理想のウッドデッキを実現するには、どんなデザインにするかを考えるのはもちろん、
どんな時間を過ごしたいのかイメージを持つことが大切です。
本コラムでは、暮らしのイメージが膨らむ、おしゃれなウッドデッキの事例を多数ご紹介します。
また、ウッドデッキ以外の外構アイデアや実例もご紹介しますので、ぜひ家づくりの参考にしてください。
Part1ウッドデッキのメリット・デメリット
家にいながら自然を感じられる空間となるウッドデッキ。その楽しみ方は多彩です。一方で、設置費用がかかり、維持・管理の面での注意点もあります。メリットとともにデメリットについても理解しましょう。
メリット① 外観がおしゃれになる
木の温かみのある風合いは、外観デザインにナチュラルな雰囲気を加えてくれます。モダンスタイルや和モダンスタイルなど、さまざまなスタイルになじみやすいのも特徴でしょう。エクステリアとの統一感を持たせると、さらに魅力が増します。
メリット② 気軽にアウトドアや趣味を楽しめるスペースになる
ウッドデッキは家の中と外をつなげる開放的な空間です。天気のいい日は、リビングの延長として外で食事や読書が楽しめます。また、DIYやガーデニングができる趣味スペースとしても活躍します。
メリット③ 子どもやペットの遊び場になる
窓を開ければリビングなどからすぐに出入りできるため、子どもやペットにとっても気軽に外遊びができる場所になります。プールや砂遊びなど、屋内では難しい遊びを楽しめるでしょう。
また、屋内から目が届きやすい場所にあるので、目を離すと心配な小さな子どもを見守りながら、安心して遊ばせることができます。
メリット④ 洗濯物を干す・取り込むがラクになる
晴れている日は、洗濯物を日光の下でカラッと外干ししたい方も多いでしょう。ただし、1階に洗濯機スペースがあり、ベランダやバルコニーに外干しする場合は、2階への上り下りがなかなかの負担です。
その点、1階に洗濯機スペースとウッドデッキがあれば、階段の上り下りをしなくてすむので、負担軽減につながりそうです。
デメリット① 初期費用とメンテナンス費用がかかる
ウッドデッキの設置には当然ながら材料費や設置費がかかります。また、ウッドデッキに使用される素材は主に天然木と人工木(樹脂木)にわかれますが、人工木の方はメンテナンスがほぼ不要です。一方で、天然木の方は定期的なメンテナンスが必要になるため、その分の費用もかかってきます。
素材の違いについては後ほど詳しく解説します。
デメリット② 夏は高温になりやすい
ウッドデッキは家の中と外をつなげる開放的な空間です。天気のいい日は、リビングの延長として外で食事や読書が楽しめます。また、DIYやガーデニングができる趣味スペースとしても活躍します。
デメリット③
デッキ下の掃除がしづらい
直射日光を受けると、夏場はとくに表面が熱くなり、素足では歩けなくなることもあります。人工木の方が気温の影響を大きく埋めます。ウッドデッキを設置する際、地面とウッドデッキの間にスペースができます。スペースがあると雑草が生えたりゴミが侵入したりする可能性がありますが、デッキ下は掃除がしにくいため、事前にコンクリート舗装する、幕板(側面の板)を設置するなどの対策をすると良いでしょう。
Part2おしゃれなウッドデッキの
事例12選
ウッドデッキと一口にいっても、そのかたちは多種多様です。毎日の暮らしにどんなアクセントをもたらしてくれるのか。暮らしをイメージできる、豊富なデザインの事例をご紹介します。
1. ゆったりとした広さ×
深い軒でくつろぐウッドデッキ
リビングとフラットにつながるウッドデッキは、ゆったりした広さと深い軒が特徴的です。深い軒は夏の日差しを和らげてくれたり、雨が入り込むのを防いでくれたりします。そのため、天候をあまり気にせずにウッドデッキでのんびり過ごすことができるでしょう。これだけの広さと深い軒があれば、洗濯物を干すスペースとしても重宝しそうです。
2. 大開口のリビングと
フラットにつながるウッドデッキ
パノラマに広がる景色を楽しめる大開口のリビング。そのリビングからフラットにつながるウッドデッキは、大開口の開放感も相まって、リビングが外まで続いているような開放感を得られます
さらに、板張りにした天井と軒の向きを合わせることで、外と中のつながりが強調されている点も、屋内と屋外の一体感を演出するのに効果的な役割を果たしています。
3. 子どもの遊び場として
魅力的で安心できるウッドデッキ
LDKから近い場所にある広いウッドデッキは、子どもの遊び場としても魅力的な空間です。パパやママが屋内から見守れる距離感にあることは、まだ子どもが小さい時期などは特に安心できるポイントではないでしょうか。
また、水遊びやプールなど外でしかできない遊びをする際も、深い軒が日差しを和らげてくれるので、子どもの体調面を考えても安心です。
