カ行
- 回復期リハ
- 平成12年4月の診療報酬改定により設置された急性期を脱し、在宅復帰を目指す病棟。リハビリテーションにはおおむね、発症後早期に行う「急性期リハビリテーション」、急性期病棟からの患者を受け入れる「回復期リハビリテーション」、「維持期リハビリテーション」、そして「予防的リハビリテーション」があります。
- 回復期リハビリテーション病棟
- 発症後、早期に行う急性期から、身体機能の回復をはかるために回復期におけるリハビリテーション訓練を行うための専門病棟。
- 介護報酬
- 介護保険制度において、サービス事業提供者や介護保険施設が介護サービスを提供した場合、または居宅介護支援事業者が居宅介護支援を行った場合に、その対価として支払われる報酬。医師に支払われる医療保険における診療報酬と同様のものです。
- 介護記録
- 多数の介護者などが要介護者に関わる情報を共有、協力してより質の高い介護サービスを効率よく行うために必要な、定型化された記録。「利用者台帳」や「寮母日誌」「介護記録」「ケース記録」など書式によってさまざまな名称がついています。
- 介護支援専門員
- ケアマネージャーともいいます。要介護者が自立した日常生活を送れるように必要な援助に関する専門的知識と技術、資格のある人。要介護者からの相談に応じ、その要介護者の心身の状況に対して適切な居宅サービス、施設サービスを受けられるように市町村や事業者との連絡調整を行う。介護支援専門員は介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、介護支援専門員実務研修を修了した証明書の交付を受けなければなりません。
- 介護保険事業計画
- 市町村が、介護保険に関わる保険給付の実施をスムーズに行えるように基本方針に基づいて定めた計画。「市町村介護保険事業計画」と「都道府県介護保険事業支援計画があり、計画は3年ごとに定められます。
- 介護保険事業支援計画
- 市町村の介護保険事業計画を支援するための都道府県の計画で、目的は介護保険に関連する保険給付の円滑な実施をはかるためのものです。
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 原則として65歳以上の、寝たきりや認知症によって日常生活に常時介護が必要な高齢者が入所する施設。施設サービスにもとづいて、入浴、排泄、食事などの介護の他、機能訓練、療養上の世話が行われます。
- 介護老人保健施設(老人保健施設)
- 入院治療の必要はないものの、機能訓練や看護・介護が必要な高齢者が入所する施設。家庭復帰をめざす施設。施設の機能、職員の配置基準など、病院と特別養護老人ホームの中間的なものとなっています。
- 介護療養型医療施設(療養型病床群)
- 療養病床、老人性認知症疾患療養病棟を有する病院や診療所。入院する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて療養上の管理、看護、また医学的管理下における介護などの世話や、機能回復訓練など必要な医療を行うことを目的とした施設。施設利用者のなかでも医学的管理が必要なの長期療養者への対応が主となっています。(平成21年3月に廃止)
- 回想法
- 人間の状態の変化はある特定のステージで起こり、それぞれのステージで出会う難問にどう立ち向かうか、そしてさまざまなステージの間の変化にどう対応するかという原則に基づいて行われる療法で、社交性や心への刺激を促進することによってお年寄りを混乱した状態から救い出し、自尊心と尊厳を取り戻させる。訓練を受ければ専門家以外でも容易に行なえます。
- かかりつけ医
- 明確な定義はなく、「主治医」がほぼ同意の類語。一人の患者に対して何らかの診療を継続している医師はすべて「かかりつけ医」ということができます。「かかりつけ医」を制度化している国もあるようですが、日本ではまだ制度化されていません。
- カンファレンス
- サービス担当者会議のこと。ケアカンファレンスの場合、要介護者に的確な援助を行うために関わっている担当者全員が集まって討議すること、あるいは討議の場をいいます。スーパーバイザーによる教育・指導の場でもあったり、チームの今後の作戦を立案する会議です。
- カルテ(電子カルテ)
- 正しくは「診療録」。患者の診療内容を時間を追って記録した書類。患者を診療した場合、医師は必ず診療録に記録しなければならず、患者の住所、氏名、年齢、性別、病名。および主要症状や治療方法、診療の年月日を記載し、医師法によって5年間の保存義務があります。電子カルテはそれを光ディスクなど電子媒体に記録したものです。
