土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.259
  • 不動産市況を読み解く

住宅賃料の動向と2019年賃料の展望

公開日:2018/11/30

賃貸住宅関連企業の方々と定期的にお話する中、最近よく話題に上るのが、「2017年以降、高級分譲マンションの賃料が高止まりしている」ということです。特にファミリータイプで家賃30~50万相応の分譲マンションの引き合いが多いといいます。また、タワーマンションなどの人気物件が出ると客足が早く、賃料の指値もほとんどないようです。

図1:分譲マンション賃料推移

※集計方法:賃料データは、東京カンテイのデータベースに登録された分譲マンションの「月額募集賃料」を行政区単位に集計・算出し、m2単価に換算して表記。
※集計対象:ファミリータイプのみ。(専有面積30m2未満の住戸、事務所・店舗用は除外)

(株)東京カンテイ「分譲マンション賃料」より作成

図1は東京カンテイ社が公表している分譲マンション賃料の推移です。これを見ると首都圏での分譲マンション賃料が2017年以降上昇しているのがわかります。
背景には、中古マンション(あるいは新築マンション)を購入しようとしている方が、現在の高値を敬遠して購入するのを控えているということがあります。ファミリータイプの物件を購入しようとすると、例えば一例ですが、2013年頃に坪単価300万円前後だったマンションの価格が、現在は400万を超える水準になっており、標準的なファミリータイプ70m2(約21坪)で換算すると、6000千万円台が8000万円を軽く超える状況です。購入を控えるのも無理はありません。
また、逆にもともと分譲マンションを所有していた方々が、現在の高値を理由に、買値よりも高い値段で物件を売却し、そして別の分譲マンションを賃貸している例も多いようです。中古マンション・新築マンションとも、価格上昇は止まる気配ですが、下落の気配もあまり見られません。もうしばらく首都圏分譲マンション賃貸は好調が続くのではないでしょうか。
一方、近畿圏や中部圏においては2017年半ばから2018年前半にかけて分譲マンション賃料の上昇がみられましたが、その後その上昇は落ち着きを見せました。中部圏においては、落ち着きを見せた後、2018年の後半、再び上昇のキザシがあります。

不動産のビジネスにかかわられている方はご承知のように、賃料には「遅効性」という特徴があります。市況の波、価格上昇の波にやや遅れて、変化が起こるというものです。中古マンション価格は2012年の後半~2013年初めごろから上昇基調にありました。しかし、図1で見たように、じわじわと賃料上昇のキザシは見えていたものの、2017年頃からはっきりと賃料上昇基調が見えました。ですから、2019年の賃料は、都市部を中心に概ね上昇基調にあると考えています。もし仮に、マンション価格が下がったとしても、「賃料の粘着性」から、賃料下落はその2年くらい先になると思います。
このように考えると2019年~2020年の賃料状況は上昇傾向が続くと思われます。仮に市況が悪化したとしても横ばいでしょう。

都市部では賃料上昇に加えて空室率減少傾向

また、空室率についてですが、貸家の着工数は2012年から2017年にかけて6年連続増えていますが、バブル崩壊以降の貸家着工数の平均約47万戸と比べると、2018年でさえもこの平均を下回る約42万戸です。

図2:新設住宅着工戸数(貸家)の推移(全国)

国土交通省「建設着工統計調査報告」より作成

図2で見れば分かるように、「近年の貸家着工数はバブル」との指摘はあてはまらず、リーマンショックのあと大幅に落ち込んでいたのが、少しずつ回復しているという状況です。よって、日本全体では賃貸住宅の築浅物件がまだまだ少ない状況にあるといえそうです。

現状を見ると、需給バランスの崩れている(供給過剰な)エリアを除いて、空室が増えているような状況ではありません。逆に、近年は都市部を中心に賃料上昇に加えて、空室率は減少傾向にあります。この傾向は2019年も続くと思われます。

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