ご自宅のトイレでは用を足す以外にも、スマートフォンを見たり、
考え事をしたり…とトイレでの時間を有効活用している方もいるのではないでしょうか。
使用頻度の高い場所だけに、清潔であることはもちろん、居心地の良さも追求したいですよね。
今回は、My House Paletteメールマガジン会員の方々を対象に、
住まいのトイレ事情についてアンケートを実施。
ご自宅のトイレの使い心地や家族・同居人と共用する上で発生するトラブル、
理想のトイレなどについて考えてみました。
調査時期 | 2025年1月10日~1月19日 |
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調査対象 | My House Palette メールマガジン会員 |
有効回答数 | 689件 |
調査方法 | My House Palette メールマガジンでのアンケート |
Q1. 現在の住まいにはトイレが何カ所ありますか?

まずはご自宅のトイレの数を聞いてみました。平屋の一戸建てでは「1カ所」と「2カ所」が同じくらいの割合、2階建ての一戸建てでは、「2カ所」が7~8割、「1カ所」が2~3割という結果に。
3階建て以上になると注文住宅と建売・分譲・中古住宅で割合が変わります。注文住宅の3階建てでは「2カ所」が61%、「3カ所以上」が30%、「1カ所」が9%となり、3割の家で各階に1つ以上トイレが設置されていました。建売・分譲・中古住宅の3階建てでは「2カ所」が70%、「1カ所」が30%、3カ所以上の回答はゼロ。いずれも、注文住宅の方がトイレの数が多い傾向が見られます。
また、トイレが「1カ所」の2階建ての一戸建ての場合、1階に設置するケースがほとんど、マンションの場合の回答は「1カ所」が占めました。
Q2. ご自宅のトイレの使用中、用を足す以外でどのような使い方や過ごし方をすることが多いですか?(複数回答)

次はトイレでの過ごし方について伺いました。「特に何もしない」(50%)を除いた半数がトイレで何らかのことをして過ごしていました。短時間ながらも一人きりになれるトイレは、考え事をしたり、気分をリセットしたりできる貴重なプライベート空間。特に子育て中の方では「子どもから離れて一人になれる」との声も少なくなく、トイレが心理的な隠れ家になっているようです。
一方で、トイレ時間を有効活用するためにスマートフォンをチェックする、本や新聞を読む、ゲームをするといった方も。
具体的にどんな過ごし方をしているのか、下記でご紹介します。
トイレで集中&リフレッシュ
- 子どもと距離を置けるトイレが一番落ち着く。動画を見る、ネットの記事を読むなどゆったり過ごすことも多い
- イライラを落ち着かせ、嫌な気持ちごとトイレに流してスッキリしたいので、トイレで気分をリセットしている
- 一人になれる空間として活用している。家族が入ってこないので、考え事がはかどる
- トイレだと不思議と考え事をしたくなり、やりたいことが次から次へと思いつく
- 家族に邪魔されずにスマートフォンをゆっくり操作したい時にトイレに行く
- 日めくりカレンダーのメッセージを読んでいる。没入できるのがいい
- トイレだとリビングでは絶対に思いつかないアイデアが浮かぶ
トイレ時間を有効活用
- 視力を鍛えるトレーニングや首のストレッチをしている
- 便秘がちでトイレに時間がかかるため、育児の合間の休憩も兼ねてスマートフォンを触る
- SNSのチェックやメール返信をして時間を有効活用
- 用を足しながら床やドアノブ、トイレットペーパーホルダーの掃除をする
- トイレに小さな本棚を設置し、コミックを読んでいる
- 朝、用を足す時にその日のタスクを確認している
- 忙しくても読書時間を捻出するため文庫本を置いて読んでいる
Q3. 現在の住まいのトイレに満足していますか?

トイレ自体の満足度について伺うと、「とても満足している」(17%)、「やや満足している」(50%)を合わせた67%が満足しているという結果になりました。
ただし、トイレの数と満足度の相関性を見ると、「とても満足している」「やや満足している」と回答した方の割合は、トイレの数が「1カ所」では58%、「2カ所」では76%、「3カ所以上」では84%となり、トイレの数に比例して満足度が高くなる傾向に。特に、「1カ所」か「2カ所以上」かの違いは、満足度を大きく左右していました。
Q4. ご自宅のトイレのどんなところが気に入っていますか?(複数回答)

Q3で「とても満足している」「やや満足している」と回答した方に、ご自宅のトイレの「気に入っている点・こだわった点」を聞いてみました。
最も多かったのが「トイレ設備(温水洗浄便座付きトイレや便座ヒーター、手洗いカウンターなど)」(48%)でした。「タンクレスで見栄えが良くなった」「高性能の機種で節水もかなう。収納が多く、床に物を置かないので掃除がしやすく居心地がいい」「便器が浮いていて掃除がしやすく、手洗いをタッチ水洗にしたので快適」などの意見がありました。快適性を向上させる温水洗浄便座付きトイレや手洗いカウンター、トイレットペーパーや清掃用具をしまえる十分な収納、フチなし便器や自動泡洗浄などの清潔感を保ちやすい機能は、トイレの満足度に直結するようです。タンクレストイレの良さを挙げる方も少なくありませんでした。
次に多かったのが「広さ」(37%)。「将来、介護が必要になることを考慮して広めに設計した」「トイレが広いので車椅子でもラクラク」「引き戸で出入りしやすく、出窓があって明るく気持ちがいい。トイレットペーパーホルダーが2つ、スリムな手洗い場と収納棚がありタンクレスで広々」の声も。十分な広さはくつろぎの条件の一つのようです。
次に多かったのが「生活動線が考えられたトイレ配置」(28%)。「寝室から近いので夜間にトイレに行く時に便利」「玄関の横にあるので帰宅後すぐにトイレに行ける。生活の場から分離されているので、音を気にせず使える」といった意見がありました。快適で使いやすいトイレ動線は家族構成やライフスタイルによっても異なるので、これから家を建てる方は設計時に設計士と擦り合わせておくと良いかもしれません。
「居心地の良さ」(14%)を挙げる方もいました。「長居しても落ち着けるし、自宅のトイレは最高だと感じる」「狭過ぎず広過ぎず落ち着く」など、ご自宅のトイレは単に用を足す場所ではなく、ほっとできるくつろぎの場になっていることがここでも裏付けられました。「壁紙、床材、照明などをインテリアコーディネーターに提案してもらい、満足のいく空間になった」「壁紙を落ち着く色にし、気に入った香りを設置しているので入るのが楽しみ」など、トイレを好みのデザインで演出している方もいました。
Q5. ご自宅のトイレのどんなところが不満に感じますか?(複数回答)