- 感染症用待合室(隔離待合室)
- 水痘や麻疹、風疹などに感染している小児を一般小児に感染しないようにするための専用スペースのことをいいます。
- 回復室
- 手術後の患者が意識を回復し、術後の影響がほぼ消失するまでを管理するための部屋のことをいいます。
- 介護保険法
- 介護保険とは、加齢に伴って体の機能の衰えにより日常生活に支障や障害が生じた人に、その能力に応じて自立した生活がおくれるように、介護サービスを支給する新しく出来た社会保険制度です。平成12年4月より実施制定されました。
- 気晴らし療法
- 否定的な行動を修正するためにたびたび用いられる。不適切な行動をとるお年寄りをより良い方向へと導くために、とても楽しい気分を提供するように働きかける療法です。
- 居宅介護支援事業
- 居宅介護支援は、要介護者が居宅において日常生活を営むために必要な保健・医療・福祉サービスを適切に利用できるように、要介護者の心身の状況、置かれている環境、家族の希望なども考慮して具体的なサービス内容を記載した計画を作成するとともに、計画に基づいて支援することをいいます。
- 居宅介護支援
- 高齢者、およびその家族が生活困難な状態となり援助が必要となった場合、利用者のニーズや問題を明確にする事で、保険および医療福祉サービスが正しく受けられる様に、整備する事を目的とした援助展開の方法です。
- 区分支給限度基準額
- 在宅サービスでは、訪問通所サービスと短期入所サ-ビスの利用に際して要介護状態区分別に介護保険で利用できる上限額が決められています。これを区分支給限度基準額といいます。
- グループホーム
- 中程度までの認知症高齢者のための住まい。寝たきりでなく、食事や歩行、排泄など日常生活で自立している人を対象に、5~9人が共同生活する。普通の生活をなじみのメンバーとともに過ごし、3:1の割合で介護職員が配置される。従来の大規模施設や画一的な生活では充足しにくい家庭的で自由な環境、きめ細かい柔軟なサービス提供が評価され、そのニーズは年々高まっている。グループホームは個人の住居とみなされ、介護保険では在宅サービスに規定されます。
- グループリビング
- 少人数で営まれる共同生活。健常な高齢者の場合もあれば身体の不自由な人たちの共同生活もありますが、介護の分野では主に認知症高齢者が少人数で生活をともにするグループホームでの介護スタイルを指します。グループホームをグループリビング・ケアともいいます。
- クリティカルパス
- 本来は経営工学上の用語。製造産業における作業の円滑化と効率化、生産性の向上を目指す工程管理の手法として発達したものですが、この考え方を医療現場に応用。医療分野ではクリティカルパスのほかクリニカルパスやケア・マップとも呼ばれています。入院後の検査、治療、手術、ケアなどを時系列にし、それに治療に関わる職種(担当する医療スタッフの名称)を患者にも十分理解できるように一覧表にしたいわゆる「入院後の治療計画」。最近では多くの医療機関でこの手法の導入が進んでいます。
- ケアハウス(軽費老人ホーム)
- 原則として60歳以上、または一方が60歳以上の夫婦で、元気ではあるが家庭環境や住宅事情により、居宅での生活が困難な高齢者が低額な費用で入所する施設。介護が必要になってもホームヘルプサービスなどを利用して自立した生活を送れるよう工夫されています。
- ケアプラン
- 要介護者等が介護サ-ビスを適切に利用できるように心身の状況や生活環境等を勘案し、サ-ビスの種類・内容、ケア目標、ケアの提供方法、関係する機関や職種における役割分担、結果の評価方法を定めた計画のことです。
- 健康増進法
- 急速な高齢化とがんや糖尿病など生活習慣病の増加などに対応するため「健康増進法」が施行されました。この法律は、生涯を通じた健康管理のあり方などを規定した法律で、健康診断の実施方法を統一するほか身近な問題として取り上げているのが「たばこの喫煙」。法律では、室内や室内に近い状況で、(通常たばこを吸わない人が)他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」について、その25条で「不特定多数の人が集まる施設の管理者に受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と規定しています。対象となるのは学校や病院、官公庁、飲食店、百貨店、商店、ホテル、鉄道車両、バスなど幅広い施設や乗り物などです。
