土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.258
  • 不動産市況を読み解く

40万戸をキープできるか?2018年の貸家住宅着工戸数を占う

公開日:2018/11/30

2018年の賃貸住宅着工戸数が9月分まで公表されています(11月上旬執筆時点)ので、今回は2018年の貸家(賃貸住宅)の着工戸数の推移と2018年の見通しについて考えてみたいと思います。

2018年の賃貸住宅着工戸数は昨年対比マイナスが続く

図1:着工戸数(貸家)2017年と2018年の比較

国土交通省「建築着工統計調査」より作成

図1は、貸家着工戸数の2017年と2018年の比較です。折れ線グラフは着工戸数で左目盛り、棒グラフが前年同月比で右目盛りとなっています。
2018年の1~9月、昨年を上回った月は8月の1回だけで、あとは昨年の着工戸数を下回っています。このペースで進めば、2012年以降6年間続いた前年対比増が途切れることになりそうです。
2017年は1月から3月まで前年同月比で大きくプラス、5月までが若干のプラスでした。その後6月以降はマイナスになりますが、前半のプラスが効いて、年間では前年対比でわずかにプラスになりました。2017年6月以降のマイナスは2018年に入っても続き、特に2018年前半の1~5月は、2017年が好調だったこともあり、大幅のマイナスとなりました。折れ線グラフの実数を見ても、前半は大きなマイナスで、6月以降は差が縮まっているものの、8月以外はマイナスが続いています。

貸家だけではなく、住宅着工戸数全てのカテゴリーを加えた総数ではどうでしょうか。

図2:着工戸数(総計)2017年と2018年の比較

国土交通省「建築着工統計調査」より作成

図2は住宅着工戸数(総数)の2017年と2018年の推移です。グラフの目盛りは図1と同じ(左:着工戸数、右:前年同月比)です。この数字を見ると、貸家ほどマイナスの印象は受けません。住宅着工戸数のうち約45%が貸家に該当しますので、貸家のマイナスが総数に影響を与えていると思われます。つまり、貸家以外のカテゴリーでは、2017年と2018年では、大きな差がないということがいえそうです。
さらに、2019年10月から消費税が10%に増税されますので、その影響は「持ち家」カテゴリー(2018年の着工戸数)で、駆け込み需要による多少プラスの影響が出ると思われます。そのため住宅着工総数は年末にかけて前年同月比でプラスになることも充分考えられます。

2018年の賃貸住宅着工戸数は前年マイナスか

土地活用においては、貸家の着工戸数が関係してきますが、この貸家カテゴリーは今後どうなるのでしょうか。 「賃貸住宅融資審査の厳格化と賃貸住宅着工戸数の関係」で述べたように、今後も金融庁は地銀を中心に金融機関に対して不動産融資の審査を適切に行うように指導するようです。そうなると、金融機関の融資審査の厳格化が、着工戸数に大きな影響を与えるといわれています。
しかし、金融機関が貸し出し規制を行っているわけではありません。適切な案件には融資が実行されていますので、あまりネガティブに考えなくてもいいのではないでしょうか。
賃貸用不動産における適切な案件とは、簡単にいえば賃料の見込み、空室の見込み等が多少悪化しても、返済に十分耐えうる案件ということになります。つまり、賃貸需要が見込まれて、賃料が安定している(あるいは上昇可能性がある)エリアの賃貸物件に関しては、これまで通り、融資は実行されると思います。
過熱気味だった賃貸物件への投資の中で、厳しい見込みの案件に対して高い金利で貸し出しをしていたものだけが減っている、ということになります。そういう意味では「正常化してきた」と捉えるべきでしょう。

2018年の貸家着工戸数の着地見込みはどう見るべきでしょうか。2017年は約41.9万戸(前年対比+0.2%)でした。2018年は前半かなり落ち込みました。夏以降多少戻してきていますが、前半のマイナスはカバーできそうにありません。そのため、貸家着工戸数は前年対比でマイナスになると思われます。具体的にはマイナス4~5%程度、40万2000戸~39万8000戸程度になると予想します。

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