一方Q3で「やや不満がある」「とても不満がある」と回答した方に、トイレについて「不満に感じる点」について聞いてみました。
最も多かったのが「寒い、もしくは暑い」(36%)。「トイレの室温が外気温に連動している。冬は寒いし夏は暑い」「換気のため常時窓を開けているので特に冬は寒い」「寒過ぎてヒートショックにならないか不安」といった悲痛な声が寄せられました。
2位以下は大きな差がないものの、さまざまなポイントがトイレの不満度につながっているようです。
- 階段下空間をトイレにしたが、天井が低く窮屈さを感じる
- トイレが2カ所あれば快適だったが、掃除の手間も2倍になるので何とも言えない
- トイレ内の手洗い場が小さく使いにくい
- トイレは広めの方が掃除もしやすく、居心地が良いと思う。わが家の場合は、手洗い場を設けたことで空間が狭くなってしまい後悔している
- 窓はあるが換気扇がないので、においがなくなるまでに時間がかかる
- トイレ空間が縦幅・横幅ともに狭い。また、トイレの位置が北西で、夏場は西日が強く、冬場は寒風が吹きつけて寒い
Q6. ご家族や同居人とご自宅のトイレを共用する上で、ストレスになることや気になることはありますか?(複数回答)

家族や同居人とトイレを共用する上でのストレスや気になるポイントについても聞いてみました。「特にない」(42%)と「一人暮らしなので当てはまらない」(13%)を除く多くの方々が同居人と共用する上で何らかのストレスや気になることを抱えているという結果に。家族や同居人に気を遣って自分のにおいや音、使い方が気になるというものから、他人の使い方やにおいにストレスを感じる、というものまでさまざまな意見が見られました。
以下、ランキング形式でご紹介します。
1位「自分や家族・同居人が使用した後のにおい」(25%)
- 家族とはいえ使用後のにおいはやはり気になる
- トイレに小窓はあるが隣家のキッチンに隣接しているので開けられず、換気扇もないのでにおいの逃げ場がない
- 自分が用を足した時のにおいが気になって、毎回トイレを出る前に消臭剤を使っている
2位 「家族・同居人がルールを守らない」(17%)
- 何度頼んでも夫が立ったまま用を足す。掃除をするのは私…
- 立って用を足されると飛び散りや菌が気になるが、あまりうるさく言いたくはないのでストレスがたまる
- トイレットペーパーがなくなったのに補充をせず、芯がそのまま置いてある
- 夫が使用後、便座を下ろさない。逆に考えれば、夫はその都度便座を上げているわけで、夫は夫でイラついているかも…
3位 「トイレの個数によるトラブル」(12%)
- トイレが1カ所なので毎朝トイレ渋滞が起こる
- 便秘がちのため、トイレに長時間こもることになり家族に迷惑をかけてしまう
- 腹痛でトイレにこもっている時、同居人にトイレに行きたいと言い出されてトイレを中断することがある
4位以降の回答
- トイレの隣が寝室で壁側にベッドがあるため、家族がトイレを使う音で目が覚めてしまうことがある
- リビングの隣がトイレなので来客がいると音が気になる
- 家庭内で感染症が発生した時にトイレが複数あればいいなと感じる
- 夜中にトイレに行きたいのに夫がスマートフォンをいじりながら占拠している時は困る
使い方や衛生観念の違いによる不満の声が多く寄せられました。不満を放置すればイライラが募り、家族関係がぎくしゃくすることもあり得ます。家族間でトイレのルールを話し合い、円満に解決したいものですね。
一方で、トイレの設備や設計の工夫といったハード面で解決できることもあります。例えば、においについてはトイレに換気扇を設置する、脱臭機能搭載のトイレを設置する、消臭タイプの壁紙にすることで軽減できるでしょう。便座の上げ下げに関するストレスは、自動開閉タイプの便座を選ぶことで解消できます。
また、就寝中や来客時にトイレの使用音が気になるというお悩みについては、トイレの配置を考慮する、防音を施すといった設計の工夫ができます。
くつろぎの場にもなっているトイレは、長時間のトイレ占拠に家族が不満を感じていたり、逆に家族に催促されて落ち着けなかったりするケースもあります。ルールを決めたり、トイレを複数設けたりすることで、互いのストレスは大幅に減るでしょう。
まとめ
単なる「用を足す場所」ではなく、リラックスやリフレッシュ、思考を整理する場にもなっているトイレ。使いやすく掃除がしやすい設備を導入して清潔さをキープしつつ、「くつろぎ」という視点から快適な広さや落ち着けるインテリアを考えてみてはいかがでしょうか。「音」の問題で後悔しないよう、設計時の対策も欠かせません。
トイレは家族で共有する場所なので、家族みんなが快適に過ごせるルールを決めることも大切です。ハードとソフトの両面で、トイレの快適度をアップさせたいものですね。