トップメッセージ

環境長期ビジョンを改定。内容の拡充と2030年目標を明確にし、環境と企業収益の両立を実現します。

常務執行役員 技術統括本部副本部長 環境担当 佐々木 幹雄

SDGsへの貢献 3:すべての人に健康と福祉を 6:安全な水とトイレを世界中に 7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに 11:住み続けられるまちづくりを 12:つくる責任つかう責任 13:気候変動に具体的な対策を 15:陸の豊かさも守ろう

環境長期ビジョンの拡充と注力すべき「7つのチャレンジ・ゼロ」を設定、2030年のマイルストーンを明確化

2020年10月に、わが国は「2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする)、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言し、同年12月には経済産業省が「グリーン成長戦略」を策定しました。世界に目を向けると、米国が2021年1月に「パリ協定」に復帰、温室効果ガスの主要排出国による首脳会議を開催。中国も2020年に「2060年にCO2排出を実質ゼロにする」と脱炭素目標を表明するなど、パリ協定において努力目標とされた「1.5℃目標」が世界的な潮流になりつつあります。さらに、国際的に持続可能なよりよい社会を目指す目標として掲げられた「SDGs」では、気候変動や生物多様性などの環境問題は取り組むべきゴールのひとつに設定され、ほかのゴールとも密接に関係する重要な課題となっています。そのため、近年は企業経営や投資においても環境問題の重要性が高まっています。

当社グループは、これらの状況をふまえて、環境を事業機会にもつながる戦略的な経営課題として位置づけ、積極的かつ計画的に取り組みを推進しています。私たちは、2021年、創業100周年を見据えて2016年に策定した環境長期ビジョン“Challenge ZERO 2055”の改定を行いました。この改定では、重点テーマの内容の拡充を図るとともに、今後注力すべき「7つのチャレンジ・ゼロ」を新たに設定しました。また、2055年の達成を目指す究極のゴール(「気候変動の緩和と適応」は2050年カーボンニュートラル)に加え、このゴールを実現するための2030年のマイルストーンを明確にしました。特に、最重点テーマに掲げている「気候変動の緩和と適応」に関する省エネ・再エネの2030年目標は大幅に引き上げを行い、取り組みを一段と加速させていきます。

自社の脱炭素化で得たノウハウを商品・サービスに展開、好循環を生み出す

当社グループでは、商品と事業活動の両面から脱炭素への取り組みを進めています。まず事業活動においては、2018年にEP100、RE100、SBTという3つの国際イニシアティブに参画、野心的な目標を掲げ、取り組みを加速させています。使うエネルギーを徹底的に効率化する省エネ活動には従前から取り組んできましたが、EP100への参画を機に新たに「自社の新築施設のゼロ・エネルギー化」を進めています。建物は一度建てると数十年にわたり、使い続けます。そのため、新築時にいかに高い省エネ性能を確保するかが重要です。新設する自社施設は原則ゼロ・エネルギー化する方針を定め、オフィスをはじめ、店舗や物流施設など、多様な用途建物でのゼロ・エネルギー化を推進しています。

ただ、それでも必要なエネルギーは再生可能エネルギーで賄おうとRE100への取り組みも進めています。しかし、日本の再生可能エネルギー比率は低く20%にも満たないのが現状です。そのため、今ある再生可能エネルギーを社外から調達するのではなく、再生可能エネルギーを自らつくり、量の拡大にも貢献しながら再生可能エネルギー100%を目指したいと考えています。「再エネをつくる」という観点では、2020年度、「DREAM Solar 富山魚津観音堂(5MW)」など、全国49ヵ所で大型太陽光発電所を開発・稼働し、再生可能エネルギーによる発電量が当社グループの利用する電気使用量を初めて上回り、2030年の目標を10年前倒しで達成しました。一方、「再エネをつかう」という観点でも、こうした当社グループの再エネ発電所由来の実質再エネ100%電気を、全国の事務所や住宅展示場、施工現場、工場などで本格的に導入を開始。グループ内で再生可能エネルギーによる自給自足の実現を目指した取り組みを進めました。

引き続き、このような省エネの推進と再生可能エネルギーの利用拡大により、当社グループの温室効果ガス排出量を削減していきます。

これらの考え方を具現化した当社グループの新築建物が、2021年9月に開所予定の日本最大級となる研修施設「みらい価値共創センター」です。この施設は、「風・光・水を採り入れた自然を感じる研修施設」をコンセプトに設計されており、自然を上手く取り入れることでエネルギーの使用を抑えZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)対応とするとともに、生物多様性にも配慮し、米国のグリーンビルディング協会が認証する「LEED」(環境関連)をはじめとするさまざまな環境関連認証を取得予定です。また、屋根に設置した太陽光発電による電力を自家消費し、それでも必要な電気は当社グループの再エネ発電所由来の実質再エネ電気を活用し、再エネ100%を実現する計画です。

