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特集:江マルニ木工

芸術〈アート〉を生んだ技巧〈アート〉

優れた木工技術と、その技術への信頼から描かれたデザインが融合し
国内外で愛される椅子が誕生して10年の歳月が流れました。
今回は、HIROSHIMAという名作チェアが生まれた背景と
マルニ木工のものづくりの哲学についてご紹介します。

技術とデザインで世界へ

JR広島駅から車を走らせること約1時間。山々に囲まれた広大な工場で、世界中で愛される椅子が製造されていることをご存じですか。その名は「HIROSHIMA」。2008年の発売から10年を経て、人気はとどまるところを知りません。

HIROSHIMAについて語る前に、作り手であるマルニ木工をご紹介しましょう。1928年、同社の前身となる昭和曲木工場は、「工芸の工業化」を思想として設立されました。それまでの日本の家具は一から十まで職人の手で作る手工業製品。より多くの人に良い製品を届けるには、工業化で価格を下げることが必要でした。ただし、効率を優先せず「工芸のように美しいものだけを作る」という矜持(きょうじ)は、DNAとして常に存在していました。

木工加工の技術を磨き、合理的な生産方法を目指して改革を進め1960年代には彫刻入りのクラシック家具の工業化に成功。やがて「技術のマルニ」と評されるに至ります。高度成長期の一億総中流の波に乗り、欧米スタイルの生活を提案。クラシック家具といえばマルニと言われるほどに成長を遂げました。

しかしバブル経済が崩壊した1990年代、危機が訪れます。核家族化が進み、若年層が家を建てる時代が到来したため、重厚なクラシック家具の需要が激減。加えて安価な輸入家具が多く出回ったため、国産家具の需要自体が大きくダウンしてしまったのです。

急激な売上減に苦しんだマルニ木工でしたが、2005年から大きく舵を切ります。外部の著名デザイナーによる家具デザインを提案する「ネクストマルニプロジェクト」を実施。そこで、プロダクトデザイナーの深澤直人さんと運命的な出会いがありました。

深澤さんはマルニ木工の工場を視察し、木のいい椅子をデザインしたいと思っていたそうです。そして、マルニ木工だからこそ生み出せる、強く美しく手の届く価格の国産家具をデザインしました。それが冒頭でご紹介したHIROSHIMAなのです。

機械と人の手で作る国産家具の名品

HIROSHIMAの大きな特長は、思わず触れたくなる美しい曲線と、すべすべの手触りです。初めて触れる人は、いくつかのパーツが組み合わさっていると思えない滑らかさに驚くことでしょう。この深澤さんがデザインした優美な曲線は、熟練した職人の技術と高度な機械技術なしには生み出すことができません。

マルニ木工の工場では、主に北米などから輸入した品質の高い木材を、敷地内の木材置き場で管理し、高い技術で乾燥させています。仕入れた木材の中から、節や割れがなく、製品になった際にどの方向から見てもきれいな部分を見極めるのも職人の技。家具の形に合わせて粗く「木取り」をし、接着加工を行って、大まかな形を作ります。

この次の工程は、マルニ木工が独自の技術を誇る削り出し加工です。職人の技を模して高精度にプログラミングした機械が、水平移動、垂直移動、回転、刃先の交換などを全自動で行いながら、美しい曲線のフォルムを20分ほどで削り出していきます。刃先の設計やプログラミングはすべて自社内で実施。常に効率化を目指して動作を見直すことで、高品質化、低コスト化を図っています。

面の広い電動ヤスリを使い、表面を滑らかに磨いていく職人の手。長年の経験と体に染み込んだ感覚を頼りに一脚一脚を仕上げる

研ぎ澄ました感覚と丁寧な手仕事

次は、職人が一脚一脚を手で磨き上げていく磨きの工程。広い面を磨くヤスリと細かな部分を磨くヤスリを巧妙に使い分け、手の感覚を研ぎ澄まして作業に当たっています。時折両手で持ち上げて、左右のアームのバランスを確かめる様子は真剣そのもの。生産を開始した当初はスケールを使って確かめながら削っていましたが、やがてHIROSHIMAのラインが体に染み込み、今では感覚だけでも完璧なラインを仕上げられるようになったそうです。一人の職人が一日に仕上げる椅子の数は約20脚。魂を込めて仕上げた椅子にぬくもりが宿っていきます。

