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コラム vol.242
  • 不動産市況を読み解く

賃貸住宅融資(アパートローン)金利は、どのように動く?

公開日:2018/05/31

賃貸住宅を建てて、賃貸住宅経営をはじめるほとんどの方が、金融機関からの融資を受けます。その際の融資は、賃貸住宅融資(通称:アパートローン、以下アパートローンと記します)と呼ばれるものです。
このアパートローン金利は、2016年初めのマイナス金利ステージに入って以降、その後大きな変化もなく史上最低水準の低金利が続いています。しかし、金利は上下するものです。今回は、アパートローン金利の動きと今後の展開を予測してみましょう。

アパートローンの審査の主眼

アパートローンは、賃貸住宅経営を行う際の建物の取得のため(建築のため)に行われる融資です。自ら住む為の住宅(自宅)取得の際に行われる融資は、「住宅ローン」と呼ばれます。一方、「アパートローン」は自ら住まない、つまり投資のための融資、あるいは賃貸住宅経営という事業に対する融資ということになります。
そのため、金融機関が、貸し出しを行う際に審査する主眼は、これら2つのローンでは少々異なります。融資の際に金融機関は、「借りたお金を返済することができるか?」を審査します。住宅ローンの場合は、自ら住むわけですから、借りた方の返済力、具体的には借りる方の毎月の収入(あるいは年収)を主眼として見るわけです。
アパートローンの場合の審査の基本は同様に、「返済することができるか?」ですが、アパートローンの場合の返済原資は家賃収入になりますので、「きちんと家賃収入が見込めそうか?」つまり、「賃貸住宅経営という事業が上手く行きそうか?」が審査されます。
そのため、収益シミュレーション上の賃料設定が妥当か?空室予測は妥当か?経年に伴う賃料下落予測は妥当か?などを金融機関がストレステストを行い、融資実行の判断を行います。

アパートローン金利の概要

さて、ここからは、アパートローン金利についての話に入ります。
アパートローンも住宅ローンも同様に、大まかに固定金利と変動金利の2種類あります。細かく述べると、もう少し細分化できますが、ここでは深堀はしません。
住宅ローンは、ある程度パッケージ化された商品で、不動産価格(購入価格)とその担保価値評価、借りる方の年収などを審査しますので、一般的に審査機関も短くなります。また、住宅ローンはデフォルト率(債務不履行)も低いので、金融機関(主に銀行)は競って低金利を提示しています。例えば、店頭金利で2.5%等となっていても、実際はキャンペーン、あるいは優遇金利と称して0.7%等とかなり低い金利で融資している現状です。一方、アパートローン金利は一般的に住宅ローン金利よりも高く設定されています。
しかし、最近の賃貸住宅融資金利はかなり低くなっており、住宅金融支援機構の賃貸住宅融資金利は35年固定でも1.5%前後になっています(2018年5月参考金利)。ただし、住宅金融支援機構の融資には、省エネ、サービス付き高齢者向け等といった条件がありますので、ご注意ください。(詳しくは、大和ハウス工業担当者の方にお聞きください)

アパートローン金利と長期国債の関係

アパートローン金利は、どんな動きをしているのでしょうか?

賃貸住宅融資金利の推移(35年固定)と長期国債(10年)

※長期国債(10年):月末終値
※賃貸住宅融資:繰上返済制限制度無、35年固定

長期国債(10年):財務省、賃貸住宅融資:住宅金融支援機構データより作成

上図は、2006年からの賃貸住宅融資金利(35年固定、繰り上げ返済なし)と長期国債(10年)の推移を示したものです。これらをみると、ほとんど同じような動きを示しています。2つの関係の強さを表す相関係数は0.93となっており、これは極めて強い相関関係にあると言えます。
アパートローン(あるいは住宅ローンも同じですが)、たいてい30年以上の長期間の借り入れとなります。金融機関は、大量に長期国債を購入しており、国債の金利に金融機関の利益やリスク分を金利に反映させて融資金利を決めているわけです。

このように考えると、アパートローン金利の今後を予測するためには、長期国債がどのように動くか次第ということになります。国債金利を下げるために、日銀は大量に国債を購入しています。このような日銀の現在の金融政策(低金利政策)は、少なくとも今年は続くと予想されていますので、2018年中は大きな金利上昇はないと思いますが、アメリカや欧州は今利上げ基調になっていますので、来年以降は金利上昇の可能性は否定できません。注意が必要だと思います。

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