部屋干しをしていると、「乾きにくい」「ニオイが気になる」「部屋が狭くなる」
と感じたことはないでしょうか?アンケートによると、
9割近くの方が部屋干しに不便や悩みを抱えていることが明らかになりました。
そこで今回は、多くの方が抱える部屋干しに対するストレスの実態をひもときながら、
快適な部屋干し環境をつくるヒントを探っていきます。
調査時期 | 2025年8月8日~8月17日 |
---|---|
調査対象 | My House Palette メールマガジン会員 |
有効回答数 | 399件 |
調査方法 | My House Palette メールマガジンでのアンケート |
Q1. 理想として、洗濯物は室内・屋外の
どちらに干したいですか?

半数以上が「屋外に干したい」(54%)と回答しました。「太陽と自然の風で乾かしたい」「やっぱり天日干しは気持ちがいい」「日光の殺菌効果に期待」といった自然の恩恵を受けたいという方もいれば、「部屋干しは生乾き臭が気になる」「室内に干すと狭くて邪魔だから」といった理由のように、部屋干しを避けるために外干しを選んでいる方もいます。回答では外干し派が多数ですが、部屋干しの課題が解消されれば、理想のスタイルが変わる可能性もありそうです。
次に多かったのが「洗濯物によって室内と屋外を使い分けたい」(25%)というハイブリッド型の意見です。「日常的には外干し。夜や雨の日、花粉の季節は部屋干し」「ラグやシーツ、厚手のトレーナーなどは外干し。それ以外は乾燥機」「日焼けが気になるデリケートな素材や下着は部屋干し。それ以外は外干し」というように、衣類の種類や生活状況、天候条件などに応じて柔軟に対応したいと考える方が全体の4分の1を占めました。
一方、「室内に干したい」と考える方も21%いました。「下着の盗難や家族構成がバレるのを防ぎたい」「花粉や虫の付着を避けたい」「干す・取り込む手間が面倒なので乾燥機派」「外干しすると柔軟剤の香りが飛んでしまうから」など理由はさまざまですが、部屋干しを積極的に取り入れたいとする声もみられました。
Q2. 実際に、洗濯物はどのように乾かすことが多いですか?当てはまるものを全てお選びください(複数回答)

続いて、洗濯物の乾かし方に関する実態を伺うと、最も多かったのは「屋外で自然乾燥(外干し)」(33%)で、次いで「室内で自然乾燥(部屋干し)」(20%)となりました。
Q1の理想と比べてみると、「部屋干し」は理想(21%)と実態(20%)に大きな差はなく、おおむね理想通りのスタイルを実現できている様子がうかがえます。しかし「外干し」は、理想(54%)に対して実態(33%)が大きく下回る結果となり、現実には天候や住環境などの影響からか、やむを得ず「部屋干し」と「外干し」を併用し対応しているケースが多いことがわかります。また、外干しや部屋干しと併せ、浴室乾燥機やコインランドリーなどを活用するという意見も一部みられました。
「外干し」と「部屋干し」の回答割合を地域別に見てみると、寒冷・積雪地域の北海道(外干し25%・部屋干し50%)や東北地方(外干し25%・部屋干し69%)では、部屋干し派が多数。それ以外の地域では、外干し派が優勢のようです。洗濯は天候に左右されやすい家事ということがわかります。
Q3. 洗濯物を室内で乾かす理由を教えてください
(複数回答)

部屋干しをする理由を聞いてみると、前述でも触れた通り最大の理由はやはり「天候」でした。「雨天や天候の悪い日は外で干せないため」(46%)、「急な雨や天候変化に備えるため」(40%)と、半数近くが天気に左右されて部屋干しを選んでいることがわかります。
次に多かったのが「健康や衛生面への配慮」です。「花粉症・アレルギー対策のため」(24%)、「黄砂やPM2.5などの大気汚染が気になるため」(19%)、「虫がつくのが気になるため」(16%)など、外的要因を避けるために部屋干しを取り入れる方も少なくありません。敷地が大通りに面しているため外干しに抵抗があるといった声もありました。
その他、「外干しをしているが、日が沈むまでに乾かず、夜は室内に移動させる」「そもそも外干しできるスペースが十分にない」「風で洗濯物が飛ばされないか心配」「夜に洗濯をするので外干しができない」といった事情を抱えている方もいました。
このように、やむを得ず部屋干しを選ぶケースが目立つ一方で、「室内に干せる・乾かすスペースが整っているから」(18%)「家事の時短・効率化のため」(13%)といった前向きな声も見られました。「部屋干しの方が便利で快適」と捉える方も増えてきているのかもしれません。
Q4. 部屋干しをする場合、
主にどの場所に干していますか?(複数回答)

