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コラム No.57-1

トレンド

投資主価値の最大化を実現させる 「不動産市場に関する国内投資家調査」に見る、投資家ニーズの変化(1)

公開日:2018/07/31

平成30年6月に、国土交通省より、「不動産市場に関する国内投資家調査結果」が公表されました。この調査は、不動産投資の動向や、投資家のニーズ・課題等を継続的に把握することで、国土交通省の行う政策課題検討を行うことを目的としたもので、3年に一度実施されています。
この調査の結果を見ながら、今後の投資家のニーズの変化を考察します。

調査の対象となっている機関・企業等

・企業年金:企業年金基金、厚生年金基金

・Jリート、私募リート、私募ファンド:Jリート、私募リート又は私募ファンドの運用機関

・金融機関:都市銀行、信託銀行・信託会社、地方銀行、外国銀行、リース会社、生命保険会社、損害保険会社等

・事業会社:不動産会社、建設会社等

(1)投資している不動産商品等の種別の変化について

現在投資している不動産商品等の種別は、「不動産証券化ビークルによる実物不動産(信託受益権を含む)の取得」が32.2%と最も高く、3年前と比較しても、2.6ポイント上昇しています。さらに、3年後も増加すると予測しています。「不動産証券化ビークル以外による実物不動産(信託受益権を含む)の取得」は、27.9%とこちらも3年前と比較すると、伸びてはいますが、3年後の予測としては下がっています。
その次に割高が高いのは「私募リート」で19.6%。3年前の15.6%から大きく伸びており、さらに3年後も伸びるだろうと投資家は予測しています。同様に、「私募ファンド」も増加傾向にあり、こちらもさらに伸びるだろうと予測しています。
それとは逆に、「Jリート」は17.9%と伸びてはいるものの、3年後の予測では、下がるだろうとしています。投資対象の多様化を含め、不動産証券化は確実に浸透しており、今後もこの流れは続くと投資家も想定しているようです。
また、現在投資している不動産商品等の種別を、調査対象の4つの属性別に見ると、「企業年金」では「私募リート」の割合が最も高く、3年前と3年後の比較でも増加傾向にあります。「金融機関」では「Jリート」の割合が最も高く、「私募リート」が続いています。「事業会社」では「不動産証券化ビークル以外による実物不動産(信託受益権を含む)の取得」(58.6%)の割合が最も高くなっています。
※ビークルとは「媒体」という意味で、特別目的会社(Specific Purpose Company=SPC)のような事業組織を投資ビークル(SPV)と称する。

図1 投資している不動産商品等の種別(全体 複数回答)

(2)投資している不動産商品等の用途の変化について

不動産商品などの用途についての結果を見ると、多くの用途で3年後も増加予測を示していますが、逆に目立つ結果となっているのが、「賃貸住宅」の伸びの鈍化です。3年後の予測ではわずかながら減少を示しています。空き家問題やサブリースの問題などが影響しているのかもしれません。
オフィスビル、商業施設、ホテル・旅館、物流施設などは、高い伸びを示しており、3年後も増加の予測をしています。中でも、ホテル・旅館と物流施設、ヘルスケア施設は大きな伸びを示しています。
3年後に想定される投資不動産商品等の用途は、特に、「ホテル・旅館」(3.6%増)、「データセンター」(6.6%増)、「ヘルスケア(高齢者施設・医療施設)」(7.0%増)の増加が目立っており、高齢化社会の時代背景や来日外国人の急速な増加、クラウド化が進むビジネスの環境変化などが如実に出た結果となっているようです。

図2 投資している不動産商品等の用途(全体 複数回答)

(注)公共施設(インフラ施設):道路、鉄道、空港、港湾施設、上下水道、電気ガス、庁舎、図書館、学校、公営住宅、公民館、公営美術館、公営水族館、公共施設等運営権など

次のグラフは、今後重視する不動産商品等の用途を、今回の調査対象先の属性別に見たものです。
全体では、「オフィスビル」(42.1%)の割合が最も高く、「賃貸住宅」(9.4%)、「物流施設」(7.7%)、「ホテル・旅館」(7.2%)と続いています。属性別に見ると、どの属性においても「オフィスビル」が最も多くなっていますが、「Jリート、私募リート、私募ファンド」では「ホテル・旅館」や「物流施設」が多くなっており、「金融機関」、「事業会社」では「賃貸住宅」の割合が高くなっています。各属性が抱える顧客の違いが見てとれます。

図3 今後最も重視する不動産商品等の用途(単回答)

(注)無回答を除く

(3)不動産投資判断における重視する諸要素

次に、不動産投資を判断する際に、どのような要素を重視するかを聞いたものです。
圧倒的に多いのは、「キャッシュフローの見通し(インカムゲイン)」で、「大いに重視した」「概ね重視した」をあわせると97.3%となっています。「(2)物件の売却益の見通し(キャピタルゲイン)」も重視されていますが、事業収益の面ではキャピタルゲインよりインカムゲインが重視される傾向が見られます。
建物の設備・機能においては、「(5)建築物の耐震性能、免震・制震等」を重視する人が最も多く、やはり、昨今増加する地震災害への備えを重視する人が増えているようです。

図4 不動産投資判断における諸要素の重視度(全体 単回答)

(注)無回答を除く

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