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コラム vol.565
  • 日本社会のこれから

これからの住まいの新基準「GX志向型住宅」子育てグリーン住宅支援事業で新たな補助制度がスタート

公開日:2025/08/29

2050年カーボンニュートラルの実現に向け、住宅分野におけるエネルギー消費の削減は大きな課題となっています。これまでZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)や長期優良住宅の普及が進められてきましたが、引き続きさらなる性能向上が求められ、より省エネ性能が高く、高効率な住宅のあり方が注目されています。
こうした背景から、国のGX(グリーントランスフォーメーション)戦略の一環として、国土交通省・環境省・経済産業省が連携し、2025年に「子育てグリーン住宅支援事業」をスタート。ZEHを上回る省エネ性能を備えた「GX志向型住宅」が新たに創設され、その早期普及を図るため、新たな補助制度が実施されています。

※新築・GX志向型住宅分については、補助金申請額が予算上限額に達したため、交付申請(予約含む)の受付を終了しました。長期優良住宅およびZEH水準住宅を対象とする補助制度は継続して実施されています。

「GX志向型住宅」はすべての世帯が対象

GX志向型住宅とは、「子育てグリーン住宅支援事業」に新設された、省エネ住宅の新たな区分を指します。住宅分野の脱炭素化を目的として、省エネ性能の高い住宅の新築やリフォームを支援する制度であり、2024年まで実施されていた「子育てエコホーム支援事業」の後を受けて創設されました。
新築の場合、補助対象となる住宅はZEH水準住宅、長期優良住宅、GX志向型住宅の3区分に分類されます。名称が示すとおり、ZEH水準住宅および長期優良住宅に該当する新築(賃貸住宅の新築を除く)の対象は子育て世帯または若者夫婦世帯に限られていますが、GX志向型住宅はすべての世帯が対象となります。

表1:新築住宅(注文住宅・分譲住宅・賃貸住宅)の補助対象

対象世帯 対象住宅 補助額
すべての世帯 GX志向型住宅 160万円/戸
子育て世帯または若者夫婦世帯※ 長期優良住宅 建替前住宅等の除却を行う場合 100万円/戸
上記以外の場合 80万円/戸
ZEH水準住宅 建替前住宅等の除却を行う場合 60万円/戸
上記以外の場合 40万円/戸

※子育て世帯とは、申請時点において18歳未満の子を有する世帯。若者夫婦世帯とは、申請時点において夫婦であり、いずれかが39歳以下である世帯を指します。

国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業の概要」より作成

このように、GX志向型住宅は補助対象の間口が広く、補助額も大きく設定されています。ただし、ZEHよりも厳しい省エネ基準のクリアと高度エネルギーマネジメントの導入が求められ、補助を受けるには一定の性能要件をすべて満たす必要があります。

等級6以上の断熱性能などの要件が必要

GX志向型住宅として補助を受けるためには、以下の前提条件および性能要件を満たす必要があります。

  • ・建築着工日:2024年11月22日以降に基礎工事を開始したもの
  • ・住宅の床面積:50m2以上240m2以下
  • ・事業者登録:補助金申請を行う施工事業者が所定の事業者登録を完了していること

性能要件については、戸建住宅の要件を例として示します。
共同住宅の場合、階数や規模に応じた要件が設けられていますが、基本的な性能基準は戸建住宅と共通しています。

表2

断熱性能 ※1 等級6以上
一次エネルギー消費量の削減率 再エネを除く 35%以上
再エネを含む 原則100%以上 ※2、3
HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の設置 必須※4

※1:結露防止に係る基準は含まない。

※2:寒冷地・低日射地域等は75%以上で可、都市部狭小地等・多雪地域は要件なしとする。

※3:共同住宅の場合、1~3階は75%以上、4・5階は50%以上で可、6階以上は要件なしとする。

※4:「ECHONET Lite AIF仕様」に対応する「コントローラ」として、一般社団法人エコーネットコンソーシアムのホームページに掲載されている製品を設置すること。(接続の是非は居住者の判断)

国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業の概要」より作成

性能要件を満たした上で補助金を受けるには、所定の手続きを行う必要があります。申請は原則として施工会社が代理で行うため、依頼予定の会社が事業者登録を完了しているか早めに確認しておくことをおすすめします。

ZEH・長期優良住宅との違い

「子育てグリーン住宅支援事業」では、GX志向型住宅のほかに、ZEH水準住宅や長期優良住宅も補助対象とされています。ZEH水準住宅とは、住宅の断熱性能の強化や省エネ設備の導入、太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用することで、年間の一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指す住宅のこと。長期優良住宅とは、長く安心して住み続けるため、耐震性や省エネ性、メンテナンス性を備えた住宅のことですが、GX志向型住宅との違いは、次のような性能要件の違いがあります。

  GX志向型住宅 長期優良住宅 ZEH水準住宅
断熱性能 等級6以上 等級5以上 等級5以上
一次エネルギー消費量の削減率 再エネを除く 35%以上 20%以上 20%以上
再エネを含む 原則100%以上
HEMSの設置 必須

国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業の概要」より作成

GX志向型住宅は、ZEHを超える性能要件を満たしつつ、すべての世帯が補助対象となることから、省エネ性能・経済的メリットともに優れた次世代型住宅といえます。エネルギー効率に優れた住宅に再生可能エネルギーやエネルギーマネジメント機器を組み合わせることで、光熱費の削減や環境負荷の低減につながるだけでなく、快適性と将来の資産価値を兼ね備えた住まいを実現できます。

2021年10月に閣議決定した第6次エネルギー基本計画では、2030年に向けて新築住宅の省エネ性能をZEH水準に引き上げる方針が示されており、近い将来ZEH水準住宅がスタンダードとなることが予想されます。さらに、2022年6月の建築物省エネ法の改正により、原則としてすべての住宅に省エネ基準適合が義務づけられました。こうした制度の強化を背景に、GX志向型住宅は、これからの住まいづくりにおける有力な選択肢として、今後ますます注目が集まりそうです。

※新築・GX志向型住宅分の補助金申請額が予算上限額に達したため、交付申請(予約含む)の受付を終了しました。詳細はこちら

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