共働き世帯の増加により、仕事や育児を終えて一息つく夜の時間に、
洗濯や片付けなどをこなす「夜家事(夜間に家事を行うこと)」が現代の新しい日常になりつつあります。
今回は夜の家事にまつわる実態や課題、理想の住まいに求められる工夫についてアンケートを実施しました。
夜の時間をもっと快適に、豊かにするための住まいづくりのヒントを探ります。
| 調査時期 | 2025年10月3日~10月12日 |
|---|---|
| 調査対象 | My House Palette メールマガジン会員 |
| 有効回答数 | 535件 |
| 調査方法 | My House Palette メールマガジンでのアンケート |
Q1. 主に家事を行う時間帯について、
当てはまるものを全てお選びください。(複数回答)

家事のピークタイムは「18時~22時」(65%)という結果に。次いで「6時~9時」(37%)が多く、朝と夜の限られた時間帯に家事が集中している実態が浮かび上がりました。 今回の回答者には、共働き世帯(パートタイム勤務を含む)が37%、フルタイム・パートタイム勤務の単独世帯が17%を占めているため、こうした層の生活リズムが色濃く反映されていると考えられます。
働き方別に見ると、日中に家事の時間が取りやすい片働き世帯では家事の時間帯が分散されていました。一方で、共働き世帯や単独世帯では「18時~22時」の夜の時間帯に家事を行う形が主流に。また、就労者がいない世帯では一日を通して満遍なく家事が行われており、「日中に家事が進められるかどうか」が“夜家事”への必要性を左右していると考えられます。

Q2. 夜間(18時以降)に行うことが多い家事を
全てお選びください。(複数回答)

18時以降に行う家事について伺うと、「食後の片付け(食器洗い・食洗機のセットなど)」(78%)、次いで「食事の準備」(55%)が上位にランクイン。夕食に関わる家事は、夜の時間帯に発生する日常的な家事のため、上位に挙がるのも納得です。
「洗濯(洗濯を回す・洗濯物を干す)」(38%)も3位にランクインし、夜の洗濯が定着しつつある様子がうかがえます。洗濯乾燥機の活用や、夜のうちに部屋干しできるランドリールームの設置など、夜の家事を支える住まいの工夫が生活の一部となっているようです。
さらに、「ゴミ出し準備(分別・袋詰めなど)」(34%)、「翌日の準備(弁当作り・料理の下ごしらえ・持ち物・衣類など)」(29%)といった家事を夜に行う方も多くみられます。このような翌朝をスムーズに迎えるための“先取り家事”は共働き世帯を中心に広がっています。
また、「掃除(掃除機・拭き掃除・風呂掃除)」(18%)や「家計・事務作業(支払い・書類整理など)」(15%)といった家事を夜に行う方も一定数存在しました。家族が眠った後であれば静かな環境で集中して作業ができるため、あえて夜の時間に行なっているという方もいるかもしれません。
Q3. 夜間の家事にかける頻度と所要時間を教えてください。

どれくらいの頻度で“夜家事”をしているかを尋ねると、「ほぼ毎日」(61%)が最も多く、夜の家事が日常的な習慣として定着していることがわかりました。「週4~5日程度」(15%)、「週2~3日程度」(11%)を合わせると、9割近くの方が週に複数回、夜間に家事を行っていることになります。
所要時間は「30分~1時間未満」(32%)、「1時間~2時間未満」(32%)と、30分~2時間程度の時間で家事をこなす方が多数。夜の家事を少しでも快適に行うことが、忙しい毎日にゆとりをもたらすカギとなりそうです。
Q4. 夜間に家事を行う主な理由は何ですか。
当てはまるものを全てお選びください。(複数回答)

“夜家事”を行う理由の最多は「昼間に時間が取れないから(仕事・育児などで忙しい)」(44%)でした。日中は仕事や育児で慌ただしく、家事に向き合えるのは夜になってからという方が多いようです。
次に多かったのは「自分の生活リズムやスケジュールに合わせやすいから」(31%)。「昼間に家事ができない」という消極的な理由だけでなく、夜の時間帯を家事タイムとして活用する能動的な夜家事派も一定数います。さらに、「翌日の準備(弁当作り・持ち物・衣類など)のため」(22%)といった、翌日を段取りよく過ごすための行動をはじめ、「夜の方が効率的だと感じるから」(19%)、「朝の時間を有効活用するため(朝の家事を減らすため)」(16%)といった効率化志向の回答も多く挙げられました。
夜家事は自分らしい暮らしを実現するための選択肢となっているようです。
Q5. 夜間に家事を行う際の困り事や悩みについて、
当てはまるものを全てお選びください。(複数回答)