さらに、ウッドデッキの近くにある豊かな植栽は、日差しを和らげることはもちろん目隠しにもなるので、家で過ごす時間をより快適なものにしてくれるでしょう。
4. 和モダンスタイルを楽しむ
ウッドデッキ
季節ごとに変化する景色など、和の風情を感じるウッドデッキです。趣のある屋内の意匠に合わせて、ウッドデッキも落ち着いた色調で統一しています。
また、ウッドデッキに置かれた低めの台や座布団で、和モダンスタイルに統一感を持たせています。
5. LDKを囲むように設置された
L字型のウッドデッキ
リビングはもちろん、ダイニング・キッチンを囲むようにレイアウトしたウッドデッキです。LDK全体との距離を近づけることで、気軽に外で食事を楽しんだり、在宅ワークの合間に気分転換をしたりと、ウッドデッキのある暮らしを楽しみやすい配置となっています。
ウッドデッキの素材には天然木が使われており、裸足で歩くと心地よい木の質感がさらなる癒やしを感じさせてくれそうです。
6. ソファやテーブルを置いて
くつろぐウッドデッキ
ウッドデッキは自然とともに暮らせる屋外のリビングです。休日のランチは外で食べる。光と風を感じながら、ゆったり読書を楽しむ、ソファに寝転んで昼寝をするなど、室内のリビングと同じようにお気に入りの家具をそろえて、戸建てでしか味わうことのできない、心地よい外時間を満喫できるでしょう。ウッドデッキにお気に入りのおしゃれな家具を置くことで、より長い時間を過ごしたくなるような空間になります。
7. 夜の静かなひとときを楽しむ
ウッドデッキ
家の敷地内で安心して過ごせる外空間だからこそ、家族で心置きなく夜の時間を楽しめる空間になります。子どもと一緒に星空を眺めたり、夫婦でのんびりお酒を楽しんだり、といった過ごし方ができます。ランタンなども持ち出せば、おしゃれなウッドデッキでおしゃれな夜ピクニックを、おうちで楽しめます。
8. LDKからアクセスしやすい
中庭のウッドデッキ
LDKに囲まれた中庭のウッドデッキです。室内と一体感のある屋外のリビングとしてはもちろん、食事の配膳や後片づけがしやすい、屋外のダイニングとしても活躍します。建物に囲まれているため、人目を気にせずくつろげるおしゃれなスタイルです。
9. リビングの天井と同素材の軒で、
屋内との一体感を持たせた
ウッドデッキ
リビングの化粧天井を外部軒天と同じ高さ、同じ天然木でそろえることで、見上げた時に屋内と外空間が一体となり、一層の広がりを感じることができます。また、深い軒が雨や日差しが入り込むのを防いでくれるため、ウッドデッキへのダメージを軽減できます。
ウッドデッキにイスやサイドテーブル、グリーンなどを置き、よりおしゃれな空間を演出しています。
10. 程よい高さの壁で
心地よく過ごせるウッドデッキ
壁を設けることで、外からの視線をうまく遮ったウッドデッキです。壁が高すぎないため、目の前に広がる景色を遮ることなく、ゆったりとくつろげる空間を作りました。こういった壁はプライバシーへの配慮につながるだけでなく、小さな子どもが下に落ちてしまうなどの事故を防ぐことにもつながります。
この事例のように、周辺にある建物の高さ、ウッドデッキでの理想の過ごし方に合わせて、最適な壁の高さを検討すると良いでしょう。
11. 趣味のアイテムの
メンテナンスもしやすいウッドデッキ
屋外とつながるウッドデッキの魅力が詰まった事例です。ウッドデッキはアウトドアで楽しむ趣味との相性は良好。趣味のアイテムのお手入れをしたり、保管場所にしたりと、暮らしの楽しみ方が広がります。
この事例はサーフボードのお手入れや保管場所としてウッドデッキ付近を活用しています。カラフルなサーフボードがエクステリアのアクセントにもなったおしゃれな事例です。
12. カフェのテラス席のような
モダンなスタイルのウッドデッキ
晴れた日にイスとテーブルを置いて、のんびりとした時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。グリーンに囲まれ、まるでカフェのテラス席のような空間になります。プライベート性を高めれば、家族専用のカフェスペースに。外に大きく開けば、ご近所の方との交流スペースとしても活躍しそうです。
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Part3おしゃれなウッドデッキの
ある家にするコツ6選
ウッドデッキをおしゃれにするには、住まいの外観や屋内との調和を持たせることが重要です。色や素材、アイテムの選び方など詳しく解説します。
1. ウッドデッキの活用方法をイメージする
