PROJECT 02

滋賀県南草津の集合住宅

水平に伸びる庇と、
四季をつげる緑が
まちへとつながる住宅

プロジェクトストーリー02 メインイメージ

OUTLINE

京都駅や大阪駅にも乗り換えなしでつながり、新快速の停車駅でもある滋賀県南草津駅。住宅ニーズも高く、注目の集まるエリアだ。その駅から徒歩圏内の立地に、3階建ての集合住宅を建てる、今回のプロジェクト。設計にあたり土地オーナーさま(以下、オーナーさま)からは、「滋賀県にはないような、圧倒的なデザイン性の建物にしてほしい」というオーダーが。この高い期待に応え、大和ハウス工業がつくりあげた物件とは。

PROJECT MEMBER

  • 集合住宅営業

    集合住宅営業

  • 集合住宅設計

    集合住宅設計

  • 集合住宅施工

    集合住宅施工

01

見たことのない、インパクトのある物件を

商品名: TORISIA
敷地面積: 2435.26m2
建築面積: A棟  311.77m2 / B棟:253.82m2
延床面積: A棟  749.40m2 / B棟:738.99m2
用途: 共同住宅
規模:A棟12世帯 / B棟 12世帯

2023年4月。お取引のあった地場の銀行からオーナーさまのご紹介をいただき、プロジェクトが始動。ご依頼をいただくにあたり、オーナーさまへのヒアリングを行った銀行からは「滋賀県にないような、圧倒的なデザイン性の建物にしてほしい」というオーダーがあると共有された。この抽象的かつ、難易度の高いオーダーが今回のプロジェクトの何よりの関門だった。「他に見たことのないデザイン」「もっとインパクトのある見た目にしたい」。月に1度のペースで外構やプランの提案を行う中で、繰り返し厳しいフィードバックをいただくこともあった。オーナーさまにとっても、初めての集合住宅の建設。並大抵ではない想いと、こだわりがあることはよく理解できた。その期待に応え、周辺の物件にも負けない高いブランド力を持つ物件を作り上げるため、最善の案を検討し、提案を重ねる。物件のデザインは、オーナーさまの好みや趣向が反映される。この方は、落ちつきがあり、重厚感のある雰囲気を求めていらっしゃる。提案を繰り返し行う中でオーナーさまの好みを掴み、提案をブラッシュアップしていく。設計段階での打ち合わせは、10回を超え、プロジェクトの始動から、はや1年が経とうとしていた。

02

のびやかな水平の庇がつなぐ、二棟の調和

季節を感じる植栽と二棟へつながる石畳。緑に沿って灯りが連なり、石畳のアプローチに静かなリズムと奥行きを生み出す。

緑を照らすことで生まれる陰影が建築と溶け合い、夜のアプローチに奥行きと変化をもらたす。

3階建ての1棟12世帯を2棟設け、エントランスはその2棟を水平に大きく伸びる庇が視覚的につなぐ。エントランスまでは季節の移ろいを感じる植栽と、柔らかな曲線を描く石畳のアプローチが奥行きと広がりのある空間を生み出す。夜には温かみのあるライティングが外観に静かな陰影をつくり、モダンな佇まいの中にも体温を感じる設計。賃貸住宅にありがちな効率重視の単調な「箱」のイメージを打破し、物件自体はもちろん、エントランスまでのアプローチから生まれる体験まで考慮したトータルデザイン。物件価値向上のため、エントランスにはオーダーにはなかった車寄せをプランに組み込んだ。2024年3月。度重なる提案の末、無事オーナーさまもご納得いただき、契約を締結。2024年10月からの造成工事、2024年12月下旬から2025年の6月にかけて施工を進め、無事物件は竣工を迎えることとなった。

物件のコンセプトは「編緑」。暮らしと建築、まちの時間を緑でつなぐ。エントランスまでのアプローチの植栽だけでなく、エントランスを入ってすぐの場所には坪庭を、2棟の間には中庭を設けることで、シャープでモダンな雰囲気の中に安らぎを感じる暮らしの提案。特にアプローチの植栽は、住んでいる方だけではなく、まちに暮らす人にとっても四季を感じる場所となり、この物件の価値となる。担当者の熱意がオーナーさまの心を打ったのか、メンテナンスなどのコストがあることもご理解いただいた上で、プランをご快諾いただいた。植栽は、担当者が1本1本選定。石材も、奈良まで足を運び検討を重ねた。こだわりを重ねたこの物件の竣工時に、「大和ハウス工業に頼んでよかった」そう言っていただくことができたのは、何より嬉しいできごとだった。

昼は吹き抜けからの自然光が緑を照らし、夜は足元の光が陰影を立ち上げる。

緑の気配が、エントランス奥へと視線を導く。

03

存在することで、まちにいい影響を及ぼす住宅を

賃貸物件は、コストパフォーマンスと性能重視。外観は二の次。そう考えるオーナーさまも多い。実際、今回のようなデザインを重視するご依頼は珍しい。戸建てと集合住宅では、同じ「住宅」でありながらも、前者は住まう方がお客さまであり、後者は今回のようにオーナーさまがお客さまとなる。その性質の違いはありながらも、快適な住空間をいかにつくりあげるのか、という本質は戸建ても集合住宅も変わらない。加えて、集合住宅には住宅にはない「共用部」があり、ご入居者の方々が集う空間はどうするべきか、ホテルをつくるような発想が求められる醍醐味もある。そして、戸建てと比べて大型である集合住宅が、そのまちの景観に及ぼす影響は大きい。例えば、道行く人がこの物件の前を通り、自分の自宅にも緑を植えてみよう。そう思っていただくことができたら。まちに緑が増え、四季を感じる美しいまちへと変化するかもしれない。単なるまちの一部を超えて、住む人だけでなく、まちを心地よい場所へと変えていく。ひとつの集合住宅を建てることは、そんな大志を建てることでもあると思う。

受賞歴

  • 「四国化成空間デザインコンテスト2025」パブリック分野外装・舗装部門 エリア賞受賞
  • 「第33回TOYO全国施工写真コンテスト」ニューマテリアルデザイン賞受賞

ENTRY

夢は、見るものじゃない。
夢は、叶えるものだ。
考えながら走り続け、
大きな夢をかたちに。