機械が得意とするところは高度に機械化する。人の手を必要とするところは人の手で作る。創業から90年を経て、マルニ木工の工場はさらなる「工芸の工業化」を目指しています。

大まかに組まれた部材を、瞬く間に家具の形へと削り出していく機械。さらなる生産性の向上を目指して、プログラムは専門の職人によって改良が繰り返されている

加工・組み立て工場の全景。効率良く作業を行うため、隅々まで規律正しく整えられている

職人による磨きの工程を終え、塗装の工程へ運ばれるのを待つ

世界を驚かせた日本の椅子

シンプルで無駄のないデザインもHIROSHIMAの特長。ただそこにあるだけで存在感が漂うフォルムは彫刻作品のようでもあります。

しかし人が腰かけた時にこそ、その形は本領を発揮します。やや後ろに傾きをつけた座面に腰を下ろし、アームに肘を掛けると、自然に美しい姿勢になるように計算されているのです。脚を組んで左右に体を傾けてもアームが邪魔にならないため、美しい姿勢を保つことができます。これは昔のように応接間のソファでゲストをもてなすのではなく、ダイニングでカジュアルにもてなす昨今のライフスタイルに合致したデザインとも言えます。

無駄をそぎ落とした必要十分なデザインに、海外のユーザーは日本的な潔さの精神を見るのかもしれません。HIROSHIMAは日本国内のみならず、北米やヨーロッパでも高く評価されています。現在は29か国の販売パートナーと契約を結び、近年ではアップル社の新社屋に数千脚が納品されたことでも話題になりました。毎年イタリアで行われるミラノサローネ国際家具見本市では、世界のトップブランドだけを展示するブースに出展をし、訪れたメディアやインテリア業界の人々を驚かせました。

これほどの椅子を、なぜこの価格で販売できるのか?彼らが発した率直な質問は、マルニ木工のこれまでの努力に対する最大の賛辞となりました。

高い技術を必要とするリフォームの作業をベテランの職人が丁寧に、手際よく進めていく

Photo by Mikko Ryhänen Interior architect and designer: Joanna Laajisto

住空間に美しく調和するHIROSHIMA。写真は張座タイプ

良いものを作り長く愛してもらいたい

世界的なブランドへと成長を遂げたHIROSHIMA、そしてマルニ木工ですが、良いものを作って長く使ってもらいたいという気持ちは創業時から全く変わりません。 

マルニ木工の工場内では、販売から数十年ぶりに里帰りした椅子やソファが、修理の順番を待っています。新品とは異なり、リフォーム依頼の家具は二つとして同じ状態のものはなく、修理にはより高い技術が求められます。一つひとつの状態を見極め、傷んだ張り地を剝がし、木部の傷を埋め、新しい生地を張って仕上げていく。すると、使い手にとって愛着のある姿はそのままに、新品のようにきれいな椅子が完成します。リフォームを専門とする職人の指先は、古い家具を魔法のようによみがえらせていきます。

いつかこの場所に、使い込まれたHIROSHIMAが運び込まれる日がくるのでしょう。「百年経っても世界の定番として認められる木工家具をつくり続ける」ことを目標に、マルニ木工の挑戦はこれからも続いていきます。

滑らかな手触りが無駄のないフォルムを際立たせる。写真のアームチェアの他、ラウンジチェア、スツール、スタッキングチェアなどもラインアップ

Photo by Shinichiro Fujii/藤井伸一郎

東京都広尾にあるフレンチレストランへの納品事例。商用建築や企業の社屋などでも愛用されている

山あいにある広大な本社・工場

本社
住所 / 広島県広島市佐伯区湯来町白砂24番地
TEL / 0829-40-5095
HP / http://www.maruni.com/

ショールーム
[仙台花京院ショールーム]
住所 / 仙台市青葉区花京院2-1-65 花京院プラザ1F
TEL / 022-395-8402
[大阪ショールーム]
住所 / 大阪市中央区農人橋1-4-33 アメリカ-ナビル3F
TEL / 06-6910-1250
[広島ショールーム]
住所 / 広島県廿日市市下平良2-1-66
TEL / 0829-20-1121

ショップ
[maruni tokyo]
住所 / 東京都中央区東日本橋3-6-13
TEL / 03-3667-4021
[maruni hiroshima]
住所 / 広島県広島市西区扇2-1-45 広島T-SITE 2号館2F
TEL / 082-533-7836

取材撮影協力 / 株式会社マルニ木工

2018年4月現在の情報となります。

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