部屋干しをする際の場所として最も多かったのが「リビング」(36%)。広い空間で、エアコンやサーキュレーターを使えば乾きやすく、生活の中心にある使い勝手の良さも理由のひとつでしょう。次いで多かったのが「空き部屋・個室」(22%)。来客時でも目立たず、生活空間と切り分けられる快適さがあります。
また、「浴室(浴室乾燥機含む)」(21%)を利用する方も目立ちます。ニオイや湿気がリビングに広がらないのが利点ですが、家族の入浴時間と重なると不便な上、電気代がかさみやすい側面もあります。「寝室」(13%)を利用するケースでは、夜に干して部屋の加湿を兼ねつつ、朝までに乾かすといったスタイルをとっている方が多い印象です。
さらに「ランドリールーム(洗濯室)」(4%)を備えるケースも増えている様子。洗濯から干す、乾かすまでが1カ所で完結できるので動線に無駄がなく、生活空間と切り分けられる点が魅力です。除湿機を設置すれば湿気がこもりにくく、洗濯物が乾きやすい環境を整えられます。
Q5. 部屋干しをする場合、
主にどのように干していますか?(複数回答)

では、具体的にどのような手段で部屋干しをしているのでしょうか。最も多かったのが「室内用の物干しスタンドを使う」(45%)です。場所を問わず設置でき、使わないときには折り畳んで片付けられる手軽さが魅力です。ただし、生活空間を圧迫しやすく、室内が散らかった印象になりやすいという課題もあります。
次に多かったのが、「天井に設置した物干しを使う(昇降式など)」(20%)。床をふさがないため、生活空間を邪魔しない点が支持されています。
その他、「カーテンレールにかける」(16%)、「ドアや襖などの上部や鴨居にかける」(14%)、「壁に取り付けた物干しを使う」(11%)など、室内のあらゆるスペースを活用していました。また、「ダイニングチェアの椅子の背に干す」「突っ張り棒で物干しスペースをDIYした」といったアイデアも寄せられ、限られた空間で工夫している様子がうかがえます。
さらに、エアコンや除湿機、サーキュレーター、浴室乾燥機などを併用し、乾きにくさやニオイといった部屋干し特有の課題を補っている方も多くいました。
このようにさまざまな場所やアイテムを駆使して部屋干しをしているものの、部屋干し特有の悩みやデメリットもあるようです。次の設問で詳しく見てみましょう。
Q6. 部屋干しの悩みや、
不便だと感じていることはありますか?(複数回答)

部屋干しで多く挙げられた悩みは、「乾きにくい」(57%)、「生乾き臭が気になる」(53%)、「室内が湿っぽくなる」(40%)で、4割以上がこうした不便を感じています。
次に多かったのが「場所を取り生活の邪魔になる」(25%)、「干す場所が確保しにくい」(20%)、「生活感が出てインテリアの雰囲気が損なわれる」(13%)といった、スペースや見た目に関する悩み。特にリビングに干す場合、家族のくつろぎスペースを圧迫したり、来客時に気になったりすることが想像されます。
さらに、洗面所と干す場所の距離、乾いた洗濯物を収納する場所への動線も、少なからずストレスになっているようです。
結果として、「特にない」(11%)を除けば、9割近くの方が部屋干しに対し何らかの悩みを抱えていることが浮き彫りになりました。
Q7. 部屋干しを快適に行うための専用スペースや工夫された場所が「家にあるといいな」と感じることはありますか?

