土地活用ラボ for Owner

土地活用ラボ for Owner

コラム vol.241
  • 不動産市況を読み解く

J-REIT投資と実物不動産投資の、その最大の違いは何か?

公開日:2018/04/27

これまでJ-REIT投資を行っていた方が、実物不動産投資へも投資することが増えているようです。

土地活用で行う各種賃貸経営は、賃貸住宅、店舗、・・等といった実物の不動産を建築して、そこから賃料を得る「実物不動産投資」の一種です。土地活用でなくても、ワンルームマンションやビル等を購入してそこから賃料を得るという点で、これらも「実物不動産投資」となります。
一方、J-REIT、私募不動産ファンドなどは、不動産とそこから得られる賃料を裏付け資産とした金融商品となります。どちらも、「不動産からの賃料を得る」という投資になりますが、その性格は大きく異なります。今回は、違いを検討して、それぞれのメリットデメリットを考えましょう。

手軽に購入できるJ-REIT

J-REITは、東証に上場している不動産ファンドです。第1号のJ-REIT上場銘柄は2銘柄(日本ビルファンド投資法人. 及びジャパンリアルエステイト投資法人)でした。(ちなみに、2001年9月10日に上場、ちょうどアメリカ同時多発テロが発生する前日の事でした。)
その後、上場銘柄は増え続け、2018年3月末現在60銘柄、時価総額は約12兆円となっています。J-REITは、東証に上場している金融商品ですので、証券会社を通じて(市場が開いている時間であれば)いつでも購入することができます。
また、実物不動産と異なり、購入が簡単で、もちろん様々な契約手続き等不要です。ネット証券などを通じて行えば、あっという間に、売り買いができます。売却益が出た場合、一定の税金(約20%)の支払いが必要ですが、これもネット証券などでは、簡単に行えます。

J-REITの利回り

J-REIT全銘柄の平均分配金利回りは、4.11%(2018年4月24日)となっています。4月24日時点の分配金利回りでは、最も高いものは6.73%で最も低い銘柄では3.19%です。分配金は、概ね年2回で、あらかじめ公表されていますが、1口価格(株価に該当するもの)は毎日上下しますので、利回りは多少変動します。分配金が予定から変更されることも、たまにありますが概ね想定通りの分配金がもらえます。
こうしてみると、最低と最高では約2倍の利回りの違いがあります。同じ組成方法ですが、プロパティ種別や立地などにより、安定感が異なると投資家が予想しており、このように大きな差が生まれていると思われます。優良地に建つ大型ビルなど安定した収益が予想される物件が組み込まれた銘柄は比較的低利回りで、一方地方物件や今後の成長期待の商業施設等が組み込まれた銘柄などでは高利回りとなっています。

実物不動産投資もJ-REITも収益原資は同じ

土地活用等の実物不動産投資は、自らが所有する不動産賃料収入を得る、もしくは売却益を狙うということになります。(土地活用の場合、あまり売却益を考えて投資する人は少ないと思いますが)J-REITは不動産ファンドですので、複数の(多数の)不動産が束になって組み込まれており(ポートフォリオ)ますが、土地活用投資と同じように、その原資は、それぞれから得られる賃料収入が主な配当金と、また組み込まれている不動産が入れ替わるときに(売却するとき)の売却益が原資となります。

分散効果

土地活用でロードサイドに1つの店舗物件を建築するような場合、もし万が一その店舗に空きがでると、その期間の賃料収入はゼロです。また、賃貸住宅で戸数が少ないような場合でも、もし1室の空室がでると、その影響は大きく出ます。
しかし、J-REITでは、多くの不動産が組みこまれていますので、多少空室があっても、配当金は出ます。これを分散効果があると言います。もちろん、実物不動産を複数持っていても、同様に分散効果が期待できます。

借り入れで投資ができるか?が最大の違い

土地活用など実物不動産投資とJ-REIT投資の大きな違いは、レバレッジが効くか、つまり借り入れをして投資ができるか、という点だと思います。一般的には株式などの金融商品は借り入れを行って、購入することはできません。
一方、実物不動産の投資では、金融機関からの借り入れで行うことができます。
一定の頭金が必要かもしれませんが、個人(もしくは会社)の信用と物件の担保価値で、一定の賃料収益を得ることができます。大雑把には賃料収入から各種経費と借入金返済を引いたものが収益ですが、もしも頭金がほとんどかからないとなると、多少の不動産投資リスクと引き換えに、元手が少なくても一定の収益を得ることができます。

これまで見てきたように、土地活用投資等実物不動産投資、J-REITとも、賃料収入と売却益が出た時の利益が収益の源です。そして、その際のリスクも分散投資ができれば、似ています。
J-REIT投資と実物不動産投資の、その最大の違い、そして土地活用での賃貸物件投資(実物不動産投資)の最大のメリットは、借り入れを行って、家賃収入を得ることができることです。

土地活用ラボ for Owner アナリスト

吉崎 誠二(よしざき せいじ)

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
立教大学大学院 博士前期課程修了。

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者等を経て現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

公式サイト:URL http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所:URL http://www.hr-i.jp/

[6・7月開催] ダイワハウスの賃貸住宅経営セミナー 参加無料/予約制

メールマガジン会員に登録して、土地の活用に役立つ情報をゲットしよう!

土地活用ラボ for Owner メールマガジン会員 無料会員登録

土地活用に役立つコラムや動画の最新情報はメールマガジンで配信しております。他にもセミナーや現場見学会の案内など役立つ情報が満載です。


  • TOP

このページの先頭へ