連欄間【れんらんま】
連欄間は、コーナーをまたいで間口全体に窓を連続配置したもの。視線が抜ける解放感と屋根を浮かせたような先進的なデザインを、そこに実現しています。室内天井と軒天の高さを揃え、木の意匠をつなげることで外へ広がる連続感を演出。高窓が切り取る空の風景は時間や季節とともに表情を変え、空の庭と言える心地よさを感じさせます。
内樋屋根【うちどいやね】
家全体のデザインを行う上で、屋根は最も重要なポイントです。シンプルに見せるために、軒先をできる限り薄く仕上げシャープなシルエットを実現したのが内樋屋根。なだらかな4寸勾配の屋根は富士の裾野を思わせるいでたちで、美しく深い陰影が、古くからの美意識に訴えかける意匠となっています。
仕上げ
空間を美しく仕上げるために素材本来の肌理(きめ)にこだわり適材を適所に採用しました。
住む人と同じ時間の中で本物だけが持つ美しさが磨かれていきます。
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天井や床の仕上げには、無垢の木材を使用しています。素肌に感じるぬくもりとしっとりとした木肌の感触。その優しさとやわらかさは、まさに無垢だけが実現できるものです。
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植栽や光を美しく引き立てるスクリーンとして、外壁の肌理の細かさにこだわりました。重厚な雰囲気の中にも、手塗りで仕上げた温かな面持ちが、静かに存在感を語りかけます。
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職人の手仕事が残す自然なテクスチャーが、そのまま住む人の癒しと味わいに。塗り込んだ石灰岩の粒子が光を程よく反射し、落ち着いた空気を空間に醸し出します。
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街並みからの視線を受ける壁として、石積壁(庵治石※)にすることで重厚さと品格を創出。外構と外観を一体と考える構成で、塗り壁との相性もよく街並みに個性を語りかけます。
※庵治石(あじいし):香川県産の石のダイヤモンドと言われる希少な石材。
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土間床は、道路から連続して洗い出し仕上げに。石の大小、ガラスなどをアクセントに用いることで、様々な表情をつくることが可能です。
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自然と一体となる住空間を考えて、御影石を室内床に設定しました。居住空間を外に中庭を室内に取り込むという考えから、御影石床が内外のつながりをより一層高めています。