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コラム vol.237
  • 不動産市況コラム

サブリース契約(一括借上システム)標準契約書の改定と、一括借上システムの考え方

公開日:2018/04/20

国土交通省は2018年3月、サブリース契約のトラブル防止のために、「サブリース住宅原賃貸借標準契約書」の改定を行いました。
最近もこのサブリース契約を巡って大きなトラブルが起こり、メディアを騒がせたのは、ご承知の通りだと思います。サブリース契約は、賃貸住宅の経営を行うオーナーの方に広く利用されている制度です。今回は、サブリース契約の標準契約書の改定を検証しながら、サブリース契約について考えてみたいと思います。

国土交通省のホームページによると、標準契約書の改定は、「民法改正や賃貸住宅管理業者登録制度をはじめ、現在を取り巻く環境の変化等を踏まえて、賃料の改定時期等の明確化、サブリース業者から契約を解約できない期間の設定、賃貸不動産経営管理士等の記名押印欄の追加、転貸の条件項目への民泊の可否に関する事項の追加などの改定を行いました。」とあります。

この標準契約書は、それを使用する強制力はないものの、この契約内容を盛り込むことが業界大手を中心に広まれば、実質この改正は業界のスタンダードになることと思われます。

主な追加項目は、以下の通りです。 1)賃料改定時期の明確をする
2)サブリース業者から契約解除できない期間を明確にする
3)民泊に関する可否
等ですが、詳しくは、下記ホームページを参考にしてください。
ここには、サブリース住宅原賃貸借標準契約書やその記入例などが掲載されています。
国土交通省:『サブリース住宅原賃貸借標準契約書』について

さて、サブリース契約により、賃貸住宅オーナーの方は「サブリース業者に一括借上してもらうことで、家賃が保証され、空室の心配がなく、賃貸住宅経営を安心して行うことができる」、というメリットがあります。
いうまでもありませんが、一般的なサブリース契約は期間を定めた契約となるため、契約更新の際には保証される家賃の減額可能性があります。時には、契約更新が行われない、という可能性もゼロではありません。
賃貸住宅を建てる前の収支シミュレーションで、借入期間は30~35年で設定されることが多いため、その全期間家賃保証が行われる、また経年に伴う家賃下落を盛り込んだ範囲内でなければ、収益シミュレーションが成り立たなくなってしまいます。

このようなことを防ぐためにも、サブリース契約(一括借上契約)前提の賃貸住宅経営は行わないということが重要になります。

つまり、 1)入居者のニーズに答えた物件で
2)適切な賃料設定を行うことで
賃貸住宅を探している方に、選ばれる賃貸住宅を建築することが何よりも重要になります。 そして、選ばれる賃貸住宅を建てたのだけど、万が一の備えとしてのサブリース契約をしておく、というスタンスがいいと思います。

つまり、考え方の順番として 1)選ばれる物件の建築 そして次に、備えとしての 2)サブリース契約 この順番こそが何よりも重要だと思います。

土地活用ラボ for Owner アナリスト

吉崎 誠二(よしざき せいじ)

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者等を経て現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

公式サイト:URL http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:URL http://www.hr-i.jp/

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