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コラム No.65-1

CREコラム

働き方改革のために不動産はどう活用されるべきか(1)働き方改革への不動産の関わり

公開日:2018/10/23

現在、国を挙げて「働き方改革」が推進され、ICT分野を中心に、様々な業界において多様な解決策が提案されています。

働き方改革の目的は、長時間労働の是正、労働環境や条件の改善、女性や高齢者の労働参加など、様々な内容がありますが、目的は働き方を改善することで働く人々の心身の健康と生産性の向上を目指すものです。
この観点に立てば、生産性向上のための施設としての工夫やコミュニケーションを円滑化するためのオフィス環境の改善、組織全体としての拠点戦略など、最適な「働く場」を提供するために、不動産のあり方を見直すタイミングにあるといえるでしょう。

不動産関連も例外ではなく、快適な労働環境を提供するために、生産性を向上させるオフィスレイアウトや福利厚生施設、働く人のニーズに合ったサテライトオフィスなど、多くの企業が働き方改革につながる施策として取り組んでいます。
国土交通省は2017年12月より「働き方改革を支える今後の不動産のあり方検討会」をつくり、検討を重ねてきました。そして2018年6月、「2030年を目途とする今後の不動産のあり方について~『真に人に優しい不動産』の実現~」を公表しました。
今回は、この中から現在の不動産業界における主な環境の変化と、それらの要因と働き方への関連について紹介します。

不動産業界における主な環境の変化

  1. ・インターネット等ネットワーク技術の進展
    メールやテレビ会議システム、Webによるコミュニケーションツール等の活用で、一ヵ所のオフィスに居ることなく仕事を行うことが可能となり、オフィスの在り方が変わりつつあります。また、Eコマースの発展は、店舗という概念を完全に変えようとしています。これらの変化によって、不動産の立地場所という条件や制約が大きく変わってきています。
  2. ・不動産の所有意識の変化
    不動産に対する所有意識にも変化が出ています。シェアオフィスやルームシェア、賃貸住宅ニーズの高まりなど、不動産は所有するものから借りるもの、シェアするものという価値観を持つ人が増えているようです。
    今後、ワークライフバランスの考え方の広まりや不動産活用の新しいビジネスモデルが生まれたりすることによって、この傾向はさらに進むでしょう。
  3. ・都市のコンパクト化の推進
    都市や街のコンパクト化、中心への回帰が進むことによって、1ヵ所で様々な商品の購入やサービスを受けることができる複合型施設へのニーズが高まっています。
    今後も人口減少が進めば、より一層のコンパクト化が進みそうです。
  4. ・AI、IoTの発展
    AIやIoT技術の進歩と革新性によって、あらゆるところに大きな変革が起きようとしています。不動産業界にとってもその影響は大きく、空間の概念すら変わる可能性を持っています。内閣府からも、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させ、経済発展と社会的課題の解決を両立する、目指すべき未来の社会として「Society5.0」が「科学技術基本計画」で紹介されています。
  5. ・人口減少社会の到来
    少子・高齢化によって、人口減少、労働者不足が大きな問題となってきています。
    女性や高齢者を含めた就業機会の拡大、能力を十分に発揮できる労働環境の整備は、喫緊の課題です。

不動産活用として働き方改革への取り組み

こうした環境の変化、価値観の変化、技術の進化を受けて、働く人の視点に立った「働き方改革」が推進されているのです。
働き方改革への取り組みはすでに進展しており、ある調査によれば、取り組みを実施または検討している企業は半数を超えており、今後も拡大していくでしょう。

前述したように、大きな環境の変化が起きている現在、経済活動に欠かすことのできない役割を担ってきた不動産に求められる役割や機能が大きく変化しつつあります。
働き方改革においても、現時点では、ITを活用した地方オフィスの設立やテレワーク等の取組が進みつつあるものの、まだまだ抜本的な改革というところまでは進展していないのが現状です。また、こうした施策に対して、コストの増加に対する生産性への費用対効果の面では、まだまだ実証されていないことも多く、これからの課題となっています。

不動産の開発やリノベーションを実施するには、年単位の期間を要します。つまり、対処療法的な施策ではなく、中長期的な視点からの本質的な生産性に結びつき、かつ個人が幸福となるべく働き方が提供できるような不動産のあり方を検討し、施策に取り組む必要がありそうです。

参考:国土交通省「2030年を目途とする今後の不動産のあり方について~『真に人に優しい不動産』の実現~」

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