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コラム No.43

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新たなまちづくり手法「スマート・プランニング」とは

公開日:2017/11/30

平成29年7月、国土交通省都市局都市計画課都市計画調査室は、新しい都市計画の手法として、「スマート・プランニング実践の手引き(案)」とりまとめました。
この内容をもとに、都市開発・まちづくりの新たな手法であるスマート・プランニングについて紹介します。

スマート・プランニングとは

スマート・プランニングとは、個人の行動データをもとに、歩行や自転車、車などの回遊行動をシミュレーションすることで、施設の配置やまちづくりをプランニング(計画)する手法のことです。
現在、個人の行動データとして、スマートフォンやGPSロガ-などからのGPSデータ、民間企業によるスマートフォンアプリ等で取得されるビッグデータやWi-Fiによるログデータ等、さまざまなデータがあります。 そして、このようなきめ細かい行動データをもとに、交通関連データなどを組み合わせ、現在の人の回遊状況を把握したうえで、仮の施設やイベントを設定し、回遊行動のシミュレーションを行います。そのシミュレーション結果にもとづいて、計画した各施策での回遊行動の変化を評価・検証し、最適な交通システムや施設、動線づくり、実施すべきイベントなどを計画する、これがスマート・プランニングです。

スマート・プランニングが生まれた背景

なぜスマート・プランニングが生まれたのでしょうか。
ひとつには、少子高齢化、人口減少に伴うコンパクトシティ化が望まれるなか、従来よりもさらにきめの細かい、細部にわたった計画が必要となってきたことがあげられます。自治体の財源は縮小傾向にありますから、そのためには、実際に駅周辺や人が集まる拠点においてどのような人の回遊が見られるのか、道路空間は効果的に活用されているのか、歩行者や自転車を利用する環境は適切か、などといった、区域における詳細な人の動きを把握する必要があります。
また、今日、スマートフォンのGPSデータや交通系ICカード、ETCカード、Wi-Fiアクセスポイントデータなど、全国のあらゆる場所で、24時間365日、取得されるビッグデータがあります。
こうしたデータを活用することで、より詳細な人の動きを収集、分析することが可能になったのです。

従来の計画方法との違い

自治体の公民館、図書館等の教育関連施設や、医療福祉施設等の立地を検討する場合、地図上で人口の分布や密度、交通の利便性などを考慮しながら、地域内にある自治体が保有する空き地のなかから立地場所を選定するというのが、従来の一般的な手法でした。
しかし、この方法では、本来どの場所に建てるべきなのかという観点からの計画手法として十分ではなく、選定した場所が本当に最適地だったのかを検証することは不可能でした。
スマート・プランニングでは、ビッグデータを活用し、個人の行動特性を把握したうえで、施設配置や道路空間の配分をシミュレーションし、そのときの「歩行の距離・回遊予測」「立ち寄り箇所数」「滞在時間の変化」などのデータを見ます。その結果を受けて、最適な施設の立地を検討するわけです。

スマート・プランニングを活用することで、これまでの主観的な経験と勘に頼ることなく、データに裏付けられた共通認識を持ったうえで、最適な施設立地を検討することができます。また、計画を地域住民に説明、提案する際にも、具体的なデータを示すことができるため、地域住民にとっても分かりやすくなります。

現在、各自治体において、平成26年の都市再生特別措置法の改正により導入された「立地適正化計画の策定」が進められています。立地適正化計画とは、自治体がコンパクトシティ化を推進するために、都市誘導区域や誘導施設を計画することが主な内容ですが、その際に、このスマート・プランニングの手法が大いに役立つのではないかと期待されています。

スマート・プランニングの一例

「スマート・プランニング実践の手引き(案)」では、いくつかの事例が紹介されています。まず、ひとつの事例として、新しいショッピングセンターと古くからある百貨店という、2つの拠点を結ぶ通りの魅力を高め、回遊性を向上させたいという課題がある場合、下図のように、2つの拠点の中間地点に「仮想のオープンカフェ」を設置。収集したデータを活用して人の回遊や活用状況のシミュレーションを行うことで、このような施設が有効かどうかを確認することができるわけです。

また、福祉施設の最適な配置シミュレーションを行いたい場合、仮に歩いていける距離に設置し、高齢者がどのように動くことが可能なのかをシミュレーションしてみるといったプランニングが可能になります。

出典:国土交通省「スマート・プランニング実践の手引き(案)」

ビッグデータの活用に関しては、様々な応用例が次々と考え出されていますが、都市計画・まちづくりにおいても、今後、有力な手法となることは間違いないでしょう。

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