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コラム vol.203
  • 不動産市況を読み解く

首都圏賃料上昇基調が鮮明に!~賃料推移と賃料の動きの特徴~

公開日:2017/05/31

首都圏の分譲マンション賃料が上昇基調

賃貸住宅経営を始める際には、30年程度の収支計画を作成します。その収支計画においては、いくつかの想定がされています。その代表的なものが賃料です。
計画における賃料の想定は、一括借り上げ制度を利用してもしなくても、経年とともに賃料下落を想定します。
たとえば、築10年くらいまでは横ばい、そこから5年ごとに-5%などと想定をします。そのシミュレーションを基に収支における判断を行うのが一般的でしょう。
しかし、このシミュレーションは、経年による下落のみで、実際は不動産市況(景気)やインフレ状況に左右されて、賃料は上がったり下がったりしています。
先に述べたように、一般的な想定では、賃料は経年により下がるものとしてシミュレーションされますが、最近の首都圏の賃料は上昇基調になっています。
賃料が上がる要因は主に2つあります(この2つは、互いに関係しています)。
1つ目は、不動産市況(景気)の上昇、2つ目は、インフレーションです。
今回は、このうち1つ目の不動産市況について、深堀してみます。
まず、近年の賃貸住宅の賃料の動きを見てみましょう。

図1:分譲マンション賃料月別推移

※分譲マンションのうち賃貸に供す目的で東京カンテイのデータベースに登録された住戸の月額募集賃料より算出している。
※ファミリータイプのみ(専有面積30m²未満の住戸、事務所・店舗用は集計から除外)

(株)東京カンテイ「分譲マンション賃料」より作成

このデータは、首都圏に存在する分譲マンションの賃貸物件の賃料推移を示したものです。首都圏の分譲マンション賃貸物件は、数が多く、また点在しているので、大局的なイメージをつかむのに向いています。
これを見るとわかるように2012年まで下落基調にあった賃料が2013年に入ってからジワジワと上昇しています。
一方、図2を見ると同じ首都圏の中古マンション価格は、2012年の終わりごろから、かなり顕著に価格上昇しています。価格と賃料の動きには、少しのタイムラグがあります。

図2:東京都中古マンション成約状況の推移

■ 成約件数の推移

■ 成約m²単価の推移

(公益財団法人 東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」より作成)

なぜ、賃料の遅行性が生じるのか?

不動産の価格は、景気動向や将来の価値予測を織り込んで敏感に変動します。一方、賃料は、貸主と借主が合意して賃貸借契約を結ぶと、一定期間(一般的な賃貸住宅では概ね2年)は賃料の改定が行われないため、動きが遅れがちになるのです。あくまでも一般論ですが、遅れの度合いは概ね1年程度あると思います。
その一方で、賃料の別の特性として、不動産の用途により賃料水準の変動幅が異なるという性質があります。たとえば、オフィスビルは景気不景気の賃料の上下が大きく、賃貸住宅では、オフィスビルほど賃料は上下にぶれません。

一般の賃貸住宅では、家賃上昇基調でも、契約更新時に強く値上げを伝える貸主は少ないようです。貸主にとっても借主の出入りにおける出費は大きく、「今住んでいる方が、そのまま住んでくれるのが一番」といった雰囲気です。

逆に、家賃下落基調における更新時に、「不景気だから、賃料を下げてください!」と強くいう借主も少ないと思います。そのため、家賃に大きな動きが少ないのです。

賃貸住宅における経営計画では、賃料の上昇予測は立てないものですが、今のように不動産市況での好景気が続くならば、首都圏などにおいては、経営計画をもう少しポジティブに組み立ててもいいのかもしれません。

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