- 研修医制度
- 法改正に伴い、医学部卒業後の臨床研修が義務化されるようになりました。以前は医師免許取得後に2年以上大学の医学部や大学附属病院、または厚生労働大臣指定の病院において、指導医の下で実際に患者を診療する臨床研修を行うように「努める」ことを課していましたが、これは義務ではなく「努力義務規定」。しかし現在の新医師臨床研修制度ではすべての医学生は卒業後に臨床研修を行わなければなりません。
- 言語療法士
- Speech Terapistの略称で「ST」ともいう。医療のうち、主に患者の言語機能回復のための訓練を担当。言語機能の回復は患者にとって周囲とのコミュニケーションをはかる上で大切であり、患者のQOL(クオリティーオブ ライフ)の向上につながる。作業療法士や理学療法士と異なり、言語療法士は国家資格を必要としません。
- 検体検査
- 人体から採取された生体情報である血液や尿などの各種検体を検査して診断、治療に用いる検査のこと。一般検査は尿、便、穿刺液などを対象とする検査。血液検査、生科学検査、血清検査、細菌検査、病理検査などがあります。
- 行動療法
- 「条件反射」や「適切な行動見本」「行動は変化可能」などの考え方にもとづき、発達障がいのお年寄りに用いられる療法でお年寄りの行動の変化を積極的に補助します。バリデーション療法との違いは、行動変化を本人が望む場合にのみ行動変化を補助するのと異なり、行動療法では本人の希望の有無に関わらず行動変化の動機付けを行ないます。
- 高齢化社会
- 国連人口部は、65歳以上の老年人口の比率(高齢化率)が7%に達した国は、高齢化社会を迎えたとしています。日本では1970年に7.1%に達し、高齢化社会を迎えました。その後、高齢化率は年々上昇し、95年に14.6%となりましたが、2050年には32.3%に達するものと予測されています。なお、高齢化率が14%に達した状態を「高齢社会」、それ以上の高齢化率の社会を「超高齢社会」とする見解もあります。
- コレクティブハウス
- 北欧に見られる、共同生活を営むための集合住宅。入居している複数の家族が、平日の夕食などを一緒に食べる形態の共同住宅ですが、各住戸は独立し、キッチンや浴室も各戸に完備されています。自立した生活をおくりながら、ある部分で共同生活を行う点に特徴があり、日本でも近年登場しています。
- ゴールドプラン
- 89年に政府が発表した「高齢者保健福祉推進十か年戦略」のこと。高齢社会へ向けて、ホームヘルパーなどの「在宅サービス」、特別養護老人ホームや老人保健施設などの「施設サービス」が拡充されました。94年には目標値が積み上げられた「新ゴールドプラン」が、99年には今後五年間の施策の方向を示した「ゴールドプラン21」が新たに策定されました。
- 高齢者専用賃貸住宅
- 高齢者の住居の安定確保に関する法律に基づき、高齢者の入居を拒まない高齢者円滑入居賃貸住宅のうち、もっぱら高齢者を賃貸人とする賃貸住宅。この住宅も有料老人ホーム等と同様、介護保険の特定施設入居者生活介護給付の対象となりました。(平成23年10月に廃止。「サービス付き高齢者向け住宅」となりました。)
- 高齢者向け優良賃貸住宅
- 一人暮らしや夫婦のみの高齢者でも、安心して賃貸住宅に住み続けられるような住宅を整備する制度。バリアフリー仕様と緊急時対応サービスの提供などの条件を備えた優良な賃貸住宅を、民間の土地所有者や公団・公社が作る場合に、建設費や家賃対策の補助を行う。旧建設省が1998(平成10)年に制定。略称で「高優賃(こうゆうちん)」ともいう。以前は入居資格に収入条件があったが2001年以降はなくなりました。(平成23年10月に廃止。「サービス付き高齢者向け住宅」となりました。)
- 高齢者居住法
- 高齢者の居住の安定確保を支えるための法律として、平成13年に制定。平成23年10月には「改正高齢者居住法」として、高齢者円滑入居賃貸住宅・高齢者専用賃貸住宅・高齢者向け優良賃貸住宅の廃止に伴うサービス付き高齢者向け住宅への一本化をはじめ、入居一時金に係るリバースモーゲージを住宅金融支援機構の保険の対象に追加される特例制度や、終身賃貸事業の認可申請手続の緩和、高齢者居住支援センターの指定制度の廃止などが盛り込まれています。
- 高齢者対応住宅
- 高齢者対応住宅には次の様な多種多様なものがあります。
1>老人世帯向け公営住宅
2>シルバーハウジングケア付き高齢者向け公的賃貸住宅