約4割の方は特に困っていないと答えた一方で、残りの約6割の方は“夜家事”について何らかの負担を感じていました。主な悩みと寄せられた声を紹介します。
1位 体力的な負担や睡眠不足(36%)
- 夜間にせざるを得ない家事(食事や片付け)と、仕事の疲れ・睡眠不足との両立が難しく、早く休みたいのが本音
- 家事に時間をかけると睡眠時間が短くなり、手を抜くと生活の質が落ちる
- 子どもの相手をしながらのワンオペで、途中で中断も多く、寝るのが遅くなる
一日の終わりに家事が集中すると、そのぶん入眠時間が後ろ倒しに。「家事が終わらない感」「家族が寝ているのに一人で家事をする孤独感」といった声もあり、心身の疲れが積み重なっている様子がうかがえます。効率的かつ家族が自然と家事に取り組みやすい家事動線や、複数の家事を同時にこなせる空間設計がカギになりそうです。
2位 家族の休息を妨げる音(洗濯機や調理の音、足音など)(18%)
- 食洗機や洗濯物を干す時のわずかな音でも2歳の子どもが起きてしまうため、常に神経を使う。本当は掃除機もかけたいが、夜は難しい
- 洗濯機や掃除機の音が気になって思うように作業できない。特に洗濯物を翌朝までに乾かしたいときは静音モードにするため時間がかかり、睡眠時間が削られてしまうのが悩み
- 調理中のまな板や金属音、足音、扉の開閉音にも気を遣う
家族が眠る時間帯は「音を立てない」工夫が欠かせません。その結果、家事の種類が限られたり、作業時間が延びたりするケースも。解消のためには、静音家電の活用に加えて、水回りを寝室から離す間取りや、防音性の高い壁材・扉の採用など、設計段階での配慮も有効です。
3位 近隣への騒音(14%)
- 集合住宅なので、静音家電を使っていても洗濯機や掃除機の音が気になる
- 近隣への騒音が気になり大きな音が立てられないので、慎重に行う必要がありストレスを感じる
- ご近所の就寝時間が早く、音を立てないよう気を遣う
特に集合住宅では洗濯機の振動や排水音が響きやすく、神経を使う場面が多いようです。ただしこの問題は戸建住宅でも例外ではありません。遮音構造や水回りの配置を工夫し、隣家との音ストレスを軽減したいところです。
4位 仕事や育児との両立による精神的な負担(10%)
- 子どもが寝た後が唯一夫婦でできる家事タイムですが、物音ひとつで起きてしまうため、常に神経を使う
- 子どもを寝かしつけた後に食器洗いと洗濯をこなすのが大変
- 帰宅後に家事をまとめて行うと、睡眠時間が削られて翌日のパフォーマンスに影響。仕事の締め切りが重なる週は「終わらない感」が強まり、気持ちの切り替えが難しいのも悩み
本来なら休息に充てるべきの夜の時間を家事に取られると、精神的な疲れにもつながります。特に小さなお子さまがいるご家庭では、親の目が届くリビングや隣室で寝かせる場合も多く、音や光にも気を遣います。効率的に動ける家事動線の工夫がポイントになりそうです。
5位 家族が協力してくれず、家事が一人に集中してしまう(9%)
- 自分一人が家事を担っていると感じる
- 家族が休んでいる中、一人で家事をするのが少し負担に感じる
- 早く終わらせようと時短を意識するあまり、掃除や洗濯が雑になってしまう
仕事で帰宅が遅いなど、夜の時間帯は家族の協力が得にくく、孤独感や不公平感が生まれがちです。家事が一人に偏れば、肉体的・精神的な疲れも蓄積されます。住まいづくり時には、そういった状況をつくり出さないためにも家族が自然と動ける家事シェア動線や、作業を分担しやすいレイアウト設計が重要になるでしょう。
その他、「照明」に関する声も寄せられました。
- キッチンや洗面所の照明を全灯にするとまぶしく、落とすと暗くて家事がしにくい
- 家族の睡眠を妨げないよう照明を控えめにするため、家事効率が下がる
夜家事では家族への光の配慮と同時に、作業しやすい明るさの確保も大切です。家事ゾーンと就寝ゾーンを分けた照明計画や、間接照明の活用など、快適な環境づくりが求められます。
Q6. 夜間に家事を行う際にしている工夫や対策について、
当てはまるものを全てお選びください。(複数回答)