「よく感じる」(36%)、「時々感じる」(38%)を合わせた74%が部屋干しを快適にするための専用スペースや場所が欲しいと回答しました。雨天や天候の変化、花粉やPM2.5などの大気汚染、防犯面の配慮だけでなく、共働き世帯の方が夜に洗濯をする・帰宅が遅く外干しが難しいといったライフスタイルの変化も影響して、「部屋干し」はいまや特別な方法ではなく、ごく当たり前の洗濯スタイルになりつつあるのかもしれません。
とはいえ、前述の通り部屋干しは多くの方のとって不便を感じやすい家事のひとつです。だからこそ、これからの住まいづくりでは「快適な部屋干し環境をどう整えるか」も踏まえた設計が重要なポイントになりそうです。
Q8. 今後、自由に住まいづくりができるとしたら、
快適に部屋干しをするために取り入れたい
設備や工夫はありますか?(複数回答)

これまでの設問を踏まえ、住まいづくりを計画する際に、部屋干しを快適に行うために取り入れたい設備や工夫についてご意見を伺いました。結果は、全体の6割近くが「部屋干し用のスペース・部屋(家事室やランドリールーム、サンルームなど)」(59%)を希望しており、専用スペースのニーズが高いことが明らかになりました。いまや部屋干しは日常の洗濯スタイルのひとつ。快適に行うための環境づくりは欠かせません。
- 洗濯は毎日するものだから効率良く済ませて、ゆとりある暮らしをしたい
- 天気の変化に対応しつつ太陽光にもあてたいのでサンルームが欲しい
- 7人家族で洗濯は1日3回。ランドリールームがあれば天気に左右されず干せて、片付けもスムーズ。洗濯の時短で自分の時間を持ちたい
といった声が集まりました。
また、すでに導入している方からは「くつろぎの場に生活感を出さないため、ランドリールーム兼クローゼットを設けて大正解。さらにガス式乾燥機を導入し、時短&天気に左右されない安心感が得られた」と満足の声も寄せられています。

次に多かったのは「部屋干し用の設備(天井吊り・昇降式の物干しなど)」(38%)。新築やリフォーム時に設置するケースが増えており、天井が高い住宅なら空間を有効活用できるのも魅力です。
- 3階のベランダまで干しに行くのは大変なので、リビングに吊り下げ式の物干しが欲しい。エアコンの風を活用すれば、省エネ&加湿にもなりそう
- 人が集まるリビングに設置すれば、冬は暖かくそれ以外の季節も風通しが良く乾きやすい
- 使わないときには収納できて邪魔にならないのがいい
といった意見がありました。

また、「日当たり・風通しの良い間取り」(32%)を求める声も。「生乾き臭の心配がなくなりそう」「雨が続くときだけ部屋干しで対応したい。日当たり・風通しのいい場所で、動線に支障がないスペースを活用したい」といった声からも、乾きやすさとニオイ対策のために、日当たりや風通しの良さは欠かせないことがわかります。
「部屋干しスペース・部屋と収納場所の動線を意識した間取り」(25%)を望む声もありました。洗濯は「干す」だけでなく、「畳む」「しまう」までが一連の流れ。部屋干し環境を整える際には、干す場所の確保だけでなく、家全体の間取りの中で洗濯動線をどのように設計するかが重要です。「洗う、干す、畳む、しまうを全て1階で完結させたい」「洗濯機、サンルーム、ウォークインクローゼットへつながる家事動線をつくりたい」という具体的な願望も寄せられました。
まとめ
今回のアンケートから、天候の変化や花粉・PM2.5といった外的要因に加え、共働き世帯の増加で夜に洗濯をするなど、部屋干しが日常の洗濯スタイルとして定着していることがわかりました。その一方で、「ニオイ」「湿気」「スペース不足」といった課題も浮き彫りに。
快適な部屋干し環境をつくるには、単に場所を確保するだけでなく、日当たりや風通しを意識した間取り、洗濯から収納までをつなぐ動線設計が欠かせません。それぞれの生活スタイルに合わせた工夫を取り入れれば、部屋干しはもっとラクに、ストレスフリーになるでしょう。