事業承継を見据え、賃貸住宅を建設
九州・鹿児島市、南九州一の繁華街、天文館に近い、歴史的建造物の立ち並ぶ歴史ある土地に、2021年12月、賃貸住宅「時・KAMOSU」が完成しました。「時・KAMOSU」の敷地面積は約379坪。1LDK・2LDK・3LDKの10室を備えた和風の2階建て賃貸住宅です。
オーナーの藤安様は、九州で知名度の高い、味噌、醤油などの調味料メーカー藤安醸造の7代目。藤安醸造の歴史は古く、明治3年(1870年)に創業以来、150年以上にわたり鹿児島の食文化を支えてきました。近年は、アメリカや中国、台湾などへ商圏を広げ、成長しています。
今回の賃貸住宅のある土地には、以前藤安様の生家が建っており、現在は空き家となっていました。この土地を活用するきっかけとなったのは、藤安様が社長を務めるグループ会社の事業承継の問題が起きたことでした。会社の株価が非常に高く、事業承継を行う際、後継者へのスムーズな株の譲渡に不安を感じたのです。
そこで、藤安様は株式評価額を下げる対策を検討するために、税理士の先生とも相談し、償却資産を持つことを決意します。個人の所有地を会社が借り、その上で金融機関から借り入れし、賃貸住宅を建てることにしました。株式評価額を下げるという目的のもとに、税理士事務所・弁護士事務所・銀行・大和ハウス工業の4者で協力しながらスキームを作り上げました。
さまざまな種類の土地活用がある中で、プロジェクトを指揮した大和ハウス工業の高田は、当該地が幹線沿いから中に入った住宅地になるため、賃貸住宅か介護施設が良いと判断。目標とする株式評価額を確認し、それに合わせて2階建ての賃貸住宅を提案しました。
個性ある和風の賃貸住宅「セジュールウィット京和風」
土地周辺には歴史的な建造物、風情のある建物が並びます。「周囲と調和できるような賃貸住宅を建てたい」という藤安様の意向を受け、高田は、個性ある和風の賃貸住宅「セジュールウィット京和風」を提案しました。高田の提案を受けたときの印象を、藤安様は、「ビルが建つ中に、このような和風のものが入ってくる。ランドマークというわけではないですが、この土地ならこれでいいと思いました」と語ります。
外観は周囲に調和した和のデザイン。外壁には、藤安醸造のロゴマーク「ヒシク」をあしらいました。瓦をあしらった白い外壁は重厚感を創出します。植栽や石は、生家にあったものも移設。鹿児島県の文化財「加治木石」をはじめ、土・火・水の神様を祀った「ジガンサー」と呼ばれる石碑も移設しました。ゲートまでの敷地には、醤油や味噌樽をモチーフにしたデザインが施され、和モダンなエントランスゲートをくぐるとゆとりのある中庭が広がり、アクセントにヒシクを模した加治木石のベンチを設置しました。
自社株の評価引き下げ効果が得られ、老朽化し、空き家となっていた生家も、周囲に調和した和の賃貸住宅へ生まれ変わりました。オーナーの藤安様からは以下のようにご評価をいただきました。
「現在は約600坪ですが、相続する以前は1800坪くらいありました。工場が建っていたのですが、昭和55年に移転したとき、土地の3分の2を売却しました。そのときの父の悔しさを目の当たりにして、「私はここを守らないといけない」と、心を新たにしました。今回のプロジェクトは、期待以上の成果があったのではないかと思っています。」
スムーズな事業承継を行うために、賃貸住宅の建築による株価対策を実践した今回の土地活用。銀行、税理士らキーパーソンとしっかり連携・協力できたことが、プロジェクト実現のポイントだったと言えるでしょう。また、これらのチームを指揮していくことができるパートナーの存在があってこそ、納得のいく土地活用が実現します。成功する土地活用の秘訣は大和ハウス工業へご相談ください。
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