夜間に家事を行う際の工夫として最も多かったのが「家事の手順を効率化して短時間で終わらせる」(45%)でした。限られた時間の中で、いかにスムーズに家事を行うかという意識の高さがうかがえます。
次に多かったのが「掃除や洗濯など、音の出やすい家事を昼間に分散して行う」(23%)「家事の順番やタイミングを工夫して負担を分散する」(21%)「家族と家事を分担して行う」(21%)でした。“負担を分散させること”が夜間の家事を無理なく続けるコツであることがわかります。
具体的にどのような工夫をしているか尋ねると、さまざまなアイデアが寄せられました。日々の夜家事に試行錯誤しながら向き合っている様子が伝わってきます。
効率化・時短の工夫
- 冷凍食品や作り置きのおかずを取り入れて調理時間を短縮
- その日の疲れ具合や優先順位に合わせて工程の少ない料理を作り、無理に全ての家事を終わらせようとしない
- すぐに入浴できるよう、帰宅後まず浴槽を掃除。入浴中に洗濯機と食洗機を同時に回し、お風呂・洗濯・食器洗いの3つを同時に進められるようルーティン化
- 家事の順番やタイミングをあらかじめ決めておくことで、短時間で効率よく家事を終えられるよう意識。一日の終わりを落ち着いた気持ちで過ごせるようにしている
家電・ツールの活用
- 食洗機・電気調理鍋・洗濯乾燥機を導入し、人の手による作業をなるべく減らす
- 家電購入時には、静音機能を重視して選ぶ
家族とシェア・協力
- 妻が夕食作り、子どもはテーブル拭きや翌日の準備、(帰宅の遅い)夫は食器洗いに洗濯物の仕分けなど音の少ない家事を担当。家族で家事をシェアすると短時間で終わり、夜の時間を有意義に過ごせるように
光・音・空間の工夫
- 明る過ぎる照明は避け、デスクライトや間接照明を使い、目に優しく周囲に光が漏れにくいようにしている
- 子どもが寝る前に洗濯機を回し終え、食洗機はタイマー機能で深夜に運転。掃除機は週末にかけるなど、音の出る家事は極力夜間を避けるように時間配分している
- 掃除機ではなくフロアワイパーやモップを使って掃除する
- ランドリールームに“洗う→干す→しまう”を集約して、短時間でリセットできるようにしている
マインド・習慣の工夫
- 掃除は休日のみ行う。疲れてきたら家事が残っていても睡眠を優先
- 後回しにするとやりたくなくなるので、食事が終わったらすぐに片付けをする
- 夜は集中力が落ちやすいため、ToDoリストを作り必要最低限の家事だけに絞る
Q7.夜間に家事を行う中で、「将来家を建てるとしたら取り入れたい」と思う家事スタイルや住まいの工夫を全てお選びください。(複数回答)

最後に、将来の暮らしに求める家事スタイルや住まいの工夫を伺いました。
1位には「夜間の家事は必要最低限にする」(42%)がランクイン。「自分や家族との時間を増やしたい」「夜は疲れを取る時間。家事を完璧にこなすよりも睡眠時間を確保して健康的に過ごしたい」という声が挙がりました。夜間における家事にあくせくせず、ゆったりとした夜の時間を過ごしたいという願望がにじみでています。
次いで、「夜の時間帯を生かし、ゆとりを持って行う」(29%)といった、前向きに夜家事と向き合おうとする姿勢を感じる回答や、「家族と協力・分担しながら取り組む」(28%)、「家事家電の力を借りて負担を軽減する」(25%)などが続き、家族の協力や便利な設備を取り入れた“無理のない暮らし”を求める現実的な声が集まりました。
また収納設備や間取りの工夫による、夜でも「ストレスなく・静かに・安全に家事ができる住環境」への関心も。「家の性能が家事楽や家族の過ごしやすさに直結することを知った」という声も挙がり、家事の工夫や意識だけでなく、住まいの設計によって夜の家事を快適にしたいという方もみられました。

その他、以下に紹介するコメントからは、自分らしい“夜家事の理想”を模索している様子や住み替えを通して理想をかなえた方のリアルな声が伝わってきました。
- 共働きで子どもが小さく、平日の夜は家事と育児で常に時間に追われている。静音性の高い家電で夜間の家事を効率化し、妻との会話や趣味の時間を持ち、心にゆとりのある暮らしを送りたい
- 一軒家を建てて食洗機を導入し、子ども部屋とリビングを離して音を気にせず家事をしたい
- 家族の協力に頼るよりも、便利な家電の導入が確実で効率的。またそれらを使いやすい間取りや動線のある家づくりが理想
- 防音設備を整えて、時間を気にせず家事や音楽を楽しみたい
- 賃貸時代は収納スペースが離れていて動線に無駄があったが、建築中の新居はワンフロアで家事が完結できる住まいに。さらに、くつろぎやデザイン性にもこだわり、80居心地の良さと家事のしやすさを両立させた
- 仕事の疲れによってこなせる家事が限られていたが、家事動線にこだわった新居を建ててからは、洗濯や食器洗いの負担がかなり軽減され、自分時間が圧倒的に増えた
もし「家事のしやすさ」や「暮らしの効率」を意識して住まいを考えるなら、あらかじめ用意されたプランから選べる「規格住宅」も選択肢の一つです。
例えばダイワハウスの規格住宅Smart Made Housing.(スマートメイドハウジング)なら、お客さまに人気の間取りの中から、家事動線や収納計画にこだわった2,300通り以上のプランから間取りを選ぶことができます。
実績に基づく“暮らしやすさ”の工夫が詰まっているので、夜間の家事をスムーズにこなし、家族との時間をゆっくり過ごしたい方にもぴったりです。あなたの家族に合ったSmart Made Housing.の間取りを見つけたい方は、こちらの「My間取りリサーチ」をチェックしてみてください!
まとめ
夜間の家事を効率的に終わらせた後に訪れるのは「心にゆとりを持てる暮らし」です。その実現には、家事動線や収納計画、防音・照明といった設計の気配りに加え、夜のうちに洗濯が済ませられるランドリールームなどの導入も有効です。注文住宅や規格住宅なら、これらをご家族の生活パターンに合わせて検討することができます。ご家族に寄り添った住まいづくりで、心地よい毎日を整えていきませんか。