イメージ先行で設置したものの使い勝手が悪く、いざ暮らし始めるとほとんど使わないなんてことは避けたいもの。費用も空間もムダになってしまいます。ウッドデッキでどんなことがしたいのか、しっかり考えて決めておくことが大切です。
例えば、ゲストも招いてホームパーティーを楽しみたい、子どもの外遊びスペースに活用したい、リラックスできる場所にしたいなど、ウッドデッキでの活用シーンをイメージすれば、ウッドデッキの適切な広さやフェンスの高さなどが決められます。
2. ウッドデッキのテイストを決める
ウッドデッキは外構やエクステリアにおいて大きな割合を占めるため、そのテイストによって外観のイメージが大きく変わります。そのためウッドデッキだけを好みのデザインにするのではなく、屋内はもちろん、外壁や屋根など住まい全体のテイストと合うように考えることが大切です。
木の質感を生かしたナチュラルテイスト、リゾートホテルのようなモダンテイストなど、選択肢はさまざまです。和テイストの住まいにするなら、ウッドデッキも縁側のような和の趣にするのも良いでしょう。
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3. ウッドデッキの色を室内の床材などと合わせる
リビングと床の色を合わせることで、屋内と外空間がシームレスにつながり、リビングから見た時に、空間の広がりを感じられます。さらに、サッシの色調や床材の幅を合わせれば、より統一感が生まれるでしょう。
ただ、室内とウッドデッキの高さやも素材もあえて統一しないことで、空間に変化をもたらし、内と外を緩やかに仕切るという方法もあります。
4. ウッドデッキの素材を選定する
天然木や人工木と、選ぶ素材によって質感はもちろん、メンテナンスのしやすさや耐久性が異なります。天然木は木のぬくもりや経年変化を楽しめる一方で、屋外で風雨にさらされるため傷みやすく、再塗装するなど定期的なメンテナンスが必要です。また、大きく分けてソフトウッド・ハードウッドの2種類があり、ソフトウッドは費用が抑えられる、加工がしやすいなどのメリットがあり、ハードウッドはソフトウッドに比べて耐久性が高く、害虫被害のリスクが低くなるなど、それぞれに特徴があります。
人工木は、天然木と比較すると自然な風合いという質感には劣りますが、その分耐久性が高く、害虫被害のリスクも低くなるため、メンテナンスを行う負担が少なくすみます。
5. ウッドデッキに置くアイテムに
こだわる
ウッドデッキでの時間をより楽しむために、ウッドデッキに置くアイテムにもこだわりましょう。ガーデンチェアやテーブルなどのガーデンファニチャーがあれば、毎朝コーヒーを飲んだり、休日に読書をしたりと、過ごし方の幅が広がります。 ウッドデッキの広さに余裕があれば、ゆったりくつろげる屋外用ソファもおすすめです。ウッドデッキのテイストや屋内のインテリアに馴染むデザインを選ぶとともに、屋外に置くことを考えて防水性や耐久性を重視しましょう。
夏の強い日差しを遮るために、軒や庇がない場合でもオーニングやシェードを設置することで、心地よい日陰を作り快適に過ごせます。
また、外で使ったものを屋内にしまうのはちゅうちょしてしまいます。そこで活躍するのが、ガーデンストレージです。しまうものに合あわせて大きさを考えながら、ウッドデッキの近くに置く場合はデザインにもこだわりたいですね。テーブルやベンチにもなる収納ボックスを選べば、省スペースで使えます。
6. ウッドデッキで過ごす時の
プライバシーに配慮する
せっかくのくつろぎの時間も、外からの視線が気になると、その楽しさは半減してしまいます。そこで、目隠しをしてくれるフェンスや壁を設けると良いでしょう。使用するシーンに合わせてフェンスの高さを決めたり、上からの視線を遮るためにオーニングやシェードを活用したりすると良いでしょう。
また、フェンスは目隠しになりますし、子どもやペットがウッドデッキから落下するのも防いでくれます。
そのほか、例えばナチュラルな雰囲気になじむように、横張りや縦張り、格子やルーバーをデザインしたり、モダンなイメージなら、アイアンを組み合わせたりするなど、フェンスそのものでデザインを楽しむこともできます。
ここまでご紹介したような、おしゃれなウッドデッキのある住まいを建てるには、注文住宅なら設計の自由度が高く実現できるでしょう。しかし自由設計の注文住宅でなくても、おしゃれなウッドデッキのある暮らしが叶います。それが大和ハウスの規格住宅とセミオーダー住宅です。
Part4ウッドデッキの選び方
コストやメンテナンスのしやすさ、必要なスペースなど、ウッドデッキを設置する際には、検討しておくべき点が多くあります。
ウッドデッキに適した木材
主に「天然木」と「人工木(樹脂木)」の2種類があります。耐久性やメンテナンス性、コストを考慮しながら、それぞれのメリット・デメリットを理解し、好みのデザインやライフスタイルに合ったものを選びましょう。
