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コラム No.107

CREコラム・トレンド

増加する家賃保証会社の利用

公開日:2020/09/30

120年ぶりの大幅改正となった民法が今年4月に施行されました。賃貸借契約における連帯保証人制度の内容が変わったことで、賃貸経営のオーナーの間で家賃保証サービスの導入が増加しており、保証や決済を得意にしている信販会社も成長分野として家賃保証に注力しています。

連帯保証人が負うべき保証限度額を明記

今回の民法改正における不動産賃貸契約の最も大きな変更は、連帯保証人が保証する場合、その限度額を設定するようにした点です。部屋を借りる際、賃貸契約では通常保証人を付ける必要がありますが、部屋を借りた人が何らかの事情で賃貸料を支払えなくなったときには、保証人がその額を弁償する決まりになっていました。

今回の法改正では保証人に対して弁償を請求する額を、賃貸契約時にあらかじめ決めておくことになりました。知り合いだから、我が子だからと気軽に保証人に名を連ねていたことが災いし、家賃の長期滞納が生じて多額の弁償金を支払って生活が困窮するようなことが起こらないよう、保証人の保護を強化する狙いです。
限度額は法律上決まっていません。しかし、あまりに高額であれば、連帯保証人の成り手はいなくなってしまいます。賃借人と賃貸人の双方が折り合える額を設定することが望ましいとされています。
また連帯保証人に対して、部屋を借りた人は財産状況などを提供することが義務付けられました。借りる人の財産状況を見て保証人になることを承諾するかどうかの判断材料にするためです。また、借りている人だけでなく、保証人が情報提供を求めたときは、家主に対しても借りた人の家賃の支払い状況をつぶさに回答するよう義務付けました。家賃の滞納が長引いてしまうなど、被害の拡大を防ぐ意味もあると思われます。

信販会社の成長分野になっている家賃保証ビジネス

アパートやマンションを借りる際、保証人を付けるのは面倒なものです。通常は両親や知人などに依頼しますが、依頼する人がなかなか見つからない人も少なくありません。また、親兄弟とは距離的に離れていて、何かと頼みにくい人もいます。

そのような場合に近年利用が増えているのが、信販会社などのクレジット業者をはじめ多くの業者が参入している家賃保証サービスです。信販会社などの賃貸保証会社が保証人になり、家賃も立て替え払いするので、賃借人にとって利便性が高いだけでなく、万が一の家賃滞納時には賃貸保証会社が弁済するので、オーナーにとっても安定した賃貸経営を維持できるメリットがあります。入居者は賃貸保証会社に毎月保証料を支払う必要はありますが、保証人の選定で頭を悩ますことから解放されます。

今回の法改正で、保証人に対する情報提供などの事務処理が加わったこともあり、信販会社では家賃保証の取扱高が伸びています。
賃貸保証会社による家賃保証ビジネスが拡大する背景には、今回の法改正では個人の保証人を対象にしている点にあります。個人が保証人になる場合、保証範囲となる限度額を事前に明記していない契約書は無効になり、オーナーは弁済請求することはできません。
しかし、今回の限度額設定において保証会社は適用対象外です。つまり、専門業者の家賃保証サービスを導入していれば、これまで通りオーナーは無制限に(保証会社に)保証請求することが可能になるというわけです。このため、家賃保証サービスを付けて賃貸契約するオーナーが今後増加するのではないかとの見方が広まっているのです。

オーナーの強い味方だが一部ではトラブルも

賃借人よりもオーナーにとってメリットが多い家賃保証サービスですが、トラブルも指摘されています。家賃滞納などのリスク回避の観点から、賃貸契約において個人の保証人ではなく保証会社の保証を借りる条件にしている物件が増加し、確実に賃貸料を支払い続けている入居者にとって、保証料は無駄な出費にもなりかねません。
家主の側から見れば、家賃保証会社は未払いの家賃を必ず補てんしてくれる味方ですが、一部の業者はそうした点を悪用し、信用力のある入居者に対しても本来は不要な保証料を徴求しているというのです。

国土交通省の調査によれば、2010年と2018年の比較で、連帯保証人だけを求めるケースは57%から18%と激減する一方、保証会社を利用するケースは39%から62%と増加しています。中には個人の連帯保証人と保証会社の両方を付けるよう求めるケースもあるとされ、2か月程度の滞納で立ち退きを強要するような行き過ぎた行為もあるようです。
国はこうしたトラブルを防止するため、2018年に賃貸住宅管理業者登録制度を創設し、業界の正常化に乗り出しました。ただ、登録は任意で保証会社の取り立て行為は効率上の規制がなく、一定のルールつくりが求められています。家賃保証は比較的新しい事業分野で、保証会社の団体も乱立気味です。オーナーにとっては強い味方である反面、入居者の信用力を業者に丸投げした結果、トラブルが発生するのでは、本末転倒になっていましますので、慎重な保証会社選びが求められるのではないでしょうか。

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