一方、こうした事業活動における脱炭素化で培った技術やノウハウを商品に活かして、社会への実装を進めています。なかでも、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEBの開発・普及に注力するとともに、近年、頻発・激甚化する気象災害などに対応する戸建住宅商品「災害に備える家」を発売。この商品は、全天候型3電池連携システムを搭載することで、雨天でも約10日間の電力供給および暖房・給湯を確保できます。また、建築系商品では事務所や工場、物流施設など多様な用途に対応した環境配慮型建物「D’s SMARTシリーズ」を発売しています。さらに、再生可能エネルギー電気100%のまち「船橋グランオアシス」(千葉県)など、当社グループの総合力を活かした複合型のまちづくりを全国で展開しています。

このように、当社グループでは自社施設を活用し、お客さまに環境配慮建物のよさを知っていただくことで、事業活動と商品・サービスの好循環を生み出しています。


「DREAM Solar 富山魚津観音堂」(富山県魚津市)


大和ハウスグループの研修施設
「みらい価値共創センター」(奈良県)


再生可能エネルギー電気100%の大規模複合開発「船橋グランオアシス」(千葉県)

環境と企業収益の両立を目指し、挑戦し続ける

当社グループでは、「環境と企業収益の両立」に向けて「ライフサイクル思考に基づくグループ・グローバル一体での環境経営の推進」に取り組んでおり、環境行動計画「エンドレス グリーン プログラム2021」(2019~2021年度)で進捗管理を行っています。この「エンドレス グリーン プログラム2021」の重点方針のうち、2020年度の主要な実績をご報告します。

まず、重点方針1「SBT・EP100・RE100の実現に向け、商品と事業活動の両面から“脱炭素”を推進」の商品における脱炭素については、2020年度実績がZEH販売率58.0%、ZEB販売率39.6%となり、目標を達成しました。これは、戸建住宅事業において新たに「xevo ADVANCE(ジーヴォアドバンス)」などを発売し、ZEH標準対応商品の拡充を図るとともに、ZEH提案体制を強化したためです。また、事業施設事業や商業施設事業においては社内教育や、社外向けZEBセミナーの開催をオンラインにて実施することでZEB提案を強化。大型物流施設のZEB率が向上したことで、目標を達成しました。事業活動における脱炭素については、売上高あたりの温室効果ガス排出量が39.3%(2015年度比)削減、エネルギー効率1.46倍(2015年度比)、再生可能エネルギー利用率8.5%、再生可能エネルギー発電率133%となり目標を達成しました。これは、継続的な省エネルギー活動の推進と再生可能エネルギーの活用に取り組んだことに加え、コロナ禍の影響でリゾート施設などの稼働率が低下したためです。


創業100周年の2055年に売上高10兆円達成と
環境負荷ゼロの実現を目指す

次に、重点方針2「サプライチェーンにおける環境リスク低減に向け、win-winの取り組みを協働」については、主要取引先の温室効果ガス削減目標設定率が80.4%となり目標を達成しました。これは、サプライヤーの皆さまと脱炭素ワーキンググループや脱炭素ダイアログを行い改善が進んだためです。このような取り組みが評価され、2021年2月にCDP「サプライヤー・エンゲージメント評価」において最高評価に2年連続認定されました。

重点方針3「事業競争力の向上に向け、環境配慮商品・サービスの開発・普及を推進」については、環境貢献型事業売上高が12,564億円となり目標を達成しました。これは、ZEHやZEBの普及拡大、再生可能エネルギーの売電事業や緑化事業、省エネリフォーム・リノベーションなどの事業による売上高を集計したもので、環境に貢献するとともに事業競争力向上と売上高の拡大を図る指標として、活用しています。また、広い事業領域をもつ当社グループの強みを活かし、複合開発において環境配慮に加えて災害に対するレジリエンス(回復力・復元力)を備えた、新しいまちづくり「コ“Re”カラ・シティ」構想の具現化にも取り組んでいます。


CDP「サプライヤー・エンゲージメント評価」
において最高評価に2年連続認定

重点方針4「環境ブランド・ESG評価の向上に向け、戦略的な環境コミュニケーションを推進」については、本レポートや統合報告書、Webサイトなどを通じて積極的に情報開示を行うとともに、機関投資家やESG評価機関との対話を継続して実施。これらの取り組みが評価され、第2回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」の環境サステナブル企業部門において銅賞を受賞しました。

重点方針5「環境経営の推進に向け、グループ・グローバル一体での環境マネジメントを強化」については、環境経営を推進する人財が重要であるとの考えから、eco検定の受験を推進しました。その結果、eco検定合格者数が11,818名となり目標を達成しました。

今後も、当社グループは環境長期ビジョンの実現を目指して、環境と企業収益の両立に挑戦し、サステナブルな社会づくりに貢献していきます。


第2回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」の
環境サステナブル企業部門において銅賞を受賞

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