天然木
大きく分けて「ハードウッド」と「ソフトウッド」の2種類あります。ハードウッドはウリン、イペ、セランガンバツなどの樹種があり、耐久性が高いのが特徴です。ソフトウッドにはスギやヒノキ、SPF材(常緑針葉樹)があり、ハードウッドに比べると耐久性は劣りますが、加工がしやすくなっています。
メリット:素材の美しい木目や質感、経年の変化を楽しめる
デメリット:防腐処理やシロアリ対策、定期的な塗装といったメンテナンスが必要になる
人工木(樹脂木)
プラスチック系の樹脂とおがくず(木粉)を混ぜ合わせてつくられた人工木材です。木目や色合いなど、見た目や質感を天然木によく似せた製品も多くあります。
メリット:天然木と比べて耐久性が高く、メンテナンスが軽減される。腐食やシロアリによる被害を受けにくい特徴がある
デメリット:質感は天然木と比較すると劣る
ウッドデッキスペースの広さ
ウッドデッキを設けるための広さの目安は、用途や家族の人数によって大きく異なりますが、例えば、洗濯物を干すためなら、3畳(約5m2)~4畳(約7m2)程度は必要でしょう。子ども用プールを出して遊び場にしたり、家族や友人とバーベキューをしたりする場合は、さらに広さが必要となります。
ただ、広さを取ってもあまり使わないとなると、初期費用やメンテナンス費用がもったいないので、事前にハウスメーカーの担当者に相談して、最適な広さを検討しましょう。
ウッドデッキの相場価格
国道交通省が実施したアンケート調査(工務店やリフォーム会社を対象)によると、戸建てに新設する費用として10万円から80万円が目安となります。
- ※出典:国土交通省HP「リフォームの内容と価格について」
- ※調査方法:本資料は、工務店・リフォーム会社・量販店等約40社に対するアンケートおよびヒアリング調査に基づき作成したもの。
なお、費用はあくまで参考値であり、住宅の状況や工事に内容によっては、異なる場合がある。
耐久性
ウッドデッキの耐久性は、選ぶ素材はもちろん、日当たりや気温などの設置条件によって大きく異なるため、プラン検討の段階で、施工会社やハウスメーカーの担当者に確認すると良いでしょう。
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Part5ウッドデッキだけじゃない。多彩な外構のアイデアと実例

ウッドデッキの設置を考えている方は、ぜひそのほかの外構アイデアもチェックしてください。快適な家をつくるための、外構のアイデアと実例をご紹介します。
外構のアイデア
ウッドデッキを設けることで庭とつながる暮らしはできますが、さらに庭のある暮らしを快適にするために、収納付きのウッドベンチを設けたり、シンボルツリーを植えたりするアイデアがあります。収納付きウッドベンチに腰かければ、よりゆったりと過ごすことができるでしょう。ベンチ下に小物を収納できるため、庭をスッキリと保つ効果もありそうです。
シンボルツリーは外から見た時のわが家の象徴となるだけでなく、屋内や庭に出て眺めることで、癒やしの時間を演出してくれるでしょう。
また、屋外の小スペースを利用してつくる坪庭や、野鳥の憩いの場になるバードバス・バードハウスなどのアイデアもあります。ウッドデッキを中心に据えながら、多彩な庭づくりのアイデアを取り入れることで、家で過ごす時間がますます豊かになるでしょう。
外構の実例
家づくりにおいて統一感を出すことは重要ですが、上の写真では広い敷地であえて変化を生み出すために、存在感のある腰壁を設けています。開放感を保ちながら、外構内での境界を緩やかに分ける効果があります。
そのほか、家の顔となるエントランスの実例では、建物と塀の塗りを統一することで、一体感を生み出しています。白を基調としたシンプルな空間デザインだからこそ、植栽の鮮やかさがより一層際立っています。
Part6内と外のつながりを意識した家づくりをしよう
屋外のリビングとして暮らしを快適にしてくれるウッドデッキ。ここまで事例などを通してご紹介してきたように、魅力的な家は、住む人の生活シーンがしっかりイメージされ、リビングや個室などの内と、ウッドデッキなどの外がスムーズにつながるプランニングが施されていました。
大和ハウスの家づくりでは、建物と外構を別々に考えるのではなく、家全体での暮らしやすさを追求しています。ウッドデッキなどの外構に関することはもちろん、家づくり全般のご相談もお気軽にお寄せください。
お話を伺った方
住宅アドバイザー
大塚 有美さん
住宅情報誌の編集職を経て、フリーランスに。現在「住宅とその周辺」をテーマに雑誌などを中心に活動中。住み手の目線から長く暮らせる家を探求している。