毎日のように行う料理を、もっと手際よく進めるにはどうすればいいのでしょうか?
今回はフードコーディネーターのつちだ縁先生に、
手早く作業ができるキッチンの作り方についてお聞きしました。
料理の効率を上げるには、動線に合わせたキッチン用品の置き方が重要。さらに、膨大な料理経験をお持ちの先生ならではの、料理がはかどるワンポイントアドバイスもご紹介します。
キッチン用品の置き方・基本心得
まずは料理に使うものを収納する上でおさえておきたい基本心得を、ジャンル別にご紹介します。
お玉などの調理器具
お玉などの調理器具は、本当によく使うものに厳選して絞り込んで、使いやすいようレンジまわりに吊り下げます。おすすめなのはシリコン製の熱対応のゴムべら。カレー、炒め物、だし巻き卵など、ゴムべら1本で意外といろんな料理ができて、菜箸などより失敗が少ないです。
フライパン、鍋・釜
フライパンや鍋などは、書類用のファイルボックスを多めに用意し、それにタテ向きに差し込んで収納し、あまり使ってないものはすぐ処分する習慣を。このように、どんな道具もファイルボックスやストッカーに入れておくと便利。タテ置きは省スペースになりますし、引き出してサッと取り出せるので、想像以上に効率が上がります。
調味料
塩や砂糖など粉末の調味料は、別の容器に移し替えておくのがベター。買ってきた袋のままスプーンですくって使っていると、スプーンが袋の中に置きっぱなしになっていたり、新しい袋を買い足したことに気づかず忘れてしまったりということも起こります。専用の容器を使うのもいいですが、おすすめは粉チーズの容器。半分だけパカっと口が開くので、スプーンを入れてその口ですり切りにできて、意外に便利です。
食器類
立てて置けるラックなどを用意して、お皿などもタテ置きを心掛けましょう。ヨコ置きにしてどんどん上に重ねてしまうと、自然と下にあるお皿を使わなくなってしまうからです。数を増やさないよう、使っていないものは処分しましょう。また、洗い場でのコツとして、洗いかごは小さめにしておくと洗い物をためすぎないクセがつきます。
計量道具
せっかくレシピに最適な分量が記載されているのに、計量道具を出すのが面倒なあまり目分量で味付けしてしまうと、残念な味になりがちです。おすすめは、レンジ下の引き出しなどに空の瓶に入れた塩用と砂糖用のスプーンを置いておくこと。パッと計量できるようにしておけばレシピ通りに作れますし、それぞれ塩・砂糖専用にしておけば、いちいちスプーンを洗う手間もはぶけます。
料理がはかどるワンポイントアドバイス
やっておくといろんなシーンで料理がはかどるマル秘テク。例えば、買ってきたものをそのまま冷蔵庫や冷凍庫に入れると、料理するたびに下ごしらえが大変になりますよね。買い物から帰ってきた時、少し大変ですが、下ごしらえを一気にしておけば後の効率が上がります。
切り物を1週間分、全部切っておく
野菜や肉などをそのまま冷蔵庫に入れておくと、忙しい時にサッと使えず、気づけば傷んで捨てなければならないことも。買ってきたらすぐカットして冷凍を。一週間分の味噌汁パックなどを作っておけば、火にかけてすぐ使えます。
香味野菜は刻んで調味料オイルに
ニンニクやショウガ、ネギなどの香味野菜は、使いかけのまま放っておくと乾燥したりカビてダメになったり。これらはみじん切りにして調味料オイルにしてしまいましょう。瓶詰めして冷凍しておき、使いたい時に冷蔵庫で解凍。使いかけのものは冷蔵庫内でもまとめておくようにして、古くならないうちに使い切りましょう。
カットトマトなどはシート状にして冷凍する
缶詰のカットトマトはジッパー付きビニール袋などになるべく薄いシート状にして冷凍しておきます。
シート状ならすぐ溶けますし、急いで使いたい時でもシートをパキッと折れば、角が引っかからずすぐ取り出せます。カットトマトだけではなく、ホワイトソースやデミグラスソース、桃の缶詰、パイナップルなどもこうしておくと便利です。
シュレッドチーズも小分けで冷凍する
チーズは頻繁に使いたいから大きめの袋で買っておきたいですが、冷蔵庫に置いていると最後のほうがカビてしまいますよね。とはいえ買ってきた袋のまま冷凍すると、固まってしまって使えません。なので、50gごとに分けてラップして冷凍を。ちょっとチーズを足したい時、少しずつ取り出して使えます。
最後にひとつアドバイス
料理しながらスマートフォンで家族と連絡を取り合う、タブレットでレシピを見ながら料理する……などはもはや日常的な光景になりましたよね。家電につなぐ電源なども足し上げると、台所まわりにプラグ6つはほしいところ。家づくりの際には考慮しておきましょう。
アドバイス
フードコーディネーター つちだ縁先生
辻学園日本調理師専門学校を卒業後、エアケータリング会社に勤務。国際線機内フード(ファースト・ビジネスクラス)を担当。イタリア料理店でのスーシェフ等、厨房で料理人としての経験を経て料理教室ABC Cooking Studioに勤務し、マネージャーとして料理・パン・ケーキの講師を担当。フードスタイリストとして独立後は、メニュー・レシピの企画開発や出張クッキングスクールでのデモンストレーター・講師業務に携わりながら、料理教室 「おうちカフェ Cooking studio 縁en」をオープン。現在も料理人としてのキャリアを生かしたレッスンスタイル・メニュー・サービスを